算数の きょうかしょを ぱらぱらと めくると、めもりの ついた 1本の 線が、あちこちの ページに 出て きます。なまえは かずのせん。こんなに よく 出て くるのに、「よみかたを ならう 時間」は ほとんど ありません。今日は、この 線だけを じっくり 見て みます。
かずのせんの 作りかたは かんたんです。まっすぐな 線を 1本 ひいて、おなじ はばで めもりを うち、左から 0・1・2・3…と かずを 書いて いく。これだけです。
きまりは 2つしか ありません。①右へ いく ほど 大きい。②めもりの はばは、ぜんぶ おなじ。たったこれだけなのに、すごい ことが おきます。かずの 1つ 1つに、線の 上の「すわる せき」が きまるのです。7の せきは ここ、と ゆびで させる。
つまり かずのせんは、かずを「いくつ」と いう 大きさから、「どこ」と いう ばしょに かえて くれる 絵なのです。じぶんの せきが きまって いるのは、きょうしつの ざせきと いっしょですね。
じつは 20までのかずの きじにも、かずのせんは こっそり 出て いました。かずが 20まで ふえた とき、ならべて たしかめる 道ぐとして つかったのです。今日は その 線 自体が 主やくです。
6と 9は、どちらが 大きいでしょう。ブロックを 6こと 9こ ならべて くらべる ことも できます。でも かずのせんが あれば、ならべる ひつようは ありません。右に ある ほうが 大きい。見るだけで、くらべおわって います。
ここで おもしろい ことに 気づきます。かずのせんの ならびは、左に 小さい かず、右に 大きい かず。これは 2年生で ならう <の しるしの 向きと ぴったり おなじです(3 < 5 は、左が 小さい)。くわしくは >と<の きじに ありますが、しるしの 向きに まよったら、頭の 中に かずのせんを うかべれば よい、と いう ことです。
「9は 6より 3つ 右」の ように、はなれかたも 見えます。かずの 大きさの ちがいが、線の 上では「きょり」に なって いるのです。
すごろくで あそんだ ことは ありますか。6の マスに いて、さいころで 3が 出たら、「7、8、9」と 3つ すすみます。じつは これ、かずのせんの 上の たしざん その ものです。
とちゅうで 10の せきの 上を とおる ことに 気づいたでしょうか。くり上がりの きじで ならった「10を 作る さくせん」は、かずのせんで 見ると「まず 10まで すすんで、のこりを すすむ」と いう 2だんの たびに なって います。
ひきざんは、ぎゃく向きです。12−3なら、12の せきから 左へ 3つ。「11、10、9」で、9に とうちゃくします。たしざんは 右へ すすむ たび、ひきざんは 左へ もどる たび。けいさんが、線の 上の「うごき」に 見えて きます。
1年生の かずのせんで、いちばん 左に すわって いるのは 0です。0のけいさんの きじで、0は「ない」を あらわす かずだ、と いう 話を しました。「ない」のに、かずのせんの 上には ちゃんと じぶんの せきが ある。ここが 0の えらい ところです。
もし 0の せきが なかったら、どう なるでしょう。1の 左どなりが いきなり 線の はしに なって、「1より 1つ 小さい ばしょ」を ゆびで させなく なります。0が せきに すわって いて くれるから、「3−3=0」の 答えにも、ちゃんと とうちゃくする ばしょが あるのです。
かずのせんには、やぶっては いけない やくそくが 1つ あります。めもりの はばを、とちゅうで かえない ことです。
もし 3と 4の 間だけ はばが 広かったら、どう なるでしょう。「右に ある ほうが 大きい」は まだ 合って いますが、「はなれかたが きょりで 見える」が うそに なります。6と 9の きょりと、1と 4の きょりが、おなじ 3つぶんなのに ちがう 長さに 見えて しまう。はばが そろって いるから、ばしょと きょりが しんじられるのです。
この 目で みのまわりを 見ると、かずのせんの なかまが たくさん 見つかります。ものさしは「長さを はかる かずのせん」。おんどけいは「たてに 立った かずのせん」。そして とけいの きじで ならった とけいの もじばんは、1から 12までの かずのせんを まるく まいた ものです。どれも、めもりの はばが きちんと そろって います。
かずのせんの すごさは、この 先の 学年で ほんとうの すがたを あらわします。
2年生に なると、かずは 1000や 10000まで ふえます。1めもりを 1の ままに して いたら、線が きょうしつに 入りきりません。そこで 1めもりを 10や 100に かえると いう わざを つかいます(100までのかずの その 先、10000までのかずの きじに くわしく あります)。線の 長さは その ままで、のせられる かずだけが ぐんと ふえるのです。
3年生に なると、こんどは めもりと めもりの 間に ひみつが 見つかります。2と 3の 間にも、2.5や 2と2分の1と いった かずが すんで いたのです。かずのせんは、とびとびの せきの ならびから、ぎっしり つまった 1本の 道に かわって いきます。
そして 中学生に なると、線は 0の 左がわへ のびます。0より 小さい かずの 世界です。おんどけいで 見る「れいか」の かずが、そこに 先に すんで います。1年生で 出あった この 線は、そこまで ずっと つかいつづける、算数の いちばん 長もちする 道ぐなのです。
めもりを よむ とき、線の はしを「1」と よんで しまう まちがいが とても 多いです。かずのせんの しゅっぱつてんは 0。はしの めもりが 0か どうかを さいしょに たしかめる くせを つけると、よみまちがいが ぐんと へります。
8+3を かずのせんで やる とき、8に ゆびを おいた まま「8、9、10」と かぞえて、「答えは 10」と して しまう。これは じぶんの せきを 1こ目に かぞえた ことが げんいんです。かぞえるのは せきでは なく うごいた かいすう。すごろくで 「いま いる マスは かぞえない」のと おなじです。
きょうかしょには、0からでは なく「95、96、97…」の ように とちゅうから はじまる かずのせんも 出て きます。はしが 0じゃ ないと あわてて しまいますが、きまりは なにも かわりません。右へ 1つで 1 大きく なる。それだけを たよりに よめば だいじょうぶです。
Q1 かずのせんの 上で、4と 7は どちらが 右に ある?
A 7。右に ある ほうが 大きい かずなので、7の ほうが 大きい、と くらべおわった ことにも なります。
Q2 6と 8の 間の せきに すわって いる かずは?
A 7。めもりの はばは ぜんぶ おなじなので、6の 1つ 右、8の 1つ 左の せきは 7と きまります。
Q3 9+2を、かずのせんの たびで 言うと?
A 9から 右へ 2つ すすんで 11。「10、11」と、10の せきを とおりすぎる たびです。じぶんの いる 9は かぞえません。
Q4 「97、98、99、□」 □の せきに すわる かずは?
A 100。けたが ふえても、線は とぎれません。右へ 1つで 1 大きく なる、の きまりの ままです。
かずのせん(数直線)は、量としての数を「位置」に対応づける、小学算数でもっとも息の長い道具です。2年生の大きな数、3年生の小数・分数、5年生の割合、そして中学1年の負の数まで、新しい数の世界はいつも「数直線のどこに置けるか」という形で導入されます。ところが数直線そのものの読み方は、各単元のすみで少しずつ扱われるだけで、正面から練習する機会がほとんどありません。
おうちで補うなら、紙の上よりも実物が効きます。ものさし・温度計・体重計の目盛りを一緒にのぞいて「0はどこ?」「1めもりはいくつぶん?」と聞いてみてください。この2つの問いは、この先どの学年のどんなグラフを読むときにも、最初に確かめるべき同じ2つの問いです。すごろく遊びも、「今いるマスを数えない」という数え方の練習として、そのまま算数の下ごしらえになります。