1年 算数 くり上がりのあるたしざん

くり上がりのたしざんは「10を作る」だけ

1年生 さいだいの やまばです。でも やって いる ことは たった 一つ、「10の かたまりを 作る」だけです。

なにが むずかしいのか

「3+2」は かんたんなのに、「9+4」に なると きゅうに むずかしく なります。なぜでしょう。

りゆうは、こたえが 10を こえる からです。ゆびは 10本しか ありません。9本 立てて、さらに 4本 立てようと しても、ゆびが たりません。だから 今までの やりかたが つかえなく なるのです。

そこで あたらしい やりかたが ひつように なります。それが「10の かたまりを 作って から かんがえる」という ほうほうです。

なぜ 10なの?

わたしたちの すうじは、10 あつまると つぎの くらいに 上がる しくみに なって います。だから 10の かたまりが できると、「10と いくつ」の かたちに なって、すぐ かずが よめるのです。「10と3」なら 13、「10と5」なら 15。かんがえなくても すぐ わかります。

やりかた ── 9+4 で やって みる

「9+4」を かんがえます。9は あと 1 で 10に なります。だから うしろの 4から 1を もらって きます。

  1. 9は あと いくつで 10? → 1
  2. 4を「1と3」に わける(ここで「いくつと いくつ」を つかう!)
  3. 9+1=10 10の かたまりが できた
  4. 10と のこりの 3で 13
9 + 4 ╱ ╲ 1 3 ← 4を 1と3 にわける 9+1=10 10+3=13

この、下に 2つ ぶら下がる かたちが さくらんぼに 見えるので さくらんぼ計算 と よばれます。えを かくのが めあてでは なく、「10を 作る ために わける」という かんがえかたが 本体です。

もう すこし れんしゅう

8+5 の ばあい

8は あと 2 で 10。だから 5を「2と3」に わけます。

8 + 5 ╱ ╲ 2 3 8+2=10 → 10+3=13

7+6 の ばあい

7は あと 3 で 10。だから 6を「3と3」に わけます。

7 + 6 ╱ ╲ 3 3 7+3=10 → 10+3=13

3つとも こたえが 13に なりましたが、わける かずは ぜんぶ ちがいます。まえの かずが 10まで あと いくつか で きまるからです。ここを まちがえると、こたえも ずれます。

しき10まで あとうしろを こう わけるこたえ
9+411と313
8+522と313
7+633と313
6+744と313

じつは もう 一つの やりかたが ある

ここまでは「うしろの かずを わける」やりかたでした。じつは まえの かずを わける やりかたも あります。

「3+9」で かんがえて みましょう。うしろの 9のほうが 大きいので、こちらを 10に した ほうが らくです。

3 + 9 ╱ ╲ 2 1 ← 3を 2と1 にわける 1+9=10 10+2=12

どちらの やりかたでも こたえは おなじです。がっこうでは ふつう「うしろを わける」やりかたを ならいますが、大きい ほうの かずを 10に する と おぼえて おくと、じぶんで えらべる ように なります。

さいごは おぼえて しまって よい

じつは、くり上がりの たしざんは ぜんぶで 36とおりしか ありません。1年生の おわりごろには、いちいち わけなくても「9+4は 13」と 口から 出る ように なります。それが ゴールです。とちゅうの さくらんぼは、そこへ 行く ための はしごだと かんがえて ください。

ゆびや ブロックだと どう 見える?

しきだけで わかりにくい ときは、ものを つかって みるのが いちばんです。たまごの パックや、10こ入る いれものが あると とても わかりやすく なります。

「9+4」で やって みましょう。まず 10こ入る いれものに おはじきを 9こ 入れます。あと 1つ ぶん あいて います。よこに おはじきが 4こ あります。

┌─────────┐ │●●●●●●●●●□│ 9こ(あと1つ あく) └─────────┘ よこに ●●●● 4こ

よこの 4この うち 1こを、あいて いる ところに 入れます。すると いれものが いっぱいに なります。これで 10の かたまりの できあがりです。よこには 3こ のこりました。

┌─────────┐ │●●●●●●●●●●│ 10こ そろった! └─────────┘ よこに ●●● 3こ のこり 10 と 3 で 13

この「いれものを いっぱいに する」という うごきが、さくらんぼ計算の 正体です。かみの 上の えだけで おしえると なっとくしにくい 子も、じっさいに おはじきを 1こ 動かして みると、その ばで わかる ことが よく あります。

おうちに とくべつな どうぐが なくても だいじょうぶです。たまごの パックを 10この ところで きった もの、おかしの ケース、せいりばこの しきり ── 10こ ならべられる ものなら なんでも つかえます。だいじなのは 「10で いっぱいに なる」という かんかくを 手で おぼえる ことです。

つまずきやすい ところ

その1 「あと いくつで 10」が 出て こない

いちばん おおい げんいんです。「9は あと 1で 10」が すぐ 出ないと、そこで とまって しまいます。これは くり上がりの もんだいでは なく、まえの たんげん「いくつと いくつ」の もんだいです。10の くみあわせに もどって れんしゅう するのが、いちばんの ちかみちです。

その2 わけた かずを 足しわすれる

「9+4」で、10を 作った ところで まんぞくして、こたえを 10と して しまう まちがい。のこりの 3を 足すのを わすれて います。わけた 2つの かずを かならず ○で かこむ と、わすれにくく なります。

その3 わける かずを まちがえる

「8+5」で 5を「1と4」に わけて しまう(9+4の やりかたを そのまま つかって しまう)まちがい。まいかい「まえの かずは あと いくつで 10?」から はじめる ことが たいせつです。まえの かずが かわれば、わけかたも かわります。

たしかめかた

こたえが 10より 大きく、20より 小さく なって いるかを 見ます。1けたどうしの たしざんで くり上がりが ある なら、こたえは かならず 11から 18の あいだです。19や 20に なったら、どこかで まちがえて います。

やって みよう

Q1 9+6 は? さくらんぼで やって みましょう。

A 9は あと1で10。6を「1と5」に わけて、10+5=15

Q2 7+8 は?

A 7は あと3で10。8を「3と5」に わけて、10+5=15

Q3 どんぐりを 8こ ひろいました。もう 一かい いって 7こ ひろいました。ぜんぶで なんこ?

A 8+7。8は あと2で10。7を「2と5」に わけて、10+5=15こ

3つとも できたら、こんどは じかんを はかって やって みましょう。さくらんぼを かかずに、あたまの 中だけで できる ように なったら かんぺきです。

まだ とちゅうで とまって しまう ときは、あせらなくて だいじょうぶです。くり上がりは 1年生の 中で いちばん じかんが かかる ところで、できる ように なるまでに なんしゅうかん かかる 子も めずらしく ありません。まいにち 5もんずつでも、つづけて いれば かならず はやく なります。

まとめ

おうちの方へ

さくらんぼ計算が書けないことを叱らないでください。書けないのはたいてい、その前の「10の合成分解」が自動化していないためです。ここを飛ばして手順だけ覚えさせると、2年生のひっ算で必ず行き詰まります。
「9はあといくつで10?」を、机に向かわない時間に口頭で何度も聞いてあげてください。1秒で答えが返るようになれば、くり上がりは自然にできるようになります。
また、最終的にはさくらんぼを書かずに暗算できる状態がゴールです。書くことを強制し続けると、かえって遅くなる子もいます。答えが安定して出るようになったら、書くのをやめさせて構いません。