2年 算数 大小の ふごう(>・<)

>と<は ワニの 口では ない ── =が かたむいた しるし

「427 > 385」の >。「口の 大きく あいた ほうが、大きい 数を 食べる ワニ」で おぼえた 人は 多いと 思います。それで 書けます。でも「どうして ワニの 口なの?」と 聞かれると、こまって しまう。じつは この しるしは、おぼえかたに たよらなくても、形 その ものに いみが 書いて あります。

ワニは おぼえかた。いみは 形の ほうに ある

1000までの かずの きじでは、くらべかたの ついでに「ワニの 口」の おぼえかたを 1行だけ しょうかいしました。今日は、その しるし 自体、つまり 大小の ふごう(>・<)が 主やくです。

>を じっくり 見て ください。線は 2本だけ。左がわは 広く あいて いて、右がわは 1つの 点に すぼまって います。広い はしと、とがった はし。この 形が、そのまま きまりに なって います。

 427 > 385  広い はしの となり → 大きい 数(427)  とがった はしの となり → 小さい 数(385)

きまりは これ 1つだけです。ワニの 口は、この 形を わすれない ための じょうずな おぼえかたです。でも ワニを わすれて しまっても だいじょうぶ。広い ほうが 大きくて、とがった ほうが 小さいと、絵として 形から 読みとれるからです。

なまえも 知って おこう

>と<を まとめて 不等号(ふとうごう)と いいます。「等(ひと)しく ない ことを あらわす ごう(しるし)」と いう いみです。よみかたは、>が「大なり」、<が「小なり」。なまえを 知らなくても つかえますが、知って いると 先生の 話が ぐっと わかりやすく なります。

=が かたむくと、>に なる

=(イコール)の きじで、=は「左と 右が おなじ」=つりあった てんびんの しるしだ、と いう 話を しました。では、つりあわなかったら どう なるでしょう。

てんびんは、おもい ほうが 下がって、かたむきます。=の 2本の 線も いっしょに かたむいて、かるい ほうの はしで きゅっと くっついて しまう ── そう 思って 見ると、>の 形に なって いる ことに 気づきます。

 つりあって いる   : 5 = 5 (線は 2本とも まっすぐ)  左が おもい(大きい): 7 > 5 (線が 右がわで くっつく)  右が おもい(大きい): 5 < 7 (線が 左がわで くっつく)

つまり =と >と <は、べつべつの きごうでは なくて、おなじ てんびんの 3つの すがたなのです。ワニの なかまでは なく、=の きょうだいだった、と いう ことです。

くらべた 答えは、3つしか ない

ここで、この きじで いちばん 大事な ことを 言います。どんな 2つの 数を もって きて くらべても、答えは つぎの 3とおりの どれか 1つに かならず なります。

くらべた 答えしるししきの れい
左の ほうが 大きい>72 > 68
左と 右が おなじ=60+7 = 67
左の ほうが 小さい<96 < 102

4つめの 答えは ありません。そして、2つの 答えが 同時に おこる ことも ありません(427が 385より 大きくて、同時に 小さい、なんて ことは おきない)。答えが 3つしか ないから、しるしも 3つで たりる。きごうの 数にも、ちゃんと りゆうが あったのです。

「おなじ」も、くらべた 答えの ひとつだ、と いう ところも 見のがせません。=は けいさんの きごうでは なく、くらべっこの 答えを ほうこくする しるしの なかま。だから「>・<・=の どれかを □に 入れなさい」と いう もんだいが 出るのです。あれは 3たくの くらべっこだったのです。

1本の しきに、2つの 文が 入って いる

「427 > 385」は、ふつう「427は 385より 大きい」と よみます。では、おなじ しきを 右から 左へ よんだら どう なるでしょう。「385は 427より 小さい」。じつは どちらも 正しい よみかたです。1本の しきが、2つの 文を 同時に 言って います。

ここから、もう 1つ わかる ことが あります。「3 < 5」と「5 > 3」は、おなじ ことを 言って いる 2とおりの 書きかただと いう ことです。「大きい 数を 先に 書かないと いけない」と 思いこんで いる 子が いますが、そんな きまりは ありません。向きさえ 合って いれば、どちらから 書いても ○です。

では、くらべる 力 その ものは どこで 身に つけるのでしょう。かずの くらべかたは 大きい 位から 順に 見るのが きほんでした。くわしい やりかたは 1000までの かずと 10000までの かずの きじに あります。もっと もとを たどれば、1年生の おおきさくらべで やった「はしを そろえて くらべる」に つながって います。

数だけで なく、しきも のせられる

てんびんの さらに のせられるのは、数だけでは ありません。しきを のせる ことも できます。

20+70 □ 100  □に 入る しるしは?

やりかたは かんたんです。先に けいさんして、さらの おもさを 出して しまう。左の さらは 20+70で 90。右の さらは 100。90と 100の くらべっこに なって、90の ほうが 小さいので、答えは <です。

 20+70 □ 100   ↓ 先に 左を けいさん   90 □ 100   ↓ 90の ほうが 小さい   20+70 < 100

しるしを 書く しごとは、いつも いちばん さいごです。けいさんの とちゅうで しるしを 書いて しまうと、まちがえやすく なります。

この しるしは、先の 学年で 大きく そだつ

>と<は、2年生で ならった あとも、ずっと 出つづけます。3年生の 大きな 数、5年生の 小数や 分数の 大小。くらべる あいてが かわるだけで、しるしの いみは 1ミリも かわりません。

おもしろいのは 6年生です。理科の プログラミングの きじに、「あかるさが きまった 数より 小さく なったら、電気を つける」と いう 分かれ道が 出て きます。コンピュータに 「どっちに すすむか」を きめさせる とき、その 分かれ道の 本体が、まさに この 不等号なのです。向きを 1つ まちがえると、昼に 電気が ついて 夜に 消える、さかさまの 機かいが できあがります。

そして 中学生に なると、「xは 5より 小さい」の ように、あてはまる 数が 1つに きまらない しきを あつかう ように なります。4でも、3.9でも、0でも よい。答えが「はんい」に なる、新しい 世界です。=の 先に 方ていしきが あった ように、>と<の 先には この「はんい の しき」が まって います。

つまずきやすい ところ

その1 向きを ぎゃくに 書いて しまう

「開いた ほうが 大きい」と 口では 言えるのに、書くと ぎゃくに なる 子は 多いです。いちばん 効くのは、書いた あとに 声に 出して よみなおす ことです。「427は 385より 大きい。……うん、合ってる」。よんで みて 文が へんだったら、向きが ぎゃくに なって います。

その2 「大きい ほうを 先に 書く」と 思いこむ

「3 < 5」を ×に して しまう 子が います。小さい 数から 書いて あっても、向きが 合って いれば 正しい しきです。かずのせんの ならび(左に 小さい 数、右に 大きい 数)と おなじ 向きなので、むしろ 数の ならびと 相しょうの よい 書きかたとも いえます。

その3 =が まざると 手が 止まる

「38+2 □ 40」の ような もんだいで、「>か <の どっちかの はずだ」と なやんで しまう。けいさんすると 左は 40。右も 40。つりあって いるので、答えは =です。くらべた 答えは 3つ あることを 思い出せば、こわく ありません。

やって みよう

Q1 96 □ 102  □に 入る しるしは?

A <。96は 2けた、102は 3けた。けたの 数が ちがう ときは、けたの 多い ほうが かならず 大きいので、位を くらべる までも なく きまります。

Q2 30+40 □ 80  □に 入る しるしは?

A <。先に 左を けいさんして 70。70と 80の くらべっこで、70の ほうが 小さいからです。

Q3 「5 > 3」を、<を つかって 書きなおすと?

A 3 < 5。おなじ ことを、右から よんだ 文の とおりに 書いた だけです。どちらの しきも 正しい。

Q4 60+7 □ 67  □に 入る しるしは?

A =。左の さらは 67。右の さらも 67。つりあいます。「□には >か <が 入る はず」と 思いこまない ことが、この もんだいの ねらいです。

まとめ

おうちの方へ

不等号は「ワニの口」「パックマン」などの覚え方で形は定着しやすい一方、「記号の意味を言葉で言う」練習はほとんど行われません。おすすめの確かめ方は、書けた式を声に出して読ませることです。「427は385より大きい」と読んで文としておかしければ、向きの誤りに自分で気づけます。これは答え合わせを待たずに自己検出できる、数少ないミスです。
もう一歩進めるなら、「くらべた結果は『大きい・同じ・小さい』の3通りしかないんだよ」という構造の話をしてみてください。等号と不等号がバラバラの記号ではなく1つのセットに見えてくると、「□に>・<・=を入れる」問題の正体が3択の分類だとわかり、迷いが減ります。この見方は、6年生のプログラミングの条件分岐や、中学の不等式・場合分けの考え方の土台になります。