1年 算数 0のけいさん

0のけいさん ──「ない」を かずとして 書く

1年生が はじめて 出あう、ふしぎな かず。それが 0です。「ない」のに、ノートには ちゃんと 書く。ここが つまずきの すべてです。

0は「かかない」ではなく「かく」

玉入れを して、1回目は 3こ 入りました。2回目は ざんねんながら 1つも 入りませんでした。てんすうの ひょうに、2回目の ところは なんと 書けば よいでしょう。

ここで ますを 空っぽの まま に する 子が とても 多いです。でも せいかいは、まんなかに 0 と 書く ことです。空っぽの ますは「まだ しらべて いない」と いう いみに なって しまいます。0と 書いて はじめて、「しらべた けっか、1つも なかった」と つたわります。

1かいめ … ● ● ● → 3 2かいめ … (なし) → 0 ← ますは あけない 3かいめ … ● ● → 2

0のけいさん が むずかしく 感じられる りゆうは、けいさんの しかたでは ありません。「ない」ことを 見つけて、それに かたちを あたえる という 作ぎょうが、ここで はじめて 出て くるからです。1から9までの かずは、ゆびで さして かぞえられました。0だけは さす ものが ありません。

おうちで ためせる こと

おさらを 3まい ならべて、みかんを 2まいに 1こずつ おきます。のこりの 1まいを さして「この おさらには いくつ?」と きいて みて ください。「ない」と 答えたら、「そう、それを かずで いうと 0だね」と つなげます。ことばと かずを むすびつける、これが 第一歩です。

3-3=0 ── ぜんぶ なくなる ひきざん

0が 出て くる ひきざんには、じつは 2つの かたち が あります。にて いるようで、あたまの 中の うごきは ちがいます。

かたち① 3 - 3 = 0 ぜんぶ とった → のこりは ない かたち② 3 - 0 = 3 1つも とらない → のこりは そのまま

かたち①は、さらに ある あめを 3こ ぜんぶ 食べた ばあいです。のこりを かぞえようと しても、かぞえる ものが ありません。この「かぞえる ものが ない」じょうたいを、0と いう 1文字で あらわします。

かたち②は もっと へんな 感じが します。「3こ あって、0こ 食べた」。つまり なにも して いません。それでも しきに する ときは 3-0と 書きます。「なにも しなかった」ことも、しきに かけるのです。これは おとなでも あらためて 言われると おどろく ところです。

この 2つを 見わけられるかを ためす もんだいが、テストでは よく 出ます。「ぜんぶ」「1つも〜ない」と いう ことばが、見わけの 手がかりに なります。

きんぎょが 5ひき いました。5ひき ぜんぶ べつの 水そうに うつしました。のこりは?

5 - 5 = 0  こたえ 0ひき

おなじ 水そうに きんぎょが 5ひき。きょうは 1ぴきも うつしませんでした。のこりは?

5 - 0 = 5  こたえ 5ひき

5+0=5 ── ふえない たしざん

たしざんの ほうも 見て みましょう。0が まじる たしざんは 3とおり あります。

5 + 0 = 5 あとから 1つも こない 0 + 5 = 5 はじめが 0で、あとから 5つ くる 0 + 0 = 0 さいしょも あとも ない

とくに つまずきやすいのが まん中の 0+5 です。「はこの 中は からっぽでした。あとから 5こ 入れました」という ばめんです。子どもは よく「5+0」と 書いて しまいます。こたえは おなじ 5なので ○に なりますが、できごとの じゅんばんと しきの じゅんばんが ずれて います。

ここを ていねいに 直して おくと、あとで 大きな さが つきます。たしざんは ならべかえても こたえが かわりませんが、ひきざんは かわるからです。「じゅんばん どおりに 書く」くせを、こたえが かわらない たしざんの うちに つけて おきます。

よく ある かんちがい

「0を たしても かわらないなら、0の しきは 書かなくても いいのでは?」と 思う 子が います。でも しきは こたえを 出す ための どうぐ である と どうじに、おきた ことの きろく でも あります。0を 書きけすと、その 回に なにも おきなかった ことじたいが きえて しまいます。

てんすうの ひょうで つかって みる

この たんげんが 教科書で ゲームや 玉入れと いっしょに 出て くるのには、りゆうが あります。0が いちばん 自ぜんに 出て くる ばめんが、とくてん だから です。

1かい 2かい 3かい ごうけい あかチーム 2 0 3 → 5 しろチーム 1 1 0 → 2

ごうけいを 出す ときには 2+0+3の ように、3つの かずの けいさんの 中に 0が まじります。ここで 0を とばして 2+3と して しまう 子が いますが、こたえは たまたま 同じに なります。だから まちがいに 気づかれにくい のです。

しかし 4年生に なって「へいきん」を ならう ときには、この とばしが けっていてきな まちがいに なります。3回 やって ごうけい5なら へいきんは 5÷3ですが、0の 回を とばして 2回ぶんだと かんちがいすると 5÷2に なって しまいます。0の 回も、やった 回の うちに 入る。この かんがえかたを、いま つくって おきます。

つまずきやすい ところ

その1 0を「まる」と よんで しまう

「0」を「まる」と よぶ 子が います。ばんごうを 読む ときには それでも つうじますが、けいさんの ときは 「れい」または「ぜろ」 と よびます。「さん ひく さん は れい」と 声に 出して 言えるように しておくと、文しょうだいでも まよいません。

その2 0と 6の 字が にて しまう

いそいで 書くと、0の 上が とじきらずに 6のように 見える ことが あります。0は たてに 長い わっか、上と 下を きちんと つなげて 書きます。ノートの ますの 上から 下まで いっぱいに つかうと、きれいに かけます。

その3 答えの たんいを わすれる

「0」だけ 書いて おわって しまう 子が 多いです。0ひき、0こ、0人 ── なにが 0なのかを かならず つける。0にも たんいが ある、と いう ことに 気づくのは たいせつな 一歩です。

その4 ひき算の ばめんで 引く ものを 見うしなう

「1つも 入りませんでした」を どう しきに するか まよう 子は、もとの かず は いくつか を 先に さがします。もとが 4こ、へった ぶんが ない なら 4-0。もとが 4こで ぜんぶ なくなった なら 4-4。この 2つの 手じゅんに わけると、まよいが へります。

やって みよう

Q1 7 - 7 は?

A ぜんぶ なくなるので 0。

Q2 7 - 0 は?

A なにも へって いないので 7。

Q3 0 + 8 は?

A さいしょが なくて、8つ ふえたので 8。

Q4 玉入れで、1かいめ 4こ、2かいめ 0こ、3かいめ 2こ 入りました。ごうけいは?

A 4+0+2。4+0=4、4+2=6こ。0の 回も しきに 入れて 書きます。

Q4が できたら、はんたいの もんだいを つくって みましょう。「ごうけいが 3こに なる、3回ぶんの とくてん」を かんがえます。3+0+0、1+2+0、2+0+1 …… 0を つかった 書きかたが いくつも 見つかるはずです。0を つかうと、同じ こたえの しきが ぐんと ふえる。それが 分かれば じゅうぶんです。

まとめ

おうちの方へ

0は、数の中でもっとも抽象度が高い数です。1から9までは指や積み木で示せますが、0だけは「示すものがない」ことを示さなければなりません。ここを飛ばして計算問題だけ練習させると、答えは合うのに意味が入らないまま進んでしまいます。
おすすめは、得点表・出席・お手伝いの回数など、家庭の中で実際に「0の日」が出る記録をつけることです。空欄にせず0と書く習慣がつけば、それだけでこの単元の目標はほぼ達成です。
なお0は、2年生のくり下がりの筆算(40-7など)、3年生の空位のある数、そして「0をかけると0」という4年生以降の性質へと、長くつながっていきます。今は「ない、も数である」という感覚だけで十分です。