1年 算数 =(イコール)のいみ

=は「こたえの あいず」では ない ── 左と 右が おなじ、と いう しるし

「3+2=5」の「=」。この きごうを、毎日 なんども 書いて いるのに、いみを ならう 時間は ほとんど ありません。じつは、ここの 思いちがいは 中学生に なっても のこります。1年生の 今なら、1回で 直せます。

この もんだい、○? ×?

まず、1もん やって みて ください。けいさんは いりません。つぎの しきが 正しければ ○、まちがって いれば ×です。

8 = 5 + 3  これは ○? ×?

×に した 人は、とても おおいです。「=の 右に けいさんが あるのは へんだ」「こたえが 先に 来て いる」と 感じるからです。でも、この しきは ○です。8と、5+3は、どちらも おなじ 8。だから =で むすんで よいのです。

×に した 子が わるいのでは ありません。=を「これから こたえが 出るよ」と いう あいずだと 思って いる だけです。じっさい、教科書に 出て くる しきは ほとんど「けいさん=こたえ」の ならびなので、そう 思いこむのが しぜんなのです。この きじで やる ことは、=(イコール)の いみを たしかめる こと、それだけです。

よみかたと いみは べつ

「=は『は』と よむ」と 知って いる 子は たくさん います。でも「=は どういう いみ?」と 聞くと、手が 止まります。よみかたを 知って いる ことと、いみを 知って いる ことは、べつなのです。

=は てんびんの まん中

=の 本当の いみは、たった ひとことで 言えます。左と 右が おなじ。それだけです。

あたまの 中に、てんびん(シーソーでも いいです)を 思いうかべて ください。=は、その まん中に あります。

 3+2    =    5  \__/      \_/   おもさ5 つりあう おもさ5

左の さらに「3+2」を のせ、右の さらに「5」を のせる。どちらも おもさは 5なので、てんびんは つりあいます。つりあって いる ときだけ、=と 書いて よい。これが きまりの ぜんぶです。

この 見かたが できると、いろいろな しきの ○×が 自分で 決められる ように なります。

しき○×てんびんは?
3+2=5○左5・右5で つりあう
8=5+3○左8・右8で つりあう
5=5○おなじ ものどうし
3+2=4+1○左も 右も 5
3+2=6×左5・右6で かたむく

びっくりするのは、3行目と 4行目かも しれません。「5=5」も、「3+2=4+1」も、けいさんの こたえが どこにも 書いて ありません。それでも 正しい しきです。=は こたえを 出す きごうでは なく、おなじだよ、と いう ほうこくの きごうだからです。たしざんの きじでも「=は おなじ、と いう いみ」と ひとこと ふれましたが、今日は そこを まん中に すえて 考えて います。

いちばん おおい まちがい ──「つなぎ=」

=を「こたえの あいず」だと 思って いると、かならず 出て くる 書きかたが あります。3つの かずの けいさんで、2+3+4を とく ときの ことです。

2+3=5+4=9  ← この 書きかたは ×

「2+3で 5。その 5に 4を たして 9」。あたまの 中の じゅんばんを、そのまま 1本の しきに つないで しまう。これを この きじでは「つなぎ=」と よぶ ことに します。じつは 大人でも、買いものの メモなどで やって いる 人が いる くらい、ありがちな 書きかたです。

どこが いけないのでしょう。てんびんで 見て みます。=は「左と 右が おなじ」の しるしでした。すると この 1本の しきは、いちばん 左の「2+3」と、いちばん 右の「9」も おなじだ、と 言って いる ことに なります。でも 2+3は 5です。9では ありません。てんびんは がたんと かたむきます。とちゅうは 合って いるのに、しき ぜんたいでは うそに なって しまうのです。

直しかたは かんたんで、しきを 2本に 分けるだけです。

2+3=5 5+4=9  ← 1本ずつなら どちらも ○

1本の しきの 中に =は 1回。こまったら てんびんに のせて、左と 右が 本当に おなじかを たしかめる。それだけで、この まちがいは ふせげます。

「おなじ」だから、つくりかえられる

=の いみが わかると、いい ことが あります。おなじ ものには、とりかえて よい、と いう つよい わざが つかえる ように なるのです。

じつは、みなさんは もう この わざを つかって います。くり上がりの たしざんの、さくらんぼけいさんです。9+4を とく とき、4を 1と 3に 分けて、こう 考えました。

9+4 = 9+1+3 = 10+3 = 13

9+4も、10+3も、おもさは どちらも 13。おなじだから、けいさんしやすい 形に とりかえたのです。これは「こたえを 出した」のでは なく、「おなじ ものに つくりかえた」。=を 3回 つかって いますが、どの =の 左右も ちゃんと つりあって いるので、この しきは 1本に つないでも ○です。さっきの「つなぎ=」との ちがいは、どの =の 左右を くらべても おなじに なって いるか、そこだけです。

「10の まとまりに つくりかえる」と いう 考えかたの おおもとは、いくつといくつで やった、かずの 分けかたです。あの れんしゅうは、ここに つながって いました。

この 思いちがいは、先の 学年で きいて くる

「=は こたえの あいず」の ままでも、1年生の テストは だいたい 正かいできます。こまるのは、もっと 先です。

3年生に なると、□を つかった しきが 出て きます。たとえば「□+4=10」。=を てんびんだと 思って いる 子は、「左の さらには □と 4、右の さらには 10。つりあって いるから □は 6だ」と 考えられます。ところが「=の 右は こたえ」と 思って いる 子は、「けいさんして いないのに =が ある」と いう 見た目に とまどって、しきの 前で 手が 止まって しまうのです。

6年生の「文字と 式」で □が xに かわり、中学生に なると、てんびんの 両がわから おなじ かずを 取りのぞいて xを もとめる ように なります。つまり、この 先 何年も つかいつづける どうぐの もとが、1年生の 今 ならって いる =、その いみの ほうなのです。

つまずきやすい ところ

その1 「5=5」を ×に して しまう

「なにも けいさんして いないから」と いう りゆうで ×に する 子が おおいです。けいさんして いなくても、左と 右が おなじなら しきは 正しい。「=は けいさんの きごうでは ない」と 言いかえて あげると、すっと 通ります。

その2 つなぎ=を 書いて しまう

あたまの 中の じゅんばん どおりに 書きたく なるのは、考えられて いる しょうこでも あります。しかる ところでは ありません。「その しき、いちばん 左と いちばん 右は おなじかな?」と 聞いて、自分で 気づかせるのが よいです。

その3 もんだいの 形が かわると 止まる

「5+3=□」は とけるのに、「□=5+3」や「8=□+3」に なると 止まる。これは けいさんの 力の もんだいでは なく、=の いみの もんだいです。てんびんの 絵を 1回 かいて、どちらの さらの 話かを 見せると 動き出します。

やって みよう

Q1 「9 = 4 + 5」は ○? ×?

A ○。左は 9、右も 9。こたえが 左に あっても、つりあって いれば 正しい しきです。

Q2 「4 + 1 = 2 + 3」は ○? ×?

A ○。左も 右も 5です。けいさんの こたえが 書いて なくても、=で むすべます。

Q3 「6+2=8+1=9」。この 書きかたの おかしい ところは どこでしょう。

A いちばん 左の 6+2(=8)と、いちばん 右の 9が おなじに なって いない ところです。6+2=8、8+1=9と、2本に 分けて 書きます。

Q4 「7 + □ = 10」。□に 入る かずは?

A 3。左の さらが 10に なれば つりあいます。7と いくつで 10かは、いくつといくつの 10の 組で 考えられます。

Q1と Q2に まよわず ○を つけられたら、=の いみは もう 手に 入って います。

まとめ

おうちの方へ

=を「こたえが出る合図」ととらえる誤解は、算数教育の研究で昔からくり返し報告されてきた、世界共通のつまずきです。しかも教科書の中で=の意味だけを取り上げて教える時間はほとんどなく、「計算=答え」の並びを何百回も見るうちに、子どもが自力で(まちがった)規則を作ってしまいます。
確かめ方は簡単で、「8=5+3って、あってる?」と口頭で聞くだけです。×と答えたら、てんびんの絵を1つかいて「=はつりあいのしるし」と伝えてください。教えるのに5分もかかりませんが、方程式を習う日まで効き続けます。
もう一つ、お子さんのノートに「つなぎ=」を見つけたときは、考えの筋は合っていることを先に認めてから、式を2本に分けさせてください。とちゅうの思考は正しいのに式の形だけが誤りなので、全部バツにされたと感じさせない扱いが大切です。