1年 算数 おおきさくらべ

おおきさくらべ ──「はしをそろえる」がすべての出発点

まだ ものさしは つかいません。でも ここで やる ことが、2年生の cm や mL の 土台に なります。

くらべかたには 3つの だんかいが ある

この たんげんでは、長さ・かさ(りょう)・広さを くらべます。くらべかたには じゅんばんが あって、3つの だんかい を ふみます。

だんかいやりかたれい
直せつくらべる2つを ならべて くらべるえんぴつ 2本を そろえて 持つ
間せつくらべるべつの ものに うつして くらべるひもで はかって くらべる
いくつ分で くらべるおなじ ものが 何こ分か 数えるクリップ 5こ分・7こ分

この じゅんばんが とても だいじです。①が できるように なってから②、②が できるように なってから③。そして ③の さきに、2年生の ものさし(cm) が あります。

いきなり ものさしを つかわせると、目もりは 読めるけれど「何を して いるのか わからない」子に なります。この 3だんかいを ふむ ことで、「はかる とは、いくつ分 あるかを 数える ことだ」と 分かる ように なります。

①直せつ くらべる ── はしを そろえる

いちばん 大事な ルールが、ここに あります。くらべる ときは、はしを そろえる

○ ただしい くらべかた ┌────────────┐ │━━━━━━━━━━ ← 長い │━━━━━━━ ← みじかい └────────────┘ ↑ はしを そろえる × まちがった くらべかた ━━━━━━━━━━ ━━━━━━━ ↑ ばらばら → どちらが 長いか わからない

あたりまえに 見えますが、子どもは しばしば はしを そろえずに くらべて、まちがえます。「ここから ここまで」の 出ぱつ点が そろって いないと、くらべた ことに ならない ── これは 算数の 基本中の 基本です。

じつは この かんがえかたは、ずっと あとまで つづきます。ものさしで はかる ときも「0の 目もりを はしに 合わせる」。グラフを 読む ときも「どこから 数えて いるか」。「そろえて から くらべる」は、算数ぜんたいを つらぬく 考えかた です。

まがって いる ものは くらべられない

ひもや なわとびの ように、まがる ものは そのままでは くらべられません。まっすぐ のばして から くらべます。これも 子どもには 気づきにくい ポイントです。

②間せつ くらべる ── 動かせない ものは?

では、動かせない もの は どう くらべれば よいでしょう。たとえば「つくえの たてと よこ、どちらが 長い?」「まどと ドア、どちらが 高い?」

ならべて くらべる ことは できません。そこで、べつの ものに うつして くらべます。

  1. ひもや テープを つかって、つくえの たての 長さを うつしとる
  2. その ひもを、こんどは よこに あてて みる
  3. ひもより 長ければ よこが 長い、みじかければ たてが 長い

この やりかたの すごい ところは、はなれた 場しょに ある ものも くらべられる ことです。家の ドアと 学校の ドア、どちらが 高いか。ひもで うつして 持って いけば くらべられます。

③いくつ分で くらべる ── 数に する

3つめが いちばん 大きな 進歩です。おなじ ものが 何こ分 あるかを 数えて、数で くらべる

えんぴつ = クリップ 8こ分 ボールペン = クリップ 6こ分 → えんぴつのほうが 2こ分 長い

ここで はじめて「どちらが 長い」だけでなく、「どれだけ 長いか」が 分かります。これは 大きな ちがいです。

数えるのに つかう ものは、クリップでも、消しゴムでも、マスの 目でも かまいません。ただし ぜんぶ 同じ 大きさの もの でなければ いけません。大きい クリップと 小さい クリップが まざって いたら、数えても いみが ありません。

これが「たんい」の 正体

「おなじ 大きさの ものが 何こ分か」── これが たんい の 考えかたです。2年生で ならう「1cm」も、じつは「1cmが 何こ分」と いう ことです。
クリップで はかると 人によって けっかが ちがう。だから 世界中で 同じ ものさし を 決めた ── それが cm や m です。この 話を 1年生に して おくと、2年生で ものさしを 見た とき「なるほど」と なります。

かさ(水の りょう)くらべ

長さと おなじ 3だんかいが、水の りょうにも あります。

かさで とくに 大事なのは、入れものの 形に だまされない ことです。細くて 高い コップと、太くて 低い コップ。水の 高さだけを 見ると 細いほうが 多そうに 見えますが、じっさいは 分かりません。

これを たしかめるには、同じ 入れものに うつしかえる しか ありません。うつしかえて みたら 同じだった ── この おどろきの けいけんが、とても 大事です。

広さ くらべ

長さ・かさと 同じ かんがえかたが、広さにも つかえます。

①直せつ:2まいの かみを かさねて みる。はみ出した ほうが 広い。ここでも「はしを そろえる」が やくそくです。

③いくつ分:マス目の 数を 数える。ノートの マスや おりがみの 数で くらべます。

かみA = マス 12こ分 かみB = マス 9こ分 → Aのほうが 3こ分 広い

広さの おもしろい ところは、形が ちがっても 広さは 同じ ことが ある 点です。細長い 長方形と、正方形に 近い 形。見た目は ぜんぜん ちがうのに、マスを 数えたら 同じ 12こ分 だった ── これは 大きな 発見です。

この けいけんが、4年生の「面積」に つながります。面積の 公式を おぼえる 前に、「広さとは マスが いくつ分か」 という かんかくを 持って いる 子は、公式の いみが すぐ 分かります。

つまずきやすい ところ

その1 はしを そろえずに くらべる

いちばん 多い まちがい。「せーの、で そろえる」と 声に 出して から くらべる くせを つけましょう。かべや つくえの はしに ぴったり つけて そろえると 分かりやすいです。

その2 見た目に だまされる

細長い コップの 水が 多く 見える、広げた ねん土が 多く 見える。これは ほぞん の 考えが まだ 育って いない じょうたいで、この 時期には ごく しぜんな ことです。
しかる ひつようは まったく ありません。うつしかえて 見せる、もどして 見せる ── くりかえす うちに 分かって きます。

その3 ちがう 大きさの もので 数える

大きい クリップ 5こ分と 小さい クリップ 7こ分を くらべて「7このほうが 長い」と して しまう。「同じ 大きさの もので 数える」が やくそく だと、はっきり 教えます。これに 気づけたら、たんいの 考えに 一歩 近づいて います。

やって みよう

Q1 えんぴつと 消しゴム、どちらが 長い? どうやって しらべる?

A 2つを つくえに 置き、はしを そろえて くらべる(①直せつ)。

Q2 つくえの たてと よこ、どちらが 長い?

A ひもで たての 長さを うつして、よこに あてて みる(②間せつ)。

Q3 えんぴつは 消しゴム 何こ分の 長さ?

A 消しゴムを ならべて 数える(③いくつ分)。同じ 消しゴムを つかうのが やくそくです。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、ものさしを使わないため「遊んでいるだけ」に見えるかもしれません。しかし、ここで直接比較・間接比較・任意単位の3段階を体験しておくことが、2年生以降の測定の理解を決定的に左右します。
家庭では、ぜひ実際に比べさせてください。「靴下、どっちが長い?」「このコップとあのコップ、どっちがたくさん入る?」──答えを教えるのではなく、「どうやって調べる?」と方法を考えさせるのがポイントです。
特に「見た目にだまされる」経験は貴重です。細いコップと太いコップで、予想と結果が違ったときの驚きが、そのまま学びになります。