「ぼくは、きのう、公園で、友だちと、サッカーをした。」この文の主語と述語はどれですか、と聞かれて迷った経験はありませんか。長い文で主語と述語が見えにくくなるのは、文を一つの長い単語のかたまりとして見ているからです。文を文節という単位に区切ってしまうと、長い文でも骨組みがはっきり見えるようになります。
文を、意味の分かる最小のまとまりに区切ったものを文節といいます。文節を見つける一番かんたんな方法は、文のあいだに「ね」を入れてみることです。不自然にならずに「ね」を入れられる場所が、文節と文節の切れ目です。
「さ」や「よ」を入れても同じように区切れます。「ぼくはさ、きのうさ、こうえんでさ……」でも違和感なく入ります。この「ね・さ・よ」区切り法は、文節のつなぎ目に必ず入れられる言葉を使った、確実な見つけ方です。
注意したいのは、文節は単語とは別の単位だということです。「ぼくは」は「ぼく」と「は」という2つの単語からできていますが、「ね」を入れるのは「ぼくは」のあとだけで、「ぼく」と「は」のあいだには入れられません。つまり「ぼくは」は、2つの単語でできた1つの文節です。
国語の文法では、文を見るときの単位が3つ出てきます。大きさの順に整理すると、次のようになります。
| 単位 | 大きさ | この文での例 |
|---|---|---|
| 単語 | いちばん小さい、意味を持つ言葉 | 「ぼく」「は」「サッカー」「を」「し」「た」 |
| 文節 | 単語が1つか、いくつか集まったまとまり | 「ぼくは」「サッカーを」「した」 |
| 文 | 文節が集まり、「。」で終わるひとまとまり | 「ぼくは、きのう、こうえんで、ともだちと、サッカーをした。」 |
単語にまで分けてしまうと、「は」や「を」のような助詞がどの言葉とセットなのか見えにくくなります。逆に、文のまま全体を見ると、長い文ほど主語と述語の関係がつかみにくくなります。文節というちょうどよい大きさに区切ることで、「どの文節とどの文節が、どんな関係でつながっているか」を見ていくことができるのです。
文節は、ばらばらに並んでいるのではなく、ほかの文節と何らかの関係で結びついています。この関係には、大きく4つの型があります。
| 関係 | かんたんな説明 | 例 |
|---|---|---|
| 主語・述語の関係 | 「だれ(何)が」と「どうする・どんなだ」の関係 | 花が/さく |
| 修飾・被修飾の関係 | くわしくする文節と、くわしくされる文節 | 赤い/花 |
| 並立の関係 | 2つの文節が同じ資格で並ぶ関係 | 花と/木 |
| 補助の関係 | すぐ前の文節の意味をたすける関係 | 読んで/いる |
この中で、いちばんよく使うのが主語・述語の関係と修飾・被修飾の関係です。「赤い花がさく」という文なら、「花が/さく」が主語・述語の関係、「赤い/花が」が修飾・被修飾の関係になっています。1つの文の中に、この関係が何組も入れ子になって出てくることもあります。
並立の関係は「花と木」「読むか書くか」のように、2つの文節が「と」「か」などでつながり、どちらも同じ役目をしている場合です。入れかえても文の意味がほとんど変わらないのが見分け方です。補助の関係は「読んでいる」「食べてみる」のように、あとの文節が、それだけでは単独で使われにくく、前の文節の意味を助けているだけの関係です。
文の中に、主語・述語の関係(文節の組)がいくつあるかによって、文は3つの種類に分けられます。
| 種類 | 主語・述語の組 | 例 |
|---|---|---|
| 単文 | 1組だけ | 犬が走る。 |
| 重文 | 2組以上が、対等に並ぶ | 犬が走り、猫がねる。 |
| 複文 | 2組以上が、入れ子になる | 犬が走るのを、わたしは見た。 |
重文は、「犬が走り」と「猫がねる」という2つの文を、対等なまま「、」でつないだものです。どちらを先に言っても、文全体の意味はあまり変わりません。これはつなぎ言葉で2つの文を結びつけるときと同じ発想です。
複文は少しちがいます。「犬が走るのを」という文節のまとまりが、「わたしは見た」という大きい文の中の、1つの文節(「見た」の対象)として入れ子になっています。つまり、小さな文が、大きな文の部品として組みこまれているのが複文です。重文と複文のちがいは、2つの文が対等に並んでいるか、どちらかがもう一方の中に入っているかで見分けます。
この単元が役に立つのは、ふだんの長い文を読むときです。次の文で、主語と述語を見つけてみましょう。
この文を一文節ずつ「ね」で区切ると、「弟は」という文節が見つかります。これが主語です。次に、文の最後を見ると「遊んでいた」が見つかります。これが述語です。文の途中にある「公園へ行った」は、「弟」をくわしくする修飾の文節なので、主語・述語の組には入りません。長い文でまよったときは、いちばん最後の述語をさきに見つけ、それに対する主語を前からさがすという順番で考えると、まよいにくくなります。
「ぼくは」を「ぼく」と「は」の2単語に分けたまま文節の数を数えてしまうまちがいです。「ね」を入れられる場所だけが切れ目だと覚え直すと、まとめて1文節と数えられるようになります。
「赤い花がさく」で、「花が」ではなく「赤い」を主語だと答えてしまうまちがいです。主語は「だれ(何)が」にあたる文節で、「赤い」はその花をくわしくしているだけの修飾語です。述語(さく)に「何がさくのか」を直接聞いてみると、主語がしぼれます。
「、」で区切られた文を見ると、すべて重文だと思ってしまうまちがいです。2つの文が対等に並んでいるか(重文)、一方がもう一方の中に入っているか(複文)を、入れかえてみて意味が変わるかどうかで確かめます。入れかえても意味が変わらないなら重文、入れかえると意味がおかしくなるなら複文です。
Q1 文節を見つけるときに、文のあいだに入れてみる言葉は?
A 「ね」(「さ」「よ」でもよい)
Q2 「赤い花がさく」で、主語と述語の関係にあたる文節はどれとどれ?
A 「花が」と「さく」(「赤い」は修飾語)
Q3 「読んでいる」のような、前の文節の意味を助けるだけの関係を何という?
A 補助の関係
Q4 「犬が走り、猫がねる。」は単文・重文・複文のどれ?
A 重文(2つの主語・述語の組が対等に並んでいる)
Q5 長い文で主語をさがすとき、先に見つけるとよいのはどちら?
A 述語を先に見つけ、それに対する主語を前からさがす