3年 国語 段落分け

段落分け ── 一つの段落には、一つのことだけ書く

作文を書いていて、どこで行をかえればいいのか分からなくなり、けっきょく最後まで行をかえずに書いてしまったことはありませんか。段落は、なんとなく長くなったら変えるものではありません。ことがらが変わったら変える、それだけの決まりです。この決まりさえ分かれば、読むときも書くときも、段落で止まらなくなります。

段落とは何か

文章を見ると、行の先頭が一字分、右にずれて始まっているところがあります。そこが段落の始まりです。段落とは、「一字下げ」から次の「一字下げ」の手前までの、ひとまとまりの文のかたまりのことです。

段落は、文を何行か集めてただ区切っているのではありません。段落の役目は、読む人に「ここからは、前と少しちがう話ですよ」と知らせることです。段落が変わるところで、読む人の頭の中にも小さな区切りができます。段落がまったくない文章は、どこで頭を切りかえればよいかの合図が一つもないので、同じ文章でも読みづらく感じられます。

一つの段落には、一つのことだけ

段落を分ける場所をさがすときに、いちばんもとになる決まりがこれです。一つの段落には、一つのことがらだけを書く。二つ目のことがらが出てきたら、そこで段落を変えます。

「ことがら」というのは、話題・できごと・意見の一つのまとまりのことです。たとえば、あさがおの観察日記で「たねをまいた話」と「水やりのやり方の話」は、別のことがらです。この二つを一つの段落に続けて書くと、読む人は「今はどちらの話をしているのか」で立ち止まってしまいます。

書き方中身読んだときの感じ
一つの段落に2つのことがらたねまき→すぐに水やりの話へ続く話題がいつ変わったか分からない
段落を分けるたねまきの段落/水やりの段落どこからどこまでが何の話か一目で分かる

書くときにまよったら、「今から書こうとしていることは、さっきまでの続きか、それとも別の話か」を自分に聞いてみてください。別の話だと答えたなら、そこが段落の変えどきです。

読むときの合図 ── 段落が変わる三つのきっかけ

人が書いた文章を読むときは、段落の変わり目に注意すると、話の筋が追いやすくなります。段落が変わるきっかけには、よく出てくる三つの形があります。

① 時間が変わる 例:「つぎの日」「しばらくして」「夕方になると」 ② 場面・場所が変わる 例:「教室を出ると」「運動場では」 ③ つなぎ言葉で、話の向きが変わる 例:「しかし」「だから」「ところが」が段落の先頭に来る

①と②は、物語文や生活文によく出てきます。時間や場所が変われば、そこで起きることも変わるので、段落も変わるのです。③は説明文に多く、つなぎ言葉がそのまま「ここから話の向きが変わります」という目じるしになっています。段落の先頭の一文だけを拾って読んでいくと、文章全体の流れがつかみやすくなるのは、この先頭の一文に、その段落のことがらがいちばんよく出ているからです。この「段落の中心になる一文」を見つける練習は、説明文の要点でくわしく練習します。

書くときの合図 ── 一文でまとめられるか、ためす

自分で作文を書くときは、読む側とは逆に、「ここで段落を変えるべきか」を自分で決めなければいけません。そこで使える、かんたんな確かめ方があります。

「一文まとめテスト」 今書いている段落を、 「○○は、……ということを書いた段落」 と一文で言えるか、試してみる。 → 一文で言えた   :そのまま一つの段落でよい → 言おうとすると「それと」「あと」でつながってしまう :二つのことがらが混ざっている→段落を分ける

実さいの文章で見てみましょう。次の六つの文は、もともと一つの段落として書かれていました。

① 朝、目が覚めたら六時半だった。 ② 顔をあらって、歯をみがいた。 ③ 服に着がえて、かみの毛をとかした。 ④ 教室に着くと、黒板に時間わりが書いてあった。 ⑤ 一時間目は算数で、二時間目は国語だった。 ⑥ 休み時間に友だちとボールあそびをする約束をした。

この六つを一文まとめテストにかけると、①〜③は「朝起きてから学校へ行くまでの身じたくをした段落」、④〜⑥は「学校に着いてからの時間わりと友だちとの約束の段落」と、別々の一文でしかまとめられません。ことがらが「身じたく」から「学校での出来事」に変わっているからです。だから、③と④のあいだで段落を変えるのが正しい分け方になります。

行をかえるときの書き方のきまり

段落を変えるときは、見た目にも決まった書き方があります。原こう用紙に書くときは、段落の最初の一字だけを一マス下げて書き始めます。これを字下げといいます。字下げがあるおかげで、読む人は文字を読まなくても、ぱっと見ただけで「ここから新しい段落が始まる」と分かります。

もう一つ、会話文(「 」でかこまれた、人が話した言葉)が出てきたときの決まりがあります。会話文は、たとえ前の文の続きの場面であっても、かならず行をかえて書きます。そして、かぎかっこの「は、一マス目にそのまま書き、字下げのための空白は別につけません。これは「ことがらが変わったから」ではなく、「話している人が交代した・言葉がそのまま始まった」ということを目立たせるための、会話文だけの特別な決まりです。

つまずきやすいところ

その1 一度も段落を変えずに、最後まで書いてしまう

書いている本人は話の流れがすべて分かっているので、段落を変えなくても困りません。しかし読む人には、どこで話題が変わったのかの目じるしが一つもなく、長い文字のかたまりにしか見えません。四百字をこえたら、一文まとめテストを一度かけてみる習慣をつけましょう。

その2 一文ごとに段落を変えてしまう

逆に、気をつけすぎて一文書くごとに行をかえてしまう書き方もよく見られます。段落は「文の数」で区切るものではありません。同じことがらが続いているあいだは、何文あっても一つの段落のままで大じょうぶです。

その3 会話文の前で行をかえるのをわすれる

地の文(せつめいの文)から会話文に移るとき、行をかえずにそのまま続けて書いてしまうまちがいです。「〜と言った。」のように、かぎかっこの前後は地の文でも、かぎかっこそのものは必ず行の先頭から始めます。

やってみよう

Q1 段落の最初の一文字は、どう書く?

A 一マス下げて(字下げして)書く

Q2 一つの段落に入れてよいことがらの数は?

A 一つだけ

Q3 自分の書いた段落を確かめる方法は?

A 「○○は、……を書いた段落」と一文で言えるか試す(言おうとすると「それと」でつながるなら分ける)

Q4 会話文(「 」)が出てきたら、どう書く?

A かならず行をかえて、かぎかっこを行の先頭から書く

Q5 「朝起きて身じたくをした話」のあとに「学校に着いてからの話」を続けて書くとき、正しいのは?

A ことがらが変わった場所(学校に着いた文の手前)で段落を変える

まとめ

おうちの方へ

段落分けは、作文の「中身」ではなく「組み立て方」の技術なので、内容がおもしろいかどうかとは別に、練習すれば必ず上達するところです。お子さんの作文を見るときは、「どこで話が変わった?」と聞いてみて、お子さん自身に区切りの場所を指させてみてください。指させたのに段落が変わっていなければ、そこに一字下げを足すだけで直せます。反対に、一文ごとに改行する書き方が目立つときは、「ここと、ここは同じ話?」と聞いて、同じ話なら一つにまとめさせるとよいでしょう。この技術は要約するでも土台になります。段落ごとの中心を一文でつかむ練習は、説明文の要点とあわせて読むと、読む力と書く力の両方につながります。