4年 国語 要約する

要約する ── 短くすることは、捨てるものを決めること

要約はまとめる技術であると同時に、捨てる判断の技術でもあります。

要約とは何か

要約とは、元の文章の大事なところだけを残して短くすることです。

似た言葉に「感想」「あらすじ」がありますが、それぞれちがいます。

要約 … 元の内容を、短く正確に伝える (自分の考えは入れない) 感想 … 読んで自分が思ったこと (自分の考えが中心) あらすじ … 物語の出来事の流れ (説明文では使わない)

要約でいちばん大事なのは、自分の意見を入れないことです。「わたしはすごいと思いました」は要約ではありません。

あくまで筆者が言ったことを、短く言い直すのが要約です。

要約の手順

要約は、思いつきでやるものではありません。決まった手順があります。

① 各段落の中心文に線を引く ② キーワードを丸で囲む ③ 中心文をつないでみる ④ 重なりを削る ⑤ 指定の字数に整える

順に見ていきましょう。

① 中心文を見つける

中心文とは、その段落でいちばん言いたいことが書かれた一文です。

見つけ方のコツがあります。

・段落の最初か最後にあることが多い ・「つまり」「このように」の後にある ・具体例(たとえば〜)は中心文ではない ・くり返し出てくる言葉を含んでいる

迷ったら、その段落を一文で言うとしたらどれかと考えます。

② キーワードを見つける

キーワードは、文章全体でくり返し出てくる大事な言葉です。

題名に含まれている言葉は、たいていキーワードです。また、何度も形を変えて出てくる言葉も重要です。

キーワードは要約に必ず入れます。逆に言えば、キーワードが入っていない要約は、どこかがずれています。

何を捨てるか

要約の本質は、実は捨てる作業です。何を残すかより、何を捨てるかを決めるほうが難しいのです。

捨ててよいものには、はっきりした特徴があります。

捨ててよいもの理由
具体例要点を分かりやすくする道具
くわしい数字細かすぎる(傾向だけ残す)
くり返しの表現同じことを言っている
読者への呼びかけ内容ではない
比喩の説明言いかえにすぎない

逆に、絶対に捨ててはいけないものもあります。

・筆者の主張(いちばん言いたいこと) ・その理由 ・キーワード ・「しかし」の後の内容

とくに「しかし」の後は要注意です。日本語では、「しかし」の後に本当に言いたいことが来ます。

「たしかに便利です。しかし、危険もあります。」 → 筆者が言いたいのは「危険もある」ほう

「たしかに〜。しかし〜。」という形が出てきたら、後半を残すのが原則です。

字数に合わせる

要約の問題では、たいてい字数が指定されます。「40字以内で」「100字程度で」といった形です。

字数によって、残せる情報の量が変わります。

20〜30字 … 主張だけ 50字程度 … 主張 + 理由1つ 100字程度 … 主張 + 理由 + 補足 200字程度 … 各段落の中心文をつないだ形

字数が少ないほど、思い切って捨てる必要があります。逆に多いときは、丁寧に残していきます。

そして、字数を守るのは絶対のルールです。「100字程度」なら90〜110字くらい。「100字以内」なら100字を超えてはいけません。

字数を減らすテクニックも覚えておきましょう。

・「〜ということができます」→「〜です」 ・「〜することによって」→「〜で」 ・二つの文を一つにつなぐ ・修飾語を削る

ただし、削りすぎて意味が通じなくなっては失敗です。読み返して、意味が伝わるか確かめます。

要約が上手になる練習

いきなり長文の要約は難しいので、段階を踏むとよいです。
① 1つの段落を1文にまとめる
② 3つの段落を3文にまとめる
③ 3文を1文につなげる
この順で進めると、無理なく力がつきます。
また、ニュースの見出しは最高の要約の見本です。数十文字で内容を伝えています。ニュースを見て、自分で見出しをつけてみる練習もおすすめです。

要約が役立つ場面

要約の力は、国語のテストのためだけではありません。

理科や社会の勉強で、教科書の内容をノートにまとめるとき。全部写していては時間がかかりますが、要点だけ書けば効率的です。

人に何かを伝えるとき。長々と話しても伝わりません。「つまり何が言いたいのか」を短く言えると、相手に届きます。

自分の理解を確かめるとき。要約できないということは、実は分かっていないということです。短く言えるかどうかは、理解のものさしになります。

そして調べ学習でも使います。本やインターネットで調べたことを、そのまま写すのは調べ学習ではありません。要約して、自分の言葉で書き直す。これができて初めて、自分の知識になります。

実際にやってみる

短い文章で、要約の手順を実際にたどってみましょう。

【元の文章】 ミツバチは、花のみつを集めて生きています。 ところが、みつを集めるだけではありません。 花から花へ移動するとき、体についた花粉を 別の花へ運んでいるのです。 たとえば、リンゴやイチゴは、ミツバチが 花粉を運んでくれないと実がなりません。 世界の作物の三分の一が、こうした 虫たちのはたらきに支えられています。 このように、ミツバチは自然と人の くらしを支える大切な存在なのです。

手順どおりに進めます。

① 中心文に線 → 最後の「このように〜」の文 ② キーワードを丸で囲む → ミツバチ、花粉を運ぶ、支える ③ 捨てるものを決める → 「たとえば」のリンゴ・イチゴの例 → 「三分の一」という細かい数字 ④ 残すものを決める → みつを集めるだけでなく花粉を運ぶ → それが作物や自然を支えている

これをつないで整えると、こうなります。

【50字程度の要約】 ミツバチはみつを集めるだけでなく、 花粉を運ぶことで作物や自然を 支えている大切な存在だ。(44字)

具体例を捨てても、言いたいことは伝わっています。これが要約の力です。

そして「ところが」の後の内容──みつを集めるだけではない、という部分──がしっかり残っていることにも注目してください。逆接の後は、やはり大事なのです。

つまずきやすいところ

その1 感想を書いてしまう

「わたしは〜と思いました」と書く。
要約に自分の考えは入れません。筆者が言ったことだけを短くします。感想を書く問題とは別物です。

その2 具体例を残してしまう

印象に残った例を書いて、要点を落とす。
具体例は要点を説明するための道具です。その例が何を示すために出されたのかを考え、そちらを残します。

その3 元の文をそのまま抜き書きする

つないだだけで、文章として不自然になる。
中心文をつないだ後、読み返して整える作業が必要です。接続語を足したり、重なる言葉を削ったりします。

やってみよう

Q1 要約と感想のちがいは何ですか。

A 要約は筆者が言ったことを短くする。感想は自分が思ったことを書くものです。

Q2 中心文の見つけ方を言いましょう。

A 段落の最初か最後、「つまり」「このように」の後を探します。具体例は中心文ではありません。

Q3 「たしかに〜。しかし〜。」のとき、どちらを残しますか。

A 「しかし」の後です。そこに筆者の本当の主張があります。

Q4 今日読んだ本や記事を、50字で要約してみましょう。

A 主張1つと理由1つが入る長さです。字数を数えて調整してみてください。

まとめ

おうちの方へ

要約は、国語のなかでも特に実用的な技術です。中学・高校の学習はもちろん、社会に出てからも使い続けます。
お子さんが要約でつまずくとき、多くは「捨てる勇気」が足りないケースです。全部大事に見えて削れないのです。「この例がなくても、言いたいことは伝わる?」と問いかけてあげてください。
練習としては、読んだ本の内容を口頭で説明させるのが手軽で効果的です。「どんな話だった?」と聞いて、1分で答えてもらう。書くより気軽にでき、要約の感覚が育ちます。
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