1年生の ときは、お話を 絵に すれば だいたい とけました。2年生に なると、絵に かこうと して 手が 止まる 問題 が 出て きます。この 単元は、そこを こえる ための ものです。
まず、こんな 問題を 見て ください。
これを 絵に かこうと すると、どうなるでしょう。7人は かけます。15人も かけます。でも 「はじめの 人数」は 何こ かけば いいのか 決まりません。分からない から 問題に なって いるのに、絵は 分かって いる 数しか かけないのです。
ここが、1年生の やり方の 行き止まりです。1年生の 文しょう題は、「はじめに いくつ あって、いくつ ふえて、いくつに なったか」が ぜんぶ 前から 順に 出て きました。だから 出て きた 順に 絵を かけば よかった。
2年生の 問題は、分からない 数が とちゅうに 入って きます。しかも 分からない 数が いちばん さいしょに ある ことも あります。順に 絵を かく やり方では、書き出す ことが できません。
そこで つかうのが テープ図 です。まるや 人の 絵を ならべる かわりに、1本の 細長い 四角 を かいて、その 中を 区切ります。
いいですか。分からない 数にも 場しょが ある のです。数が 分からなくても、「そこに 一かたまり ある」ことは 分かって います。だから 四角を かいて □と 書いて おけば、絵に できなかった ものが 図に なります。
これが テープ図の 正体です。数を 「こ数」から「長さ」に 言いかえる 道ぐ。長さなら、中身の 数が 分からなくても かけます。
そして 図が できた しゅんかん、答えの 出し方が 見えて きます。ぜんぶの 長さ 15から、右の 7を 切り取れば、のこりが □です。
かき方に 細かい ルールは いりません。この 3つだけ 守れば、どんな 問題でも かけます。
| きまり | なぜ そうするか |
|---|---|
| 大きい 数ほど 長く かく | 長さと 数が ちぐはぐだと、目で 見て 考える いみが なくなる |
| ぜんぶの 数は テープの 外に、矢じるしで 書く | 「部分」と「ぜんぶ」を おなじ 場しょに 書くと 混ざる |
| わからない ところに □ を 書く | □が 1つだけ ある 図に なれば、それが そのまま 式に なる |
とくに 3つめが 大事です。図を かき終わったとき □が 2つ以上 あったら、まだ 読み落としが あります。もう一度 問題文に もどって ください。2年生の 問題は、□が 1つに なるように 作られて います。
じょうぎで きれいに かく ひつようも ありません。ノートの ますを つかって、ざっと まっすぐな 四角が かければ 十分です。きれいに かく ことに 時間を つかうと、かんじんの 考える 時間が なくなります。
2年生で 出て くる この 手の 問題は、□が どこに あるかで 4つに 分けられます。図に すると、ちがいが はっきり します。
| 形 | お話の 例 | 図の かたち | 式 |
|---|---|---|---|
| ふえた あとが 分からない | 12こ あって 5こ もらった | 12 と 5 が ならび、ぜんぶが □ | 12+5=□ |
| はじめが 分からない | 何こか あって 5こ もらって 17こに なった | □ と 5 が ならび、ぜんぶが 17 | □+5=17 → 17-5 |
| ふえた 分が 分からない | 12こ あったのが 17こに なった | 12 と □ が ならび、ぜんぶが 17 | 12+□=17 → 17-12 |
| へった 分が 分からない | 17こ あって 何こか あげたら 12こに なった | ぜんぶ 17 の 中に 12 と □ | 17-□=12 → 17-12 |
ここを 見て ほしいのですが、上から 2つめと 3つめは、お話は ぜんぜん ちがうのに 式は どちらも ひき算 です。お話の ことばだけで 決めようと すると 見分けが つきません。図に すると「ぜんぶから 一方を 切り取る」という 同じ 形だと 分かります。
ぎゃくに いえば、テープ図を かかずに 「もらった と 書いて あるから たし算」と 決めて しまう 子は、2つめの 問題で かならず まちがえます。もらって いるのに、答えは ひき算 だからです。
もう 1つ、テープを 2本 たてに ならべる 使い方が あります。2つの 数を くらべる ときです。
左はしを そろえて かくのが こつです。そろえると、はみ出した 分 が そのまま 答えに なります。「多い」「少ない」「ちがいは」と 書いて ある 問題は、ぜんぶ この 形です。
この 見方は、そのまま 3年生の □を つかった 式に つながり、さらに 上の 学年で 出て くる 線分図に なります。テープが 線に 変わるだけで、考え方は 何も 変わりません。
いちばん 多い つまずきです。数字が 2つ 見えた しゅんかんに、たし算か ひき算かを あてずっぽうで 決めて しまう。
あたる ことも あるので、本人は こまって いません。だから 直りにくいのです。あって いた 問題でも 図を かかせる のが 近道です。あとで 3けた・4けたの 数に なった とき、あてずっぽうは 通じなく なります。
5を 長く、20を 短く かいて しまう。これでは 図を 見ても 何も 分かりません。
「どっちが 多い? じゃあ どっちを 長く かく?」と 一言 聞くだけで 直ります。長さは かざりでは なく 情ほう だと 気づかせる ことです。
15人を テープの 中の 区切りの 1つとして 書いて しまい、15+7=22 と 答える まちがい。
ぜんぶの 数は テープの 外がわ に、矢じるしを つけて 書きます。中は「部分」、外は「ぜんたい」。この 場しょの ちがいが、そのまま 意味の ちがいです。
□=8 と 出した あと、答らんに 15 と 書いて しまう。図に むちゅうに なって、何を 聞かれて いたか 忘れる ためです。
図を かく ときに、問題文の さいごの 一文に せんを 引く しゅうかんを つけると ほぼ なくなります。
Q1 あめを 何こか もって いました。9こ 食べたので、のこりが 6こに なりました。はじめ 何こ もって いましたか。図を かいて 式を 作りましょう。
A テープの 中を「9こ」と「6こ」に 区切り、ぜんぶを □こ と 外に 書く。9+6=15 15こ。
Q2 しおりさんは カードを 24まい、弟は 18まい もって います。ちがいは 何まいですか。
A 2本の テープを 左そろえで かき、はみ出した 分が 答え。24-18=6 6まい。
Q3 「12こ あって、何こか もらったら 30こに なった」。もらった 数を 求める 式は たし算ですか、ひき算ですか。
A ひき算。もらった 話だけれど、図では ぜんぶの 30から 12を 切り取る 形。30-12=18。
Q4 図を かき終わったら、□は いくつ あれば 正しいですか。
A 1つ。2つ 以上 あるなら、問題文に まだ 読んで いない 数が のこって います。
この単元は、テストで点が取りにくいわりに、後の学年への影響がとても大きいところです。ここで図を省く癖がつくと、3年生の□を使った式、4年生以降の線分図、そして中学の方程式まで、同じ場所でつまずき続けます。逆にここを通っておくと、「分からないものにも名前をつけて置いておく」という考え方が身につきます。これは算数というより、考え方そのものの道具です。
ご家庭で見るときは、答えが合っているかより図が描いてあるかを見てください。合っていても図がなければ「どうやって分かったの?」と聞き、図があれば間違っていても「ここまで書けたのはえらい」と伝える。この順序を逆にすると、子どもは図を「答えが出せない人が書くもの」と受け取ってしまいます。
また、大人はつい暗算で答えを出して見せてしまいがちですが、それは避けてください。大人が図を描かない姿を見ると、子どもは図を早く卒業すべきものだと思ってしまいます。一緒に描くくらいがちょうどよいです。