九九は 1のだんから 9のだんまでで 81こ あります。でも、全部が 同じ くらいの おぼえやすさでは ありません。7・8・9の だんどうしの かけ算、たとえば 7×8や 9×7は、とくに 忘れやすい ところです。思い出せなく なった とき、知っている だんから たし算で 作る ワザを 覚えて おくと、こまりません。
かけ算(九九)のきじで、かけ算は「1つ分×いくつ分」だと 説明しました。いくつ分が 1こ ふえると、答えは 「1つ分」の 数だけ ふえます。これが すべての ワザの もとに なる きまりです。
この やり方を 知って いれば、9つの だんの うち どこかを 覚えて いれば、となりの こたえは たし算で 作れます。ここから、とくに 忘れやすい 7・8・9の だんのために、もっと すばやい 3つの ワザを 紹介します。
9の だんは、10の だんより 1つ分 ぶんだけ 少ない だけです。だから、10の だんから その 数を 1回 ひくと、9の だんの 答えに なります。
10の だんは「0を 1つ つけるだけ」で すぐに 出せます。そこから その 数を 1回 ひくだけなので、9の だんの 中で いちばん 時間が かかりそうな 9×7・9×8・9×9も、すぐに 作れます。
8は 2を 3回 かけた 数(2×2×2=8)です。つまり 8の だんは、ある 数を 2ばい・2ばい・2ばいと 3回 くりかえす ことで 作れます。
2ばいに する 計算は、同じ 数を 2回 たす だけなので、九九より かんたんです。7+7=14、14+14=28、28+28=56。むずかしい 8の だんが、やさしい たし算 3回に 変わります。
7は 5と 2を あわせた 数です(5+2=7)。だから、7の だんは 5の だんの 答えと 2の だんの 答えを たす ことで 作れます。
5の だんは 5・10・15・20……と 5ずつ ふえる だけなので 覚えやすく、2の だんも 2・4・6・8……と 覚えやすい だんです。この 2つを たすだけで、いちばん 忘れやすいと 言われる 7の だんが 出て きます。
九九の 中でも、かける数と かけられる数の どちらも 7・8・9 という 9つの 組み合わせが、いちばん つまずきやすい ところです。3つの ワザを、全部まとめて 確かめて みましょう。
| しき | 答え | 使った ワザ |
|---|---|---|
| 7×7 | 49 | ワザ3(5の段+2の段) |
| 7×8 | 56 | ワザ3(5の段+2の段) |
| 7×9 | 63 | ワザ3(5の段+2の段) |
| 8×7 | 56 | ワザ2(2ばいを3回) |
| 8×8 | 64 | ワザ2(2ばいを3回) |
| 8×9 | 72 | ワザ2(2ばいを3回) |
| 9×7 | 63 | ワザ1(10の段-n) |
| 9×8 | 72 | ワザ1(10の段-n) |
| 9×9 | 81 | ワザ1(10の段-n) |
7×8と 8×7は、どちらも 答えが 56です。かけ算のきまりのきじで 説明した とおり、かける数と かけられる数を 入れかえても 答えは かわりません。だから、覚えやすい 向きで 計算して よいのです。7×8を 忘れたら、8×7を ワザ2で 作っても、同じ 答えに たどり着きます。
9×7を「70-1=69」と してしまう まちがいが あります。ひくのは「1」では なく、いくつ分の その 数(この場合は 7)です。「10の段から、かけた 数の ぶんだけ ひく」と セットで 覚えましょう。
7→14→28で 止めて「8×7=28」と してしまう まちがいです。28は 7の 4ばい(=4の段)であって、8ばいでは ありません。8は 2×2×2なので、2ばいは 必ず 3回です。指で 1・2・3と 数えながら 2ばいに すると、止め忘れを 防げます。
7×8を「5×8+2=42」と してしまう まちがいです。たす のは「2」では なく 「2の段の 答え(2×8=16)」です。5の段と 2の段、どちらも「×8」の あとの 答えを たす ことを 忘れないように しましょう。
Q1 9×6を、10の段から 作ると どうなりますか。
A 54。10×6=60から、6を ひきます。60-6=54。
Q2 8×6を、2ばいを 3回 くりかえして 作ると どうなりますか。
A 48。6→12→24→48。2ばいを 3回で 8ばいに なります。
Q3 7×6を、5の段と 2の段から 作ると どうなりますか。
A 42。5×6=30と 2×6=12を たして、30+12=42。
Q4 9×8と 8×9は、答えが ちがいますか。
A ちがいません。どちらも 72です。かける数と かけられる数を 入れかえても 答えは かわらないので、作りやすい 向きを 選んで よいのです。
Q5 7×9を 忘れて しまった とき、ワザを 使わずに 作る 方法は ありますか。
A あります。7×8=56を 覚えて いれば、いくつ分が 1こ ふえた だけなので、56+7=63で 7×9が 作れます。どの ワザも 使えなければ、「1こ分 ふえたら、その だんの 数だけ ふえる」という もとの きまりに 戻れば 必ず 作れます。
「7を 5と 2に 分けて、それぞれ かけてから たす」という 考え方は、2年生だけの 話では ありません。3・4年生で 学ぶ 2けた×1けたの 筆算でも、数を 位ごとに 分けて かけてから たす、という まったく 同じ 考え方が 使われて います。たとえば 37×6は、30×6と 7×6に 分けて、180+42=222と 計算します。小さな 数で 「分けて、たす」を 体に なじませて おくと、けたが 大きく なった ときにも 迷いにくく なります。
「2ばいを くりかえす」ワザも、同じように 先で 役に立ちます。16や 32のような 数を 見たとき、「2を 何回 かけた 数か」が 分かると、わり算で 半分・半分と 分けて いく 考え方の 土台に なります。1つの ワザを 覚えると、かけ算の 中だけで なく、あとで 出会う 計算にも つながって いきます。
7・8・9の段どうしの81分の9マスは、多くの子が「とっさに出てこない」と感じる領域です。暗唱で詰まったときに固まってしまう子には、本記事のように「暗記が崩れても、知っている段から作り直せる」という退避ルートがあることを伝えてあげてください。特に8の段の「2倍を3回」は、九九を使わずに済むため暗唱そのものが苦手な子にも有効です。目的は暗唱の代わりにすることではなく、詰まったときに自分で復旧できるという安心感を持たせることにあります。