九九を おぼえた あとが 本番です。忘れても 答えを 作り出せる ── そんな きまりが 表の 中に あります。
1の だんから 9の だんまで、ぜんぶ 表に します。
81この 数が ならんで います。ばらばらに 見えますが、じっと 見ると きまりが 見えて きます。
この 単元で いちばん 大事なのは、自分で きまりを 見つける ことです。教えられた きまりを おぼえるのでは なく、表を 見て「あ、こう なってる」と 気づく。
だから、まず 「何か 気づく こと ある?」 と 聞いて、じっくり 見る 時間を とります。
いちばん 見つけやすい きまりです。
3の だんは 3ずつ、4の だんは 4ずつ ふえて いる。あたりまえの ようですが、これは とても 役に立つ きまりです。
なぜなら、忘れた ときに 思い出せる からです。
「7×6」が 出て こない。でも「7×5=35」は おぼえて いる。なら 35に 7を たせば 42。
これが できると、九九が 完ぺきで なくても 答えが 出せます。分からない ときに 手が 止まらない ── これは 大きな 力です。
逆に 1つ 減ると、その だんの 数だけ 減る ことも 同じです。「7×8」が 分からなければ、「7×9=63」から 7を 引いて 56。
九九表を ななめに 見ると、おもしろい ことが 分かります。
表の 左上から 右下へ 引いた 線(1、4、9、16…の ならび)を 折り目に すると、ぴったり 重なります。
これを 交かんの きまり と いいます(学校では「入れかえの きまり」と 言う ことも あります)。
なぜ そう なるのか。アレイ図を 回して みる と 分かります。
この きまりが 分かると、おぼえる 量が 半分ちかくに なります。「7×3」が 出なくても「3×7」で 考えれば よい。得意な ほうから 出せば よい のです。
じっさい、81この 九九の うち、入れかえで 重なる ものを 除くと、おぼえる べき ものは 45こ しか ありません。
もう 一つ、とても 大事な きまりが あります。
かける数を 2つに 分けて、それぞれ 計算して たす。答えは 同じに なります。
これも アレイ図で 見ると 一目で 分かります。
ぜんたいの 数は 変わりません。分けて 数えても、まとめて 数えても 同じ。
この きまりは 分配(ぶんぱい)の きまり と いい、4年生で きちんと ならいます。そして 3年生の かけ算の ひっ算 では、この 考えかたを 直せつ つかいます。
つまり、2年生の この きまりが、3年生の ひっ算の 正体 です。ここを 分かって いると、ひっ算が「なぜ そう するのか」まで 理かいできます。
九九表には ない、でも 大事な ものが 2つ あります。
0に 何を かけても 0。何に 0を かけても 0。
「5こ入りの ふくろが 0ふくろ」── 中身は 0こ。「からの ふくろが 5つ」── これも 0こ。どちらも 何も ない のです。
九九は 9の だんまでですが、10の だん も かんたんに できます。
なぜ 0を つけるだけで よいのか。10の たばが いくつ分か と 考えて いるからです。「10が 3つ」は 30。位取りの しくみが そのまま つかわれて います。
この 見かたは、3年生の「10倍・100倍」に そのまま つながります。
きまりが 分かると、九九表に ない 計算 も できるように なります。
「12の だん」は ならって いません。でも 分けて 計算する きまり を つかえば 求められます。
これが まさに、3年生で ならう かけ算の ひっ算 の しくみです。ひっ算は、この 手順を 決まった 形に 整理した ものに すぎません。
同じように、11×5 なら 10×5=50 と 1×5=5 で 55。15×4 なら 10×4=40 と 5×4=20 で 60。
2年生で ここまで やる 必要は ありませんが、「きまりを 知って いれば、ならって いない 計算も できる」 と 気づけたら すばらしい ことです。
算数は、公式を たくさん おぼえる 科目では ありません。少ない きまりを 組み合わせて、新しい 問題を 解く 科目です。その 感かくを、この 単元で つかんで ほしいと 思います。
「交かんの きまり」と 名前を 暗記して 終わり。
この 単元では 名前より 使える ことが 大事 です。「7×3が 出なければ 3×7で よい」と 実さいに 使えれば、名前は 知らなくても かまいません。
「何か 気づく?」と 聞いても 反のうが ない。
見る 場しょを しぼって あげます。「3の だんを たてに 見て、どう ふえて いる?」「3×7と 7×3、くらべて みて」。
いきなり 全体を 見せると、どこを 見れば いいか 分かりません。
きまりを つかうには、ある ていど 九九が 入って いる 必要が あります。
「7×5=35」を 知って いるから「+7で 42」が できるのです。土台が なければ、きまりも つかえません。
九九が 半分も 出て こない 場合は、まず そちらを 固めます。
Q1 6×7 が 分かりません。6×6=36 は おぼえて います。どう 求めますか。
A 6の だんは 6ずつ ふえるので、36+6=42。
Q2 8×3 が 出て きません。ほかの 方法は?
A 入れかえて 3×8 で 考える。答えは 同じ 24です。
Q3 7×8 を、2つに 分けて 計算して みましょう。
A 7×4+7×4=28+28=56。または 7×5+7×3=35+21=56。
Q4 10×6 は いくつですか。
A 60。10が 6つ分。0を つけるだけです。
九九を暗記できたら終わり、と思われがちですが、この単元こそが本番です。ここで学ぶきまりは、3年生以降の計算をずっと支えます。
特に「忘れても作り出せる」という経験は重要です。九九が完璧でない子ほど、この方法を知っておく価値があります。「分からない=手が止まる」ではなく「分からない=別の方法を試す」に変わります。
家庭では、九九表を貼って「何か気づくことある?」と聞いてみてください。子どもが見つけたきまりは、教えられたものより深く定着します。
また「7×3が出なければ3×7でいい」と伝えるだけで、九九への苦手意識が和らぐ子もいます。逃げ道があると分かると、かえって取り組みやすくなるものです。