九九を 81こ おぼえる 単元 だと 思われがちです。でも おぼえる 前に わかって おく こと が あります。
かけ算は、同じ 数の かたまりが いくつか ある ときに つかいます。
「5が 3つ分」── これが「5×3」の いみです。たし算を 短く 書いた もの と 考えると 分かりやすいです。
ここで だいじな 条けんが あります。1つ分の 数が ぜんぶ 同じ でないと、かけ算は つかえません。
だから 文しょう題では、まず 「同じ 数ずつ 入って いるか」 を たしかめます。ここが かけ算の 出発点です。
「5×3」も「3×5」も、答えは 15です。では 同じ ことでしょうか。
答えは 同じですが、あらわして いる 場めんは ちがいます。
| 式 | 意味 | 場めん |
|---|---|---|
| 5 × 3 | 5が 3つ分 | おさら3まいに 5こずつ |
| 3 × 5 | 3が 5つ分 | おさら5まいに 3こずつ |
日本の 算数では、「1つ分の 数 × いくつ分 = ぜんぶの 数」 の 順に 書きます。前が「1つ分」、後ろが「いくつ分」です。
テストで「5×3」を「3×5」と 書いて ×に なる ことが あり、大人から「答えは 同じなのに」と 言われる ことが あります。
でも、これには 理由が あります。順番を 意しきして いないと、3年生の わり算で こまる からです。
わり算には「1つ分を もとめる」場合と「いくつ分を もとめる」場合の 2しゅるいが あります。かけ算の どちらが 1つ分かを 分かって いないと、この 区別が できません。
順番を まちがえたからと いって、かけ算が 分かって いない わけでは ありません。「どっちが 1つ分?」と 聞いて 答えられれば OK です。
大事なのは 順番を 守る ことでは なく、1つ分と いくつ分を 区別できる ことです。
いよいよ 九九です。1の だんから 9の だんまで、ぜんぶで 81こ あります。
教科書では ふつう 5 → 2 → 3 → 4 → 6 → 7 → 8 → 9 → 1 の 順で ならいます。
多くの 子が つまずくのが 7の だん です。7、14、21、28… リズムが つかみにくく、数も 大きい。
そして 個べつに 見ると、いちばん まちがえられるのが 「7×6」「7×8」「8×6」「6×8」 あたりです。ここは 集中して 練習する 価ちが あります。
①声に 出す ── 目で 見るより 口と 耳を つかう。
②毎日 短く ── 1日 30分より、5分×6日。
③ばらばらに 出す ── 順に 言えても、ばらばらだと 出て こない ことが 多い。「7×4は?」と とつぜん 聞く。
④さかさまも ── 「28に なるのは 何かける 何?」も 練習すると、わり算に つながる。
九九を ぜんぶ 表に すると、いろいろな きまりが 見えて きます。
気づく ことが たくさん あります。
とくに 「答えが 同じ ところが ある」 は、あとで 大きく 効いて きます。3年生の わり算、5年生の 約数・倍数に つながる 見かたです。
かけ算と いっしょに、「〜ばい」 という 言いかたも ならいます。
「3ばい」は「3つ分」と 同じ いみです。でも 言いかたが ちがうと、とたんに 分からなく なる 子が います。
「〜ばい」=「〜つ分」 と 言いかえられる ことを 教えます。「3ばいって、3つ分って ことだよ」。これだけで すっと 分かる 子が 多いです。
この「ばい」の 考えかたは、4年生の「倍の 見方」、5年生の「割合」へ まっすぐ つながります。2年生の うちに「ばい」に なれて おく ことは、あとで とても 大きな 差に なります。
かけ算を 図で あらわす とき、点を たてよこに ならべた 図 を つかいます。アレイ図と いいます。
この 図の よい ところは、ひっくり返しても 同じ ことが 一目で 分かる ことです。
紙を 90度 回して みて ください。さっきまで「4が 3つ」だった 図が、「3が 4つ」に 見えます。数は 変わって いません。だから 4×3と 3×4は 同じ 答えに なる のです。
ことばで「順番を 変えても 同じ」と 教えるより、図を 回して 見せる ほうが ずっと 納とくできます。
さらに、この 図は 4年生の「面積」 に そのまま つながります。長方形の 面積が「たて×よこ」なのは、マスが たてよこに ならんで いるからです。2年生の アレイ図は、その 原型です。
また、答えが 分からない ときの 助けにも なります。「7×6」が 出て こなくても、「7×5=35 だから、あと 7 たして 42」と 考えられます。図で 1れつ 足す イメージが あると、この 考えかたが 出て きやすく なります。
「にいちがに、ににんがし…」と 順に 唱えられても、「2×7は?」と 聞かれると 最初から 数えて しまう。
これは 歌として おぼえて いる 状たいです。ばらばらに 出す 練習に 切りかえます。カードを つくって シャッフルするのが 効きます。
九九は 言えるのに、文しょう題に なると 分からない。
「1つ分は いくつ?」「それが いくつ分 ある?」 の 2つを 順に 聞きます。この 2つが 答えられれば、式は 自動的に 作れます。
7の だんだけ どうしても 出て こない。よく ある ことです。
7の だんだけを 集中して やる 日 を 作ります。ほかの だんは 一時 休んでも かまいません。
また、7×4が 出なければ 4×7で 考えて よい、と 教えます。ひっくり返しても 答えは 同じ なので、得意な ほうから 出せば よいのです。
Q1 6人に みかんを 4こずつ くばります。式と 答えは?
A 1つ分は 4こ、それが 6人分。4 × 6 = 24 24こ。
Q2 「7×8」が 出て こない とき、どう しますか。
A 8×7 で 考えて よい。答えは 同じ 56 です。
Q3 答えが 24に なる かけ算を ぜんぶ 見つけましょう。
A 3×8、4×6、6×4、8×3。(九九の 中では この 4つ)
九九の暗記は家庭学習の定番ですが、ここでの声かけひとつで、算数が好きになるか嫌いになるかが分かれます。
効果的なのは、短時間を毎日繰り返すことです。お風呂、車の中、寝る前の3分。まとめて長時間やるより確実に定着します。
また、順番に唱えられるだけでは不十分です。「6×7は?」とランダムに聞いて、3秒以内に出てくるかを見てください。出てこない段があれば、そこだけ集中して練習します。
なお、式の順序(5×3と3×5)については学校によって指導が厳しい場合があります。ご家庭では「どっちが1つ分?」と聞いて答えられれば理解できていると考えて構いません。