6年 社会 年表の読み方

年表の読み方 ── 歴史は「点」ではなく「つながり」で覚える

歴史が苦手な子の多くは、年号を一つずつ丸暗記しようとしています。年表は、暗記量を減らすための道具です。

年表は「たてに読む線」である

教科書の年表を、上から下へ順に眺めただけで終わっていないでしょうか。年表は表ではなく、時間という一本の線を紙に立てたものです。

年表が表しているもの 上 ── 古い | ここが「間」 | (何十年、何百年) 下 ── 新しい ★ 大事なのは「点」ではなく 点と点の「間の長さ」

たとえば鉄砲が伝わったのが1543年、江戸幕府ができたのが1603年。この二つの間は60年です。人ひとりの一生ぶんくらいの時間が空いています。この「間」の感覚がないと、できごとが全部同じ日に起きたように見えてしまいます。

年表を読むときは、まずいちばん間の空いている場所を探させてください。そこは、大きな変化が起きにくかった安定した時期であることが多いのです。

世紀の数え方でつまずく

「1600年は何世紀か」と聞かれて、16世紀と答えてしまう。これは非常に多いつまずきです。

世紀のしくみ 1年 〜 100年 → 1世紀 101年 〜 200年 → 2世紀 1501年〜1600年 → 16世紀 1601年〜1700年 → 17世紀 ★ 100年ごとの「ひとかたまり」に 1から番号をつけたもの

覚え方は一つの手順で足ります。上二けたに1を足す。ただし、ちょうど下二けたが00の年だけは足しません。

年計算答え
1543年15 + 116世紀
1600年16のまま16世紀
1603年16 + 117世紀
794年7 + 18世紀

「00の年だけ足さない」のは、年に0年がなく1年から数え始めているためです。理由まで言えると、テスト中に迷いません。

時代区分は「だれが政治を動かしたか」で切れている

時代の名前を、ばらばらの記号として覚えていると順番が入れかわります。時代区分には、切れ目の理由があります。

時代政治の中心場所
奈良天皇と貴族奈良
平安貴族(藤原氏)京都
鎌倉武士(源・北条)鎌倉
室町武士(足利)京都
江戸武士(徳川)江戸
明治新政府東京

時代名の多くは政治の中心地の名前です。つまり時代が変わるとは、力を持つ人が入れかわり、拠点が移ったということ。地図と年表を並べて置くと、この移動が目で見えます。

順番があやしいときは、拠点をたどると直ります。奈良から京都へ、京都から鎌倉へ、また京都へもどり、江戸へ、そして東京へ。地名の旅として覚えるほうが、名前の丸暗記より崩れにくいのです。

矢印を書きこむと、並べかえ問題が解ける

テストでよく出るのが、四つのできごとを古い順に並べる問題です。年号を忘れると手が止まりますが、因果でつなげば年号なしでも解けます。

できごとを因果でつなぐ ペリーが来る ↓(だから) 開国して条約を結ぶ ↓(だから) 幕府への不満が高まる ↓(だから) 幕府が政権を返す ↓(だから) 明治の新しい政府ができる

この形にしてしまえば、順番を逆にすると意味が通じなくなります。「だから」でつながらない並べ方は、まちがいだと自分で気づけるわけです。

ノートに年表を書き写すとき、できごとの横に矢印と「だから」「そのため」を書き足す。この一手間が、覚える量を大きく減らします。

資料としての年表を読み取る

入試や単元テストでは、年表そのものが資料として出されます。問われ方は、だいたい三つに絞られます。

問われ方見るところ
Aの時期に起きたこと上下の行にはさまれた範囲
この間に何が変わったか始まりと終わりの差
できごとの理由すぐ上の行

とくに三つめが要です。年表では、原因はたいてい真上の行に書かれています。理由を聞かれたら、まず一つ上を見る。これだけで答えの候補が絞れます。

また「Aの時期」と範囲を示された問題では、範囲の外のできごとを書いてしまう誤答が目立ちます。指でその範囲をはさんでから読む習慣をつけると防げます。

年表と地図やグラフが同じページに並んでいるときは、たいてい両方を見ないと答えが出せません。年表で時期をつかみ、グラフでその時期の数の変化を読む。資料は組み合わせて使うものだと知っておくだけで、手が止まらなくなります。

元号と西暦は、行き来できるようにしておく

教科書は西暦で書かれていますが、家にある写真や祖父母の話、市の資料などは元号で出てきます。二つを行き来できないと、せっかくの身近な資料が年表につながりません。

元号始まった年換算のしかた
明治1868年明治の年 + 1867
大正1912年大正の年 + 1911
昭和1926年昭和の年 + 1925
平成1989年平成の年 + 1988
令和2019年令和の年 + 2018

足す数は、その元号が始まる一つ前の年です。昭和なら1925を足す。昭和20年は1925に20を足して1945年、つまり戦争が終わった年になります。

ここを押さえると、祖父母が「昭和三十年代の生まれ」と言ったときに、年表のどのあたりかがすぐ分かります。聞いた話を年表の上に置けるようになるのが、この換算のねらいです。

家で作れる「じぶん年表」

歴史を身近にする方法として、家族の年表づくりがあります。

つくり方 ① 長い紙をたてに使う ② いちばん下に「今年」 ③ 自分の生まれた年を書く ④ おうちの方の生まれた年 ⑤ 祖父母の生まれた年 ⑥ そこに教科書の できごとを重ねる

祖父母の生まれた年の近くに、教科書で習うできごとが並ぶことがあります。歴史が「知らない世界の話」から家族が生きていた時間の話に変わる瞬間です。

百年という長さも、祖父母の年齢からたどると実感できます。数字としての100年より、はるかに強く残ります。

つまずきやすいところ

その1 1600年を16世紀と答えてしまう

上二けたに機械的に1を足しているためです。下二けたが00の年だけは足さないと、例外を一つだけ覚えます。

その2 時代の順番が入れかわる

名前だけを覚えているからです。政治の中心地の移動としてたどると、順番に理由が生まれます。

その3 年号は言えるのに理由が書けない

点だけを覚えている状態です。年表の各行に「だから」の矢印を書き足す作業に変えてください。

やってみよう

Q1 794年は何世紀ですか。

A 8世紀です。7に1を足します。

Q2 年表で、あるできごとの理由を探すときはどこを見ますか。

A すぐ上の行です。原因は前に起きています。

Q3 時代の名前は、多くが何を表していますか。

A 政治の中心があった場所の名前です。

Q4 家族の生まれた年を書き入れた年表を作ってみましょう。

A 教科書のできごとと重なる部分が見つかると、時間の長さが実感できます。

まとめ

おうちの方へ

歴史でつまずくお子さんの多くは、記憶力が足りないのではなく、覚え方が「点の暗記」になっています。年表を線としてとらえ直すだけで、負担はかなり軽くなります。
ご家庭でできることは、年号を問い直すことではありません。「どうしてそうなったと思う?」と一つ前を尋ねることです。理由を言葉にできれば、順番は自然についてきます。
家族の年表づくりは、休日に三十分あればできます。祖父母の生まれた年を書き入れると、教科書の後半のできごとと重なることがあり、歴史が急に自分ごとになります。
旅行や帰省の際、その土地がどの時代に栄えたかを一言添えるのも効果的です。年表の一行が、実際に立っている場所と結びつきます。