朝ごはんのパン、着ている服、手の中のゲーム機。じつは今日のあなたのくらしは、世界の国々とつながってできています。
朝起きてから学校に行くまでの間だけでも、外国とのつながりを数えてみましょう。
日本は食料の多く、そしてエネルギーのほとんどを輸入にたよっています。つまり、外国とのつながりが止まると、日本のくらしそのものが止まってしまうのです。
6年生の社会では、その中でもとくにつながりの深い国として、アメリカ・中国・韓国などを学びます。この記事では、それぞれの国のくらし・学校・文化をのぞいてみましょう。大事なのは「どっちがすごいか」ではなく、「ちがい」を知って、そのわけを考えることです。
アメリカ合衆国は、面積が日本の約25倍。世界中から移り住んできた人々がくらす多民族国家です。英語が主に使われますが、スペイン語を話す人もとても多くいます。
授業では、正解を答えることよりも自分の意見を言うことが重んじられます。まちがいをおそれず手を挙げる姿は、日本の学校と大きくちがうところです。
日本との関係では、アメリカは貿易の重要な相手国であり、政治や防衛の面でも深い結びつきがあります。野球やハンバーガー、ハロウィンなど、日本でおなじみの文化の多くもアメリカから伝わりました。逆に、日本のアニメやすし、ゲームはアメリカで大人気です。文化は一方通行ではなく、おたがいに行き来しているのです。
中華人民共和国は、人口約14億人。日本の10倍以上の人がくらしています。日本とのつきあいは飛鳥時代の遣隋使・遣唐使よりも前から続いていて、漢字・お茶・仏教など、日本文化の土台の多くは中国から伝わりました。
今の中国は「世界の工場」とよばれ、身のまわりの工業製品の多くが中国で作られています。日本にとって最大級の貿易相手国で、たくさんの観光客も行き来しています。
学校では朝の体操や昼寝の時間がある学校もあり、勉強はとても熱心です。春節(旧正月)には家族が集まり、日本のお正月のようににぎわいます。爆竹を鳴らしてにぎやかに祝うのが中国流で、静かに初もうでをする日本とは対照的です。同じ漢字を使っていても意味がちがう言葉があるなど、似ているからこそ見つかるちがいがおもしろい国です。たとえば中国語の「手紙」はトイレットペーパーのこと。漢字が読めるからこそ起きるかんちがいは、二つの国の長いつきあいの証拠でもあります。
大韓民国は、日本からいちばん近い国のひとつ。福岡から首都ソウルまでは、東京へ行くよりも近いくらいです。
韓国の音楽(K-POP)やドラマ、韓国料理は日本の子どもから大人まで大人気です。逆に日本のアニメやマンガも韓国でよく読まれています。おたがいの国を訪れる観光客の数も、世界の中でトップクラスです。学校生活には日本と似たところが多い一方、小学校からデジタル教材がさかんに使われていることや、じゅくに通う時間の長さなど、教育熱心さでは日本以上ともいわれます。食事のときに茶わんを持ち上げず、金属のはしとスプーンを使うなど、食卓のマナーにもはっきりしたちがいがあります。
一方で、日本と韓国の間には、歴史をめぐって意見が対立している問題もあります。だからこそ、おたがいの文化を知り、交流を積み重ねていくことが大切だと考えられています。文化のちがいを「変だ」と笑うのではなく、「どうしてそうなったのだろう」と考えることが、となりの国とつきあう第一歩です。
地球の反対側にあるブラジルには、じつは世界でいちばん多くの日系人がくらしています。100年以上前、多くの日本人が仕事を求めてブラジルへ移住し、その子孫が約200万人いるといわれます。移住した人々は、慣れない土地でコーヒー農園を切りひらくなど、大変な苦労を重ねながらブラジル社会に根を下ろしました。逆に今の日本には、ブラジルから働きに来た人たちが多くくらす町もあり、学校にポルトガル語の通訳がいる地域もあるほどです。サッカー好きなら、ブラジル出身の選手が日本のチームで活やくしているのを知っているかもしれませんね。
サウジアラビアは砂漠の広がる国で、日本が使う石油の多くを輸出してくれています。国民のほとんどがイスラム教を信じていて、1日5回のおいのり、ぶた肉を食べないなどのきまりを大切にしています。日本で外国の人と接するとき、こうした宗教や文化のきまりを尊重することが、これからますます大切になります。
4つの国を見てきて、気づいたことはありませんか。食べもの、文字、学校、宗教。どの国にもその国の歴史や気候から生まれた理由があります。
日本国内にも、外国にルーツを持つ子どもたちが増えています。クラスメイトの文化を知ることは、教科書の中の話ではなく、身近な友だちを理解することそのものです。
そして思い出してください。日本の漢字も、カレーも、洋服も、もとは外国から来たものでした。日本の文化は、外国のよいものを取り入れて作りかえながら育ってきたのです。世界とつながることは、日本が昔からずっと続けてきた、いちばん得意なことなのかもしれません。
この単元は小6社会の国際分野で、特定の国の優劣ではなく「ちがいの背景を考える」姿勢を育てることがねらいです。
スーパーで産地表示を見る、家の中の「外国生まれのもの」を探すといった活動は、貿易のつながりを実感させる手軽な方法です。
ニュースで外国の話題が出たとき、「その国の人はどんなくらしをしているのだろう」と一言そえるだけで、子どもの見方が広がります。
歴史をめぐる対立など難しい話題は、事実を伝えたうえで「だからこそ知り合うことが大切」という前向きな着地を意識すると、小学生には受け止めやすくなります。