6年 算数 対称な図形

対称な図形 ── 折って重なるか、回して重なるか

6年生の算数は、ここから始まります。これまでの図形が新しく見えてくる単元です。

線対称──折って重なる

1本の直線で折ったとき、ぴったり重なる図形を線対称な図形といいます。

│ / │ \ / │ \ ────┼──── │ 対称の軸 この線で折ると 左右がぴったり重なる

折り目にした直線を対称の軸といいます。

線対称な図形には、はっきりした性質があります。

線対称の性質 ① 対応する点を結ぶ直線は 対称の軸と垂直に交わる ② 対称の軸は、 対応する2点を結ぶ直線を 2等分する ③ 対応する辺の長さは等しい ④ 対応する角の大きさは等しい

①と②が重要です。垂直に交わり、真ん中で分ける。この2つを使えば、作図もできます。

線対称な図形のかき方 ① 各頂点から軸に垂直な線をひく ② 軸までの距離と同じ長さだけ 反対側にのばす ③ その点が対応する点 ④ 点を結ぶ

方眼紙を使うと、マスを数えるだけで正確にかけます。

点対称──回して重なる

ある点を中心に180度回転させたとき、もとの形とぴったり重なる図形を点対称な図形といいます。

/‾‾\ / / < ● > ← 対称の中心 / / \__/ ●を中心に180度回すと もとの形に重なる

中心にした点を対称の中心といいます。

点対称の性質 ① 対応する2点を結ぶ直線は 必ず対称の中心を通る ② 対称の中心は、 対応する2点を結ぶ直線を 2等分する ③ 対応する辺の長さは等しい ④ 対応する角の大きさは等しい

線対称との共通点は③と④です。ちがいは、①②の「中心を通る」という点にあります。

線対称 … 軸に垂直 点対称 … 中心を通る ここが決定的なちがい

点対称な図形をかくときは、中心を通って反対側へ同じ距離だけ進んだ点を取ります。

180度回すとはどういうことか

紙に図形をかいて、中心に鉛筆の先を刺してぐるっと半回転させてみてください。
もとの位置とぴったり重なれば点対称です。
もう一つの確かめ方は、紙を逆さまにして見ることです。逆さにしても同じ形に見えれば点対称。
トランプの絵札が上下どちらから見ても同じなのは、点対称にデザインされているからです。

図形を整理し直す

これまで学んだ図形を、対称の観点で見直してみましょう。

図形線対称軸の数点対称
正三角形3本×
二等辺三角形1本×
平行四辺形×0
長方形2本
ひし形2本
正方形4本
正五角形5本×
正六角形6本
無数

いくつか面白い発見があります。

発見1 平行四辺形は線対称ではない → 折っても重ならない → でも点対称 発見2 正多角形の軸の数 = 辺の数 発見3 正多角形が点対称になるのは 辺の数が偶数のとき → 正三角形、正五角形は× → 正方形、正六角形は○ 発見4 円は軸が無数にある → どの直径で折っても重なる

発見1は意外に感じるかもしれません。平行四辺形は「対称っぽい」形に見えますが、折っても重ならないのです。実際に紙を折って確かめてみてください。

発見3には理由があります。奇数角形では、頂点の向かい側が辺の真ん中になり、180度回すと形がずれてしまうのです。

身のまわりの対称

対称は、生活のあちこちにあります。

種類
線対称チョウ、葉、人の顔、飛行機、多くの建物
点対称トランプの絵札、風車、一部の家紋
両方雪の結晶、一部の花、車輪

とくに生き物には線対称が多く見られます。

なぜ生き物は左右対称か ・まっすぐ進みやすい ・バランスが取れる ・両側に目や耳があると 方向が分かる → 動くのに都合がよい

一方、動かない生き物(花や海の生き物)には、放射状の対称が多く見られます。どの方向からも同じように光や栄養を受けられるからです。

形には理由があるのです。

文字にも対称なものがあります。

線対称の文字 A H I M O T U V W X Y 日 田 十 王 山 木 点対称の文字 H I N O S X Z 一 十 田 中

ひらがなやカタカナも調べてみると、意外な発見があります。

なぜ6年生の最初に学ぶのか

この単元が6年生の最初に置かれているのには、理由があります。

対称を学ぶと… ・これまでの図形を 新しい観点で整理できる ・図形どうしの関係が見える ・「性質で分類する」という 数学的な見方が身につく

これまでは「辺の数」「角の大きさ」で図形を分けてきました。対称という新しいものさしを手に入れると、同じ図形が別の顔を見せます。

そして、この見方は中学の数学につながります。

中学以降で使う ・図形の移動(対称移動) ・関数のグラフの対称性 ・合同や相似の証明

また、作図の技術もここで磨かれます。対称の性質を使って正確にかく練習は、この後の拡大図・縮図でも生きてきます。

対称と模様

対称は、デザインの世界でも重要です。

対称が使われるもの ・家紋 ・企業のロゴマーク ・タイルや壁紙の模様 ・切り絵、折り紙 ・建物の設計

なぜ対称なデザインが多いのでしょうか。

対称の効果 ・安定して見える ・整った印象を与える ・覚えやすい ・どの向きから見ても分かる

とくにロゴマークは、小さくしても分かりやすい必要があります。対称な形は、単純で覚えやすいのです。

日本の家紋は、対称デザインの宝庫です。

家紋の特徴 ・円の中に収まる ・多くが線対称または点対称 ・単純な形で識別しやすい → 遠くからでも 誰の家か分かる必要があった

戦場で敵味方を見分けるため、一目で分かる形が求められました。その結果、対称で単純なデザインが発達したのです。

自分で対称な模様を作ってみるのも面白い活動です。

切り絵で線対称 紙を半分に折る ↓ 折り目を残して形を切る ↓ 開くと線対称な形 → 折る回数を増やせば 軸の数も増える

七夕のかざりや雪の結晶の切り絵は、この原理を使っています。算数が、そのまま手仕事につながっているのです。

つまずきやすいところ

その1 線対称と点対称を混同する

どちらがどちらか分からなくなる。
折るのが線対称、回すのが点対称。実際に紙を折る・回すと区別がつきます。

その2 平行四辺形を線対称だと思う

見た目で判断してしまう。
実際に紙を折ってみると重ならないことが分かります。点対称ではありますが、線対称ではありません。

その3 対称の軸を数え落とす

正方形の軸を2本だと思う。
正方形は4本です。たて・よこ・対角線2本。正多角形の軸の数は辺の数と同じです。

やってみよう

Q1 線対称と点対称のちがいは何ですか。

A 線対称は折って重なる、点対称は180度回して重なる図形です。

Q2 平行四辺形は線対称ですか。

A 線対称ではありません。折っても重なりません。ただし点対称です。

Q3 正方形の対称の軸は何本ですか。

A 4本です。たて・よこ・対角線2本。正多角形の軸は辺の数と同じです。

Q4 身のまわりで線対称・点対称なものを探してみましょう。

A 葉、マーク、文字、建物など。折る・回すで確かめてみてください。

まとめ

おうちの方へ

6年生の算数は、この単元から始まります。図形を新しい観点で整理し直す内容で、数学的な見方を育てる大切な学習です。
まずは実際に折る・回す体験をさせてあげてください。紙に図形をかいて切り取り、折ってみる。中心に鉛筆を刺して回してみる。手を動かすと、定義が体で分かります。
平行四辺形が線対称ではないという事実は、多くの子が驚きます。「対称っぽく見えるのに」という感覚を、実物で崩す経験が理解につながります。
身のまわりの対称探しもおすすめです。企業のロゴ、家紋、建物、生き物。「なぜこの形なのか」まで考えると、デザインや自然への興味も広がります。
作図は丁寧さが求められます。うまくいかなくても、方眼紙を使えば必ずかけるので、あきらめずに取り組ませてください。