6年生の算数は、ここから始まります。これまでの図形が新しく見えてくる単元です。
1本の直線で折ったとき、ぴったり重なる図形を線対称な図形といいます。
折り目にした直線を対称の軸といいます。
線対称な図形には、はっきりした性質があります。
①と②が重要です。垂直に交わり、真ん中で分ける。この2つを使えば、作図もできます。
方眼紙を使うと、マスを数えるだけで正確にかけます。
ある点を中心に180度回転させたとき、もとの形とぴったり重なる図形を点対称な図形といいます。
中心にした点を対称の中心といいます。
線対称との共通点は③と④です。ちがいは、①②の「中心を通る」という点にあります。
点対称な図形をかくときは、中心を通って反対側へ同じ距離だけ進んだ点を取ります。
紙に図形をかいて、中心に鉛筆の先を刺してぐるっと半回転させてみてください。
もとの位置とぴったり重なれば点対称です。
もう一つの確かめ方は、紙を逆さまにして見ることです。逆さにしても同じ形に見えれば点対称。
トランプの絵札が上下どちらから見ても同じなのは、点対称にデザインされているからです。
これまで学んだ図形を、対称の観点で見直してみましょう。
| 図形 | 線対称 | 軸の数 | 点対称 |
|---|---|---|---|
| 正三角形 | ○ | 3本 | × |
| 二等辺三角形 | ○ | 1本 | × |
| 平行四辺形 | × | 0 | ○ |
| 長方形 | ○ | 2本 | ○ |
| ひし形 | ○ | 2本 | ○ |
| 正方形 | ○ | 4本 | ○ |
| 正五角形 | ○ | 5本 | × |
| 正六角形 | ○ | 6本 | ○ |
| 円 | ○ | 無数 | ○ |
いくつか面白い発見があります。
発見1は意外に感じるかもしれません。平行四辺形は「対称っぽい」形に見えますが、折っても重ならないのです。実際に紙を折って確かめてみてください。
発見3には理由があります。奇数角形では、頂点の向かい側が辺の真ん中になり、180度回すと形がずれてしまうのです。
対称は、生活のあちこちにあります。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 線対称 | チョウ、葉、人の顔、飛行機、多くの建物 |
| 点対称 | トランプの絵札、風車、一部の家紋 |
| 両方 | 雪の結晶、一部の花、車輪 |
とくに生き物には線対称が多く見られます。
一方、動かない生き物(花や海の生き物)には、放射状の対称が多く見られます。どの方向からも同じように光や栄養を受けられるからです。
形には理由があるのです。
文字にも対称なものがあります。
ひらがなやカタカナも調べてみると、意外な発見があります。
この単元が6年生の最初に置かれているのには、理由があります。
これまでは「辺の数」「角の大きさ」で図形を分けてきました。対称という新しいものさしを手に入れると、同じ図形が別の顔を見せます。
そして、この見方は中学の数学につながります。
また、作図の技術もここで磨かれます。対称の性質を使って正確にかく練習は、この後の拡大図・縮図でも生きてきます。
対称は、デザインの世界でも重要です。
なぜ対称なデザインが多いのでしょうか。
とくにロゴマークは、小さくしても分かりやすい必要があります。対称な形は、単純で覚えやすいのです。
日本の家紋は、対称デザインの宝庫です。
戦場で敵味方を見分けるため、一目で分かる形が求められました。その結果、対称で単純なデザインが発達したのです。
自分で対称な模様を作ってみるのも面白い活動です。
七夕のかざりや雪の結晶の切り絵は、この原理を使っています。算数が、そのまま手仕事につながっているのです。
どちらがどちらか分からなくなる。
折るのが線対称、回すのが点対称。実際に紙を折る・回すと区別がつきます。
見た目で判断してしまう。
実際に紙を折ってみると重ならないことが分かります。点対称ではありますが、線対称ではありません。
正方形の軸を2本だと思う。
正方形は4本です。たて・よこ・対角線2本。正多角形の軸の数は辺の数と同じです。
Q1 線対称と点対称のちがいは何ですか。
A 線対称は折って重なる、点対称は180度回して重なる図形です。
Q2 平行四辺形は線対称ですか。
A 線対称ではありません。折っても重なりません。ただし点対称です。
Q3 正方形の対称の軸は何本ですか。
A 4本です。たて・よこ・対角線2本。正多角形の軸は辺の数と同じです。
Q4 身のまわりで線対称・点対称なものを探してみましょう。
A 葉、マーク、文字、建物など。折る・回すで確かめてみてください。
6年生の算数は、この単元から始まります。図形を新しい観点で整理し直す内容で、数学的な見方を育てる大切な学習です。
まずは実際に折る・回す体験をさせてあげてください。紙に図形をかいて切り取り、折ってみる。中心に鉛筆を刺して回してみる。手を動かすと、定義が体で分かります。
平行四辺形が線対称ではないという事実は、多くの子が驚きます。「対称っぽく見えるのに」という感覚を、実物で崩す経験が理解につながります。
身のまわりの対称探しもおすすめです。企業のロゴ、家紋、建物、生き物。「なぜこの形なのか」まで考えると、デザインや自然への興味も広がります。
作図は丁寧さが求められます。うまくいかなくても、方眼紙を使えば必ずかけるので、あきらめずに取り組ませてください。