6年 算数 算数のまとめ

算数のまとめ ── 6年間で身につけた、たった数個の考え方

たくさんの単元を学んできました。でも、底に流れている考え方は少ないのです。

4つの領域

小学校の算数は、大きく4つの領域に分けられます。

領域学んだこと
数と計算整数・小数・分数の四則計算
図形平面図形、立体図形、面積・体積
変化と関係割合、比、比例・反比例、単位量
データの活用表・グラフ、平均、場合の数

それぞれの領域で、何を積み上げてきたか確認しましょう。

数と計算の積み上げ

1年 … たし算・ひき算、10のまとまり 2年 … かけ算(九九) 3年 … わり算、小数・分数の入門 4年 … わり算の筆算、小数の計算 5年 … 小数×小数、分数の加減 6年 … 分数の乗除

この積み上げを貫いているのは、「単位をそろえる」という原則です。

すべて同じ原則 たし算の筆算 → 位をそろえる 小数の筆算 → 小数点をそろえる 分数のたし算 → 分母をそろえる(通分) 単位の換算 → cmとmをそろえる → そろっていないものは足せない

もう一つ、「1あたりを考える」という原則もあります。

1あたりの考え方 かけ算 … 1つ分 × いくつ分 わり算 … 全体 ÷ いくつ分 小数・分数 … 0.1や1/5を単位にする → 単位を決めれば、 整数の計算に置きかえられる

そして、かけ算とわり算は逆の関係です。片方が分かれば、もう片方も導けます。

図形の積み上げ

1〜2年 … 形の認識、三角形・四角形 3年 … 円、三角形の種類 4年 … 角度、垂直・平行、面積、立体 5年 … 合同、多角形の角、面積の公式、体積 6年 … 対称、円の面積、柱の体積、拡大縮小

図形を貫く原則は、「知っている形に持ちこむ」ことです。

すべて同じ発想 平行四辺形 → 切って長方形に 三角形 → 2つで平行四辺形に 台形 → 2つで平行四辺形に 円 → 切って並べて長方形に 複雑な図形 → 分ける・引く → 求められる形に変える

もう一つ、「単位の大きさがいくつ分か」という見方も一貫しています。

長さ … 1cmがいくつ分 面積 … 1cm²がいくつ分 体積 … 1cm³がいくつ分 角度 … 1°がいくつ分 → 次元がちがっても 考え方は同じ

だから、単位換算も同じ規則で説明できます。長さが100倍なら、面積は100²倍、体積は100³倍です。

変化と関係の積み上げ

4年 … 変わり方(表から式へ) 5年 … 単位量あたり、速さ、割合 6年 … 比、比例・反比例

この領域を貫くのは、「もとにする量を決める」という考え方です。

共通する構造 もとにする量 × 何倍 = くらべる量 4年の倍 … 何倍か 5年の割合 … 0.75倍、75% 6年の比 … 3 : 4 比例 … y = 決まった数 × x → 全部同じ形

言い方が変わっているだけで、やっていることは同じなのです。

割合でつまずいた人も、比なら分かることがあります。別の言い方を試してみると、突破口が開けます。

同じ関係の別表現 「AはBの0.75倍」 「AはBの75%」 「A : B = 3 : 4」 「A = 0.75 × B」 → すべて同じこと

データの活用の積み上げ

1〜3年 … 表、絵グラフ、ぼうグラフ 4年 … 折れ線グラフ、二次元の表 5年 … 平均、円・帯グラフ 6年 … 代表値、柱状グラフ、場合の数

この領域の原則は、「もれなく重複なく」です。

貫いている考え方 ・落ちや重なりのない分類 ・合計で検算する ・目的に合ったグラフを選ぶ ・数字の裏を考える

とくに「数字の裏を考える」ことは、これからの時代に不可欠です。

気をつけること ・平均だけで判断しない ・グラフの目もりを確認する ・何のデータか確かめる ・もとにする量を確認する

数字は嘘をつきませんが、見せ方で印象を操れます。それを見抜く力が、算数で身につくのです。

中学へ持っていくもの

中学数学で、とくに必要になるものを挙げます。

計算力 ・分数の四則計算 ・約分・通分 ・小数と分数の変換 ・□を使った式の逆算 → ここが弱いと 中学ですべてつまずく
考え方 ・単位をそろえる ・1あたりを考える ・知っている形に持ちこむ ・もとにする量を決める ・図や表をかいて考える
習慣 ・答えの見当をつけてから計算 ・検算する ・単位を書く ・図に書きこむ ・「なぜ?」と考える

とくに分数の計算は、中学数学のあらゆる場面で出てきます。ここが不安なら、戻って練習する価値があります。

苦手なところに戻る勇気

6年生の内容が分からないとき、原因は前の学年にあることが多いものです。
・割合が分からない → 4年の「倍の見方」
・分数が分からない → 5年の「約分・通分」
・速さが分からない → 5年の「単位量あたり」

戻ることは、後退ではありません。土台を固める作業です。
算数は積み上げの教科なので、下が崩れていれば上は乗りません。急がば回れ、です。

算数で身についたもの

最後に、計算以外に身についたことを振り返りましょう。

論理的に考える力 ・順序立てて考える ・根拠を持って判断する ・条件を整理する ・場合を分けて考える
問題を解決する力 ・分からないことを式で表す ・分けて考える ・別の形に置きかえる ・見当をつける ・確かめる
数量感覚 ・大きさの見当がつく ・おかしい数字に気づく ・グラフを読める ・統計にだまされない

これらは、算数の問題を解くためだけの力ではありません

買い物で得か損か判断する。ニュースの数字を疑う。物事を順序立てて説明する。生きていくうえで使う力です。

6年間の算数は、計算ができるようになるためだけのものではなかったのです。

中学では、これが「数学」と名前を変えます。より抽象的になりますが、土台は同じです。ここまで積み上げてきたものが、そのまま生きていきます。

つまずきやすいところ

その1 単元をばらばらに覚える

公式を個別に暗記する。
多くの単元が同じ原理でつながっています。共通点を探すと、覚える量が減ります。

その2 分からないまま先へ進む

今の単元だけ何とかしようとする。
原因が前の学年にあることが多いのです。戻る勇気を持ちましょう。

その3 答えを出すことだけを目指す

「なぜ」を考えない。
理由が分かれば、忘れても導き直せます。丸暗記より、はるかに強い力になります。

やってみよう

Q1 計算を貫いている原則を2つ言いましょう。

A 単位をそろえることと1あたりを考えることです。

Q2 図形の面積を求めるときの共通の発想は?

A 知っている形に持ちこむことです。分ける・引く・変形する。

Q3 割合・比・比例に共通する構造は?

A もとにする量 × 何倍 = くらべる量という関係です。

Q4 自分が苦手な単元を1つ挙げ、その土台になる前の学年の単元を探してみましょう。

A 戻って復習すると、今の単元も見通しがよくなります。

まとめ

おうちの方へ

6年間の算数の総まとめです。個々の単元ではなく、全体を貫く考え方に目を向ける内容にしました。
この時期は、中学への不安を感じる子も多い時期です。「これまで学んだことが土台になる」と伝えてあげてください。ゼロから新しいことが始まるわけではありません。
苦手な単元がある場合、原因が前の学年にあることがよくあります。「戻ることは恥ずかしくない」というメッセージが大切です。
とくに分数の計算は、中学数学のあらゆる場面で使います。ここが不安なら、春休みなどに集中して復習する価値があります。
そして、算数で身についたのは計算力だけではないことも伝えてください。論理的に考える力、数字を疑う力。これらは一生使う財産です。