6年
算数
速さと単位量
速さと単位量 ── 3つの量が回る関係を、自在に使う
5年生の速さを、より複雑な場面で使いこなす単元です。
3つの量の関係を整理する
速さ・道のり・時間の関係を、あらためて確認します。
道のり = 速さ × 時間
この1つを覚えれば
他の2つは導ける
速さ = 道のり ÷ 時間
時間 = 道のり ÷ 速さ
この関係は、5年生で学んだ単位量あたりの大きさと同じ構造です。
| 場面 | 1あたり | いくつ分 | 全体 |
| 速さ | 時速(1時間あたり) | 時間 | 道のり |
| 買い物 | 単価(1個あたり) | 個数 | 代金 |
| 人口密度 | 1km²あたりの人数 | 面積 | 人口 |
| 燃費 | 1Lあたりの距離 | 燃料の量 | 走った距離 |
すべて同じ関係です。名前がちがうだけで、計算のしかたは変わりません。
共通する形
1あたりの量 × いくつ分 = 全体
→ これ1つで
すべての場面に対応できる
だから、公式を場面ごとに覚える必要はありません。この形に当てはめるだけです。
単位の変換を確実に
6年生で難しくなるのは、単位が入り組む問題です。
時間の単位
1時間 = 60分 = 3600秒
時速 ÷ 60 → 分速
分速 ÷ 60 → 秒速
時速 ÷ 3600 → 秒速
長さの単位
1km = 1000m
1m = 100cm
時速○km ÷ 3.6 → 秒速○m
(1000 ÷ 3600 = 1/3.6)
とくに時速kmと秒速mの変換は、頻出です。
時速72km を秒速mに
【方法1】順に直す
72km = 72000m
72000 ÷ 3600 = 20
→ 秒速20m
【方法2】3.6でわる
72 ÷ 3.6 = 20
→ 秒速20m
方法2は覚えておくと便利ですが、意味を理解した上で使いましょう。
計算前に単位をそろえる
速さの問題で最も多いミスが、単位の不一致です。
「時速40kmで45分走ると?」
× 40 × 45
○ 45分=0.75時間 → 40 × 0.75 = 30km
分を時間に直すときは、60でわります。
45 ÷ 60 = 0.75時間
30分 → 0.5時間
20分 → 1/3時間
割りきれないときは分数で計算すると正確です。
複雑な速さの問題
6年生では、条件が複数ある問題が出てきます。
途中で速さが変わる
問題:家から駅まで、
はじめの2kmは分速80m、
残り1.5kmは分速60mで歩いた。
全部で何分?
2km = 2000m
2000 ÷ 80 = 25分
1.5km = 1500m
1500 ÷ 60 = 25分
合計 50分
区間ごとに計算して足すのが基本です。
往復の平均の速さ
問題:行きは時速60km、
帰りは時速40kmで
同じ道を往復した。
平均の速さは?
×(60 + 40)÷ 2 = 50km
→ まちがい
なぜ50km/時ではないのでしょうか。かかる時間がちがうからです。
片道120kmとして計算
行き: 120 ÷ 60 = 2時間
帰り: 120 ÷ 40 = 3時間
全体:
道のり 240km
時間 5時間
平均の速さ = 240 ÷ 5 = 時速48km
おそいほうに時間がかかるので、平均は単純な真ん中より小さくなります。
ここでも「合計に直してから計算」という原則が生きています。
出会いと追いこし
【出会う】
A → ← B
├────────────┤
1200m
分速60mと分速40m
→ 1分に100m近づく
→ 1200 ÷ 100 = 12分後
【追いこす】
B →
A →
├───┤ 200m
分速80mと分速60m
→ 1分に20m縮まる
→ 200 ÷ 20 = 10分後
ポイントは「1分間にどれだけ差が変わるか」を先に求めることです。
いろいろな単位量
速さ以外の単位量も、6年生では扱います。
【燃費】
問題:40Lで520km走る車。
1Lあたり何km?
520 ÷ 40 = 13km/L
問題:この車で300km走るには
何L必要?
300 ÷ 13 = 約23.1L
【仕事の速さ】
問題:12人で5日かかる仕事を
10人でやると何日?
全体の仕事量 = 12 × 5 = 60
(人日という単位で考える)
60 ÷ 10 = 6日
この問題は、反比例の関係です。人数が減れば日数が増えます。
【水を入れる速さ】
問題:毎分8Lずつ入れて
30分でいっぱいになる水そう。
毎分12Lなら何分?
全体 = 8 × 30 = 240L
240 ÷ 12 = 20分
どの問題も、まず「全体」を求めるのが共通の手順です。
解き方の型
① 全体の量を求める
(1あたり × いくつ分)
② 新しい条件でわる
(全体 ÷ 新しい1あたり)
グラフで表す
速さの問題は、グラフにすると分かりやすくなります。
時間と道のりのグラフ
道のり
↑
| /
| / ← かたむきが速さ
| /
|/
└────────→ 時間
かたむきが急 → 速い
かたむきがゆるい → おそい
水平 → 止まっている
グラフのかたむきが速さを表します。これは比例のグラフと同じ考え方です。
2人の動きを重ねると、さらに便利です。
2人のグラフ
道のり
↑
| /\
| / \ ← 交点が出会う時刻
|/ \
└────────────→ 時間
→ 線が交わったところで
2人が同じ位置にいる
計算しなくても、グラフを見れば出会う時刻が分かるのです。
グラフを読むときは、次の点を確認します。
・たて軸と横軸が何を表すか
・かたむきの意味(速さ)
・水平な部分(休んでいる)
・交わる点(同じ位置)
・出発点と終点
電車やバスの時刻を考える
速さの知識は、時刻表を読むときにも使えます。
問題:A駅からB駅まで24km。
電車は時速72kmで走る。
9時に出発すると、
何時何分に着く?
24 ÷ 72 = 1/3時間 = 20分
→ 9時20分着
ただし、実際の電車は途中で停まります。
停車を考える
途中に3駅あり、
各駅で1分停車
走行時間 20分 + 停車 3分
= 23分
→ 9時23分着
だから、時刻表上の所要時間は単純な計算より長くなります。
逆に、表示された所要時間から平均の速さを求めることもできます。
新幹線の例
東京〜新大阪 約515km
所要時間 約2時間30分
平均の速さ
= 515 ÷ 2.5
= 時速206km
最高速度は時速285kmだが
発車・停車があるので
平均はもっと低い
最高速度と平均の速さはちがうのです。この区別ができると、数字の意味が正しく読めます。
身のまわりの移動でも試してみましょう。通学、買い物、旅行。距離と時間が分かれば、速さが出せます。
つまずきやすいところ
その1 単位をそろえずに計算する
時速と分をそのままかける。
計算前に単位をそろえる。分は60でわって時間に直します。
その2 平均の速さを速さの平均で出す
(60+40)÷2としてしまう。
全体の道のり ÷ 全体の時間です。合計に直してから計算します。
その3 公式を場面ごとに覚えようとする
速さ、燃費、人口密度で別々に覚える。
すべて「1あたり × いくつ分 = 全体」です。1つの形で対応できます。
やってみよう
Q1 速さ・道のり・時間の関係を1つの式で言いましょう。
A 道のり = 速さ × 時間。他はここから導けます。
Q2 時速90kmは秒速何mですか。
A 90 ÷ 3.6 = 秒速25mです。
Q3 時速50kmで36分走ると何km進みますか。
A 36分=0.6時間。50 × 0.6 = 30kmです。
Q4 通学路の距離と、かかる時間から自分の速さを求めてみましょう。
A 地図アプリで距離を調べ、実際の所要時間で割ります。分速で出してから時速に直すと分かりやすいです。
まとめ
- 道のり = 速さ × 時間。1つ覚えれば足りる。
- 速さ・燃費・人口密度はすべて同じ形。
- 計算前に単位をそろえる。
- 平均の速さは合計に直してから計算。
- グラフのかたむきが速さを表す。
おうちの方へ
この単元は、5年生で学んだ速さと単位量の総まとめです。新しい内容は少なく、使いこなす練習が中心になります。
つまずきの多くは、単位の変換にあります。「45分は何時間?」という換算を、確実にできるようにしておくことが大切です。
「速さ・燃費・人口密度はすべて同じ形」という理解ができると、覚える量が激減します。個別の公式ではなく、共通の構造を意識させてあげてください。
実生活で使う機会も多い単元です。車での移動時間、燃費の計算、通学にかかる時間。日常の場面で計算してみると、実感が持てます。
グラフを使った問題は中学入試でも頻出です。「かたむきが速さ」という理解があれば、難しくありません。