6年 算数 立体の体積

立体の体積 ── 底面積×高さ、たったこれだけ

角柱でも円柱でも、公式は一つ。覚えることはほとんどありません。

角柱と円柱

まず、扱う立体を確認します。

角柱(かくちゅう) 上と下が同じ多角形 横の面が長方形 三角柱、四角柱、五角柱 … 円柱(えんちゅう) 上と下が同じ円 横の面は曲面

共通しているのは、上下に同じ形が向かい合っていることです。

柱の形の特徴 ・上下の面が合同 ・上下の面が平行 ・どこで水平に切っても 同じ形の断面が出る

この「どこで切っても同じ」という性質が、公式の鍵になります。

ちなみに、5年生で学んだ直方体と立方体も角柱の仲間です。上下が長方形(正方形)の四角柱なのです。

公式は一つだけ

角柱も円柱も、体積の公式は同じです。

柱の体積 = 底面積 × 高さ

なぜこれで求まるのでしょうか。

考え方 底面と同じ形の板を 何枚も積み重ねた形 ┌─────┐ ← 1枚目 ├─────┤ ← 2枚目 ├─────┤ ← 3枚目 └─────┘ 板1枚の体積 = 底面積 × 厚さ 高さ分を積む ↓ 底面積 × 高さ

5年生で直方体の体積を「たて×よこ×高さ」と学びました。この「たて×よこ」が底面積です。

直方体 たて × よこ × 高さ = (たて × よこ) × 高さ = 底面積 × 高さ → 同じ公式

底面が何の形でも成り立ちます。三角形でも、五角形でも、円でも。

だから、覚えるのは「底面積×高さ」の1つだけでよいのです。

実際に計算する

それぞれの立体で計算してみましょう。

【三角柱】 底面:底辺4cm、高さ3cmの三角形 柱の高さ:10cm 底面積 = 4 × 3 ÷ 2 = 6 cm² 体積 = 6 × 10 = 60 cm³
【円柱】 底面:半径5cmの円 柱の高さ:8cm 底面積 = 5 × 5 × 3.14 = 78.5 cm² 体積 = 78.5 × 8 = 628 cm³
【台形が底面の四角柱】 底面:上底3cm、下底5cm、高さ4cmの台形 柱の高さ:6cm 底面積 = (3+5) × 4 ÷ 2 = 16 cm² 体積 = 16 × 6 = 96 cm³

手順はいつも同じです。

① 底面がどれか見きわめる ② 底面積を求める ③ 高さをかける

①が意外と大事です。置き方によっては、底面が横になっていることがあります。

「底面」は下とは限らない

三角柱が横に倒れて置かれている図をよく見ます。
このとき、下にある長方形は底面ではありません
底面は「上下に向かい合う合同な2つの面」です。倒れていれば、左右にあることもあります。
見分け方は「同じ形が2つ向かい合っているか」。三角柱なら、2つの三角形が底面です。
「高さ」も、その2つの底面の間の距離を指します。

複雑な立体

柱の形をしていない立体も出てきます。

【組み合わせた立体】 ┌───┐ │ │ ├───┴──┐ │ │ └───────┘ → 2つの直方体に分ける → それぞれの体積を足す または 大きな直方体から 欠けた部分を引く

面積のときと同じく、分ける・引くが基本です。

【穴のあいた立体】 円柱に円柱の穴 外側の円柱の体積 - 内側の円柱の体積 = 求める体積 または (外の底面積 - 内の底面積) × 高さ → 後者のほうが計算が楽

後者の方法は、底面積の段階で引いてしまうやり方です。高さは同じなので、先に引いても結果は変わりません。

4年生で学んだ分配法則が使われています。

A × h - B × h = (A - B) × h

計算を楽にする工夫は、いつも同じ原理から来ているのです。

単位の確認

体積の単位を、あらためて整理しておきましょう。

単位意味関係
cm³1辺1cmの立方体= 1mL
1辺1mの立方体= 1000000cm³ = 1000L
mLミリリットル= 1cm³
Lリットル= 1000cm³
dLデシリットル= 100cm³

とくに1L=1000cm³は必ず押さえましょう。

水そうの容積 たて40cm、よこ30cm、高さ25cm 体積 = 40 × 30 × 25 = 30000 cm³ = 30 L → 30Lの水が入る

体積を求めた後、Lに直す問題がよく出ます。1000でわるだけです。

そして、単位換算のときは3乗を思い出してください。

長さ 100倍 → 体積 100³ = 1000000倍 1m³ = 1000000 cm³

柱ではない立体

参考として、柱以外の立体にもふれておきます。

角すい・円すい /\ / \ /____\ → 先がとがっている → 上下に同じ形がない

すいの体積は、同じ底面と高さの柱の3分の1になります。

すいの体積 = 底面積 × 高さ ÷ 3

これは小学校の範囲外ですが、知っておくと面白い性質です。

確かめる方法があります。同じ底面と高さの円柱と円すいを用意し、円すいに水を入れて円柱に移す。3回で満杯になります

球の体積も、参考までに紹介します。

球の体積 = 半径 × 半径 × 半径 × 3.14 × 4/3

これも中学以降で学びます。今は「そういうものがある」と知っておけば十分です。

ただし、「底面積×高さ」という柱の公式は完全に身につけておきましょう。中学でも高校でも、これが基本になります。

展開図と表面積

柱の展開図も確認しておきましょう。

円柱の展開図 ○ ← 上の底面(円) ┌──────────────┐ │ 側面(長方形) │ └──────────────┘ ○ ← 下の底面(円)

注目したいのは、側面が長方形になることです。

側面の長方形 たて = 円柱の高さ よこ = 底面の円周 = 直径 × 3.14

丸めると円になる部分の長さが、円周と同じになるのです。当然といえば当然ですが、意外に気づきにくい点です。

これが分かると、表面積も計算できます。

円柱の表面積 = 底面積 × 2 + 側面積 半径3cm、高さ10cmの円柱 底面積 = 3×3×3.14 = 28.26 底面2つ = 56.52 cm² 側面積 = 6×3.14 × 10 = 18.84 × 10 = 188.4 cm² 表面積 = 56.52 + 188.4 = 244.92 cm²

表面積は小学校の必修ではありませんが、考え方は難しくありません。

角柱の場合も同じです。

角柱の側面積 = 底面のまわりの長さ × 高さ → 側面を広げると 1つの大きな長方形になる

体積は「底面積×高さ」、側面積は「底面のまわり×高さ」。どちらも底面が鍵になっています。

缶やペットボトルのラベルを想像すると分かりやすいでしょう。ラベルをはがして広げると、長方形になります。

つまずきやすいところ

その1 底面がどれか分からない

倒れた立体で、下の面を底面と考える。
底面は向かい合う合同な2面です。下にあるとは限りません。

その2 高さを取りちがえる

底面の三角形の高さと、柱の高さを混同する。
2つの「高さ」があります。底面積を求める高さと、柱の高さは別物です。

その3 単位を書き忘れる・まちがえる

cm²とcm³を混同する。
体積はcm³です。面積のcm²とは別。3乗であることを確認します。

やってみよう

Q1 角柱と円柱の体積の公式を言いましょう。

A どちらも底面積 × 高さです。公式は一つで足ります。

Q2 底面が半径3cmの円、高さ10cmの円柱の体積は?

A 3×3×3.14=28.26cm²、28.26×10=282.6cm³です。

Q3 「底面」とはどの面のことですか。

A 向かい合う合同な2つの面です。立体の置き方によっては横にあることもあります。

Q4 家にある容器の容積を計算して、水を入れて確かめてみましょう。

A 計算値をLに直して、実際に入る量と比べてみてください。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、5年生の体積の学習をそのまま拡張したものです。「たて×よこ×高さ」が「底面積×高さ」になっただけと理解できれば、難しくありません。
つまずきやすいのは「底面がどれか」です。図で立体が倒れて描かれていると、多くの子が混乱します。「同じ形が2つ向かい合っているのはどこ?」と問いかけてあげてください。
身のまわりの容器で計算してみるのもおすすめです。ペットボトル、水そう、鍋。計算値と実際に入る量を比べると、実感が持てます。
円すいと円柱の水の実験(3回で満杯)は、印象に残る体験です。工作用紙で作れるので、興味を持ったらぜひ試してみてください。
体積の単位(cm³とmL、Lの関係)は、料理の場面でも使えます。「200mLは200cm³だね」といった会話が理解を深めます。