6年 算数

比 ── 2つの数の関係を、そのまま書き表す

5年生の割合は難しかったかもしれません。比なら、もっと直感的に扱えます。

比とは何か

2つの数の関係を、そのまま並べて表したものが比です。

酢50mL と 油100mL を混ぜる 比で表すと 50 : 100 読み方:「50 対 100」

割合との使い分けを見てみましょう。

割合
表し方0.5、50%1 : 2
基準どちらか一方が基準基準を決めなくてよい
使う場面全体に対する部分混ぜ合わせ、分ける

比の便利さは、基準を決めなくてよいことです。

割合では「どちらがもとにする量か」を考える必要がありました。比なら、そのまま並べるだけです。

3つ以上でも表せます。

3つの比 砂糖 : 水 : レモン = 2 : 5 : 1 → 割合では表しにくい関係も 比なら簡単

比の値

比を1つの数で表したものを比の値といいます。

a : b の比の値 = a ÷ b = a/b 3 : 4 の比の値 = 3/4 50 : 100 の比の値 = 1/2

比の値は、bを1としたときのaの大きさを表します。

これは、5年生の割合と同じ形です。

比の値 = くらべる量 ÷ もとにする量 → 割合と同じ計算 つまり 比の値 = 割合

比と割合は、同じことを別の形で表しているのです。

比の値の使いどころは、2つの比が等しいか調べるときです。

2 : 3 と 6 : 9 は等しい? 2 : 3 の比の値 = 2/3 6 : 9 の比の値 = 6/9 = 2/3 → 等しい

等しい比

比には、分数と同じ性質があります。

両方に同じ数をかけても、 両方を同じ数でわっても、 比は変わらない 2 : 3 = 4 : 6 (両方2倍) = 6 : 9 (両方3倍) = 20 : 30 (両方10倍)

これは分数の性質と同じです。比の値が分数だと考えれば、当然のことです。

2/3 = 4/6 = 6/9 → 分数と同じしくみ

この性質を使って、比を簡単にできます。

比を簡単にする 18 : 24 → 両方を6でわる(最大公約数) → 3 : 4 0.5 : 1.5 → 両方を10倍 → 5 : 15 → 両方を5でわる → 1 : 3 1/2 : 1/3 → 両方を6倍(分母の最小公倍数) → 3 : 2

ポイントは、整数の比にしてから約分することです。

小数や分数が入っていたら、まず整数にします。そのために10倍したり、分母の最小公倍数をかけたりします。

できるだけ簡単な整数の比に

答えは「できるだけ簡単な整数の比」にするのが約束です。
18 : 24 を 9 : 12 で止めてはいけません。まだ3でわれるので、3 : 4 まで簡単にします。
分数のときの約分と同じ感覚です。これ以上わりきれない形にしましょう。
確かめ方は「両方をわりきれる数が1以外にないか」を見ることです。

比を使って解く

比の力が発揮されるのは、分ける問題です。

問題:あめ35個を、 兄と弟で 4 : 3 に分ける。 それぞれ何個? 【考え方】 4 + 3 = 7 → 全体を7等分したうち 兄が4つ分、弟が3つ分 1つ分 = 35 ÷ 7 = 5個 兄 = 5 × 4 = 20個 弟 = 5 × 3 = 15個

これを比例配分といいます。

比例配分の手順 ① 比の合計を出す ② 全体を合計でわる(1つ分) ③ 1つ分に各比の数をかける

分数を使った解き方もあります。

兄の分 = 35 × 4/7 = 20個 弟の分 = 35 × 3/7 = 15個 → 全体の何分のいくつかで考える

どちらでも構いません。やりやすいほうを選ぶとよいでしょう。

もう一つ、よく出る問題です。

問題:兄と弟のお金の比が 5 : 3。 兄が2000円のとき、弟は? 【方法1】比の値を使う 5 : 3 = 2000 : x x = 2000 × 3/5 = 1200円 【方法2】1つ分を求める 5つ分が2000円 1つ分 = 400円 弟 = 400 × 3 = 1200円

方法2のほうが、考え方が見えやすいかもしれません。

身のまわりの比

比は、生活のあちこちで使われています。

場面比の例
料理すし酢 = 酢:砂糖:塩
飲み物めんつゆ = つゆ:水 = 1:3
絵の具色を混ぜる割合
コンクリートセメント:砂:砂利
画面テレビ = 16:9
A4など = 1:1.41

とくに料理では比が大活躍します。

なぜ比が便利か 「4人分」のレシピを 6人分にしたい ↓ すべての材料を 1.5倍 ↓ 比は変わらないので 味は同じ

量が変わっても、比が同じなら同じ味になります。これが比の便利さです。

紙のサイズにも面白い比があります。

A判・B判の紙 たて : よこ = 1 : 1.41… この比だと… 半分に切っても 同じ比の形になる A3 → A4 → A5 → A6 すべて同じ形

だから、A4の紙を半分にするとA5になり、形が変わりません。拡大・縮小コピーが簡単なのは、この比のおかげです。

そして、黄金比という有名な比もあります。

黄金比 = 1 : 1.618… 美しいと感じられる比 → 建築、絵画、デザインに使われる → 名刺、カードの形にも

比を使った問題を解く

比の問題には、いくつかの型があります。

【型1】比から一方を求める 問題:A:B = 3:7 で、Bが42のとき Aはいくつ? 7つ分が42 → 1つ分は6 A = 6 × 3 = 18
【型2】差から求める 問題:兄と弟のお金の比が 5:2。 差が900円のとき、 それぞれいくら? 差は 5 - 2 = 3つ分 3つ分が900円 → 1つ分は300円 兄 = 300 × 5 = 1500円 弟 = 300 × 2 = 600円
【型3】変化する比 問題:A:B = 3:5 だったが、 Aが8増えて 5:7 になった。 もとのAはいくつ? → 線分図をかいて考える → 中学の方程式でも解ける

型2の「差から求める」は、よく出るのに見落としやすい形です。

合計から求める場合は「比の和」、差から求める場合は「比の差」を使う。何が与えられているかを確かめるのが第一歩です。

まとめ 合計が分かる → 比の和でわる 差が分かる → 比の差でわる 一方が分かる → その比の数でわる → どれも「1つ分」を求めてから

すべての型に共通するのは、「1つ分」をまず求めることです。ここさえ押さえれば、あとはかけ算するだけです。

つまずきやすいところ

その1 簡単にしきらない

18 : 24 を 9 : 12 で止める。
これ以上わりきれない形にします。3 : 4 まで簡単にしましょう。

その2 小数・分数のまま扱う

0.5 : 1.5 をそのまま答える。
まず整数の比に直します。10倍や分母の最小公倍数をかけます。

その3 比例配分で1つ分を求め忘れる

全体をそのまま比の数でかける。
先に比の合計でわって1つ分を出します。順番が大切です。

やってみよう

Q1 比の値の求め方は?

A a ÷ b(=a/b)です。割合と同じ計算になります。

Q2 24 : 36 を簡単にしましょう。

A 最大公約数12でわって2 : 3です。

Q3 40個を 3 : 5 に分けると、それぞれいくつ?

A 合計8、1つ分5個。15個と25個です。

Q4 レシピの分量を1.5倍にして、料理を作ってみましょう。

A すべての材料を同じ倍率にすれば、比が保たれて味も同じになります。

まとめ

おうちの方へ

比は、5年生の割合よりも直感的に理解しやすい単元です。「もとにする量」を決めなくてよいぶん、考えやすいのです。
料理は最高の実践の場です。レシピの分量を倍にする、半分にする。「比が同じなら味も同じ」という感覚が、体験的に身につきます。
めんつゆの希釈(1:3など)も、日常的に使える例です。「4人分作るには?」と一緒に計算してみてください。
比例配分は、おこづかいやお菓子を分けるときに使えます。「兄弟で3:2に分けたら?」という場面で実際に計算させると、理解が定着します。
紙のA判の比(半分にしても同じ形)は、興味を引く話題です。実際にA4を半分に折って、形が同じことを確かめてみてください。