5年生の割合は難しかったかもしれません。比なら、もっと直感的に扱えます。
2つの数の関係を、そのまま並べて表したものが比です。
割合との使い分けを見てみましょう。
| 割合 | 比 | |
|---|---|---|
| 表し方 | 0.5、50% | 1 : 2 |
| 基準 | どちらか一方が基準 | 基準を決めなくてよい |
| 使う場面 | 全体に対する部分 | 混ぜ合わせ、分ける |
比の便利さは、基準を決めなくてよいことです。
割合では「どちらがもとにする量か」を考える必要がありました。比なら、そのまま並べるだけです。
3つ以上でも表せます。
比を1つの数で表したものを比の値といいます。
比の値は、bを1としたときのaの大きさを表します。
これは、5年生の割合と同じ形です。
比と割合は、同じことを別の形で表しているのです。
比の値の使いどころは、2つの比が等しいか調べるときです。
比には、分数と同じ性質があります。
これは分数の性質と同じです。比の値が分数だと考えれば、当然のことです。
この性質を使って、比を簡単にできます。
ポイントは、整数の比にしてから約分することです。
小数や分数が入っていたら、まず整数にします。そのために10倍したり、分母の最小公倍数をかけたりします。
答えは「できるだけ簡単な整数の比」にするのが約束です。
18 : 24 を 9 : 12 で止めてはいけません。まだ3でわれるので、3 : 4 まで簡単にします。
分数のときの約分と同じ感覚です。これ以上わりきれない形にしましょう。
確かめ方は「両方をわりきれる数が1以外にないか」を見ることです。
比の力が発揮されるのは、分ける問題です。
これを比例配分といいます。
分数を使った解き方もあります。
どちらでも構いません。やりやすいほうを選ぶとよいでしょう。
もう一つ、よく出る問題です。
方法2のほうが、考え方が見えやすいかもしれません。
比は、生活のあちこちで使われています。
| 場面 | 比の例 |
|---|---|
| 料理 | すし酢 = 酢:砂糖:塩 |
| 飲み物 | めんつゆ = つゆ:水 = 1:3 |
| 絵の具 | 色を混ぜる割合 |
| コンクリート | セメント:砂:砂利 |
| 画面 | テレビ = 16:9 |
| 紙 | A4など = 1:1.41 |
とくに料理では比が大活躍します。
量が変わっても、比が同じなら同じ味になります。これが比の便利さです。
紙のサイズにも面白い比があります。
だから、A4の紙を半分にするとA5になり、形が変わりません。拡大・縮小コピーが簡単なのは、この比のおかげです。
そして、黄金比という有名な比もあります。
比の問題には、いくつかの型があります。
型2の「差から求める」は、よく出るのに見落としやすい形です。
合計から求める場合は「比の和」、差から求める場合は「比の差」を使う。何が与えられているかを確かめるのが第一歩です。
すべての型に共通するのは、「1つ分」をまず求めることです。ここさえ押さえれば、あとはかけ算するだけです。
18 : 24 を 9 : 12 で止める。
これ以上わりきれない形にします。3 : 4 まで簡単にしましょう。
0.5 : 1.5 をそのまま答える。
まず整数の比に直します。10倍や分母の最小公倍数をかけます。
全体をそのまま比の数でかける。
先に比の合計でわって1つ分を出します。順番が大切です。
Q1 比の値の求め方は?
A a ÷ b(=a/b)です。割合と同じ計算になります。
Q2 24 : 36 を簡単にしましょう。
A 最大公約数12でわって2 : 3です。
Q3 40個を 3 : 5 に分けると、それぞれいくつ?
A 合計8、1つ分5個。15個と25個です。
Q4 レシピの分量を1.5倍にして、料理を作ってみましょう。
A すべての材料を同じ倍率にすれば、比が保たれて味も同じになります。
比は、5年生の割合よりも直感的に理解しやすい単元です。「もとにする量」を決めなくてよいぶん、考えやすいのです。
料理は最高の実践の場です。レシピの分量を倍にする、半分にする。「比が同じなら味も同じ」という感覚が、体験的に身につきます。
めんつゆの希釈(1:3など)も、日常的に使える例です。「4人分作るには?」と一緒に計算してみてください。
比例配分は、おこづかいやお菓子を分けるときに使えます。「兄弟で3:2に分けたら?」という場面で実際に計算させると、理解が定着します。
紙のA判の比(半分にしても同じ形)は、興味を引く話題です。実際にA4を半分に折って、形が同じことを確かめてみてください。