6年 算数 比例と反比例

比例と反比例 ── 2倍になるか、半分になるか

4年生の「変わり方」が、ここで正式な名前を得ます。

比例とは

2つの量があって、片方が2倍になると、もう片方も2倍になる。この関係を比例といいます。

1mが80円のリボン 長さx(m) 1 2 3 4 5 代金y(円) 80 160 240 320 400 長さが2倍 → 代金も2倍 長さが3倍 → 代金も3倍 → yはxに比例する

比例には、3つの特徴があります。

比例の特徴 ① xが2倍、3倍…になると yも2倍、3倍…になる ② y ÷ x がいつも同じ数 80÷1 = 80 160÷2 = 80 240÷3 = 80 ③ 式が y = 決まった数 × x y = 80 × x

②の「いつも同じ数」を比例定数といいます。ここでは80です。

この数は、1あたりの量を表しています。5年生で学んだ「単位量あたりの大きさ」と同じです。

比例定数 = 1あたりの量 リボン → 1mあたりの値段 速さ → 1時間あたりの道のり 水そう → 1分あたりにたまる量

だから、比例の関係はいたるところにあります

比例のグラフ

比例の関係をグラフにすると、はっきりした形が現れます。

y 400| ● 320| ● 240| ● 160| ● 80|● 0└─┴─┴─┴─┴─→ x 1 2 3 4 5 → 0を通る直線

特徴は2つです。

比例のグラフ ① 直線になる ② 0(原点)を通る

②が重要です。0のとき0。買わなければ0円、進まなければ0km。当然のことですが、これが比例の条件です。

逆に、0を通らない直線は比例ではありません

例:基本料金がある場合 タクシー代 = 500円 + 100円 × 距離 → 0kmでも500円かかる → 0を通らない → 比例ではない

これは中学で学ぶ一次関数です。比例は、その特別な場合にあたります。

グラフのかたむきにも意味があります。

かたむきが急 → 比例定数が大きい かたむきがゆるい → 比例定数が小さい y = 100x → 急 y = 20x → ゆるやか

反比例とは

今度は逆のパターンです。片方が2倍になると、もう片方は半分になる関係を反比例といいます。

面積24cm²の長方形 たてx(cm) 1 2 3 4 6 8 12 よこy(cm) 24 12 8 6 4 3 2 たてが2倍 → よこは1/2 たてが3倍 → よこは1/3 → yはxに反比例する

反比例の特徴も3つです。

反比例の特徴 ① xが2倍、3倍…になると yは1/2、1/3…になる ② x × y がいつも同じ数 1×24 = 24 2×12 = 24 3×8 = 24 ③ 式が y = 決まった数 ÷ x y = 24 ÷ x

比例がわり算で一定、反比例がかけ算で一定。ここが決定的なちがいです。

比例反比例
xが2倍yも2倍yは1/2
一定なものy ÷ xx × y
y = a × xy = a ÷ x
グラフ0を通る直線なめらかな曲線

反比例のグラフ

反比例のグラフは、曲線になります。

y 24|● | 12| ● | 8| ● 6| ● 4| ● 3| ● └──┴──┴──┴──┴──→ x 1 2 4 6 8 12 → なめらかに下がる曲線 → 軸には近づくが、 決してふれない

この曲線を双曲線といいます。

面白いのは、0に近づいても0にならないことです。

なぜ0にならないか xが小さくなるほど、yは大きくなる x = 0.1 → y = 240 x = 0.01 → y = 2400 xが0だと、24 ÷ 0 になる → わり算では0でわれない → 値が決まらない

だから、反比例のグラフは0を通りません。比例との大きなちがいです。

身のまわりの比例・反比例

どちらの関係も、生活の中にたくさんあります。

比例の例反比例の例
買う個数と代金人数と1人分の量
時間と進む距離(速さ一定)速さと所要時間(距離一定)
水を入れる時間とたまる量働く人数と終わるまでの日数
本の冊数と重さ面積が一定の長方形のたてとよこ

とくに速さは、両方の見方ができる面白い例です。

速さが一定のとき 時間 と 距離 は 比例 (2時間走れば2倍進む) 距離が一定のとき 速さ と 時間 は 反比例 (速さが2倍なら時間は半分)

何を一定にするかで、関係が変わるのです。

そして、すべての関係が比例・反比例とは限りません

比例でも反比例でもない例 ・年齢と身長 ・正方形の1辺と面積 (1辺2倍で面積4倍) ・気温と時刻 → 世の中の関係は多様

比例・反比例は、数ある関係の中の代表的な2つにすぎません。それでも、これらを知っていると多くのことが説明できます。

問題を解く手順

比例・反比例の問題は、手順を決めておくと確実です。

① 表を作る(値を書き出す) ② 比例か反比例か見分ける ・y÷x が一定 → 比例 ・x×y が一定 → 反比例 ③ 決まった数を求める ④ 式を作る ⑤ 式に当てはめて答える

実際にやってみましょう。

問題:歯車Aが4回転すると 歯車Bが6回転する。 Aが10回転すると、Bは? ② Aが2倍ならBも2倍 → 比例 ③ 6 ÷ 4 = 1.5 ④ y = 1.5 × x ⑤ y = 1.5 × 10 = 15回転
問題:12人で6日かかる仕事。 9人でやると何日? ② 人数が増えると日数は減る 12×6 = 72 で一定 → 反比例 ③ 決まった数 = 72 ④ y = 72 ÷ x ⑤ y = 72 ÷ 9 = 8日

反比例の問題では、「全体の仕事量」が一定だと気づくのがポイントです。

グラフから読み取る

グラフが与えられる問題もあります。
グラフを見たら、まずを確認します。
・0を通る直線 → 比例
・下がる曲線 → 反比例
次に、読みやすい点を1つ選びます。
x=1のときのyや、格子点(線が交わる点)を使うと、決まった数がすぐ分かります。
あとは式を作れば、どんな値でも計算できます。

中学へのつながり

この単元は、中学数学の「関数」の入り口です。

中学で学ぶこと 中1 … 比例・反比例(負の数も含む) 中2 … 一次関数 y = ax + b 中3 … 二次関数 y = ax² → すべて、この延長

小学校ではxもyも正の数だけを扱いますが、中学では負の数も入ります。すると、グラフは左下にも広がります。

それでも、基本の考え方は変わりません

一貫している考え方 ・表を作って規則を見つける ・式で表す ・グラフで全体を見る → 表・式・グラフの3点セット

4年生の「変わり方」から始まり、5年生の「単位量あたり」を経て、6年生で「比例・反比例」として整理される。長い積み重ねがあったのです。

つまずきやすいところ

その1 比例と反比例を混同する

どちらか判断できない。
y÷xが一定なら比例、x×yが一定なら反比例。表で計算して確かめます。

その2 0を通らない直線を比例だと思う

直線ならすべて比例だと考える。
比例は0を通る直線だけです。基本料金があるものは比例ではありません。

その3 反比例のグラフを直線でかく

点を直線で結んでしまう。
反比例はなめらかな曲線です。点を多めに取って、定規を使わずに結びます。

やってみよう

Q1 比例と反比例を見分ける方法は?

A y÷xが一定なら比例x×yが一定なら反比例です。

Q2 比例のグラフの特徴を2つ言いましょう。

A 直線であることと0(原点)を通ることです。

Q3 面積30cm²の長方形で、たてが5cmのときよこは?

A x×y=30の反比例なので、30÷5=6cmです。

Q4 身のまわりの比例・反比例の例を、それぞれ探してみましょう。

A 表を作って、y÷xかx×yが一定かを確かめると判断できます。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、中学数学の「関数」への入り口です。4年生の「変わり方」から続く学習の集大成でもあります。
まず表を作る習慣をつけさせてください。値を並べれば、比例か反比例かはすぐ判断できます。頭の中だけで考えようとすると混乱します。
グラフをかく作業も大切です。とくに反比例の曲線は、点を多めに取らないときれいにかけません。定規を使わず、なめらかに結ぶことを教えてあげてください。
身のまわりの例を探すのも良い活動です。「これは比例かな?」と考えることで、関係を見る目が育ちます。
なお、世の中の関係のすべてが比例・反比例ではありません。そのことも伝えておくと、学んだ知識を機械的に当てはめる誤りを防げます。