km、cm、kg、mg、mL、dL。1年生から6年間で出てきた単位は、数えると20個近くあります。でも、覚えることは3つしかありません。
キロメートルという言葉を、いったん2つに切ってみます。
後ろ半分が「何をはかるのか」を、前半分が「どれくらいの大きさか」を表しています。この2つの部品を組み合わせているだけなので、前半分の意味さえ知っていれば、初めて見る単位でも大きさが分かります。
前半分につく言葉は、小学校で出てくるものだけなら5種類です。
| つける言葉 | 記号 | 意味 | 使われている例 |
|---|---|---|---|
| キロ | k | 1000倍 | km、kg、kL |
| ヘクト | h | 100倍 | ha(ヘクタール)、hPa |
| (なし) | ― | 1倍・もとの単位 | m、g、L |
| デシ | d | 10分の1 | dL |
| センチ | c | 100分の1 | cm |
| ミリ | m | 1000分の1 | mm、mg、mL |
この表が、この記事でいちばん大事な部分です。ここから先は、この表を長さ・重さ・かさにあてはめていくだけになります。
長さのもとになる単位はメートルです。表のとおりに前半分をつけかえると、次のようになります。
4年生までにならった「1m=100cm」「1cm=10mm」は、この表から自動的に出てきます。cmは100分の1、mmは1000分の1なので、mmはcmのさらに10分の1。だから10mmで1cmです。
ふだん見かけないdm(デシメートル)も、決まりの上ではちゃんと存在します。10cmのことです。使われないだけで、まちがった単位ではありません。
重さのもとになる単位はグラムです。
トンだけは前半分と後ろ半分に分けられない、特別な名前です。ただし中身は1000kgなので、キロの考え方がもう一段のっていると思えば覚えやすくなります。
かさ(体積)のもとになる単位はリットルです。ここには、小学校で1回しか出てこない珍しい段があります。
| 単位 | Lとの関係 | だいたいの目安 |
|---|---|---|
| 1 kL | 1000 L | 家庭用のふろおけ約5はい分 |
| 1 L | 1 L | 牛乳パック1本 |
| 1 dL | 0.1 L | コップに軽く半分 |
| 1 mL | 0.001 L | 小さじの5分の1 |
dLは2年生で出たきり、その後ほとんど姿を消します。「なぜあれだけ習ったのか」と思うかもしれませんが、10分の1の段があることを知っておくと、この表全体の形が見えるようになります。
ここからが6年生の山場です。長さでは1m=100cmでした。では、面積ではどうなるでしょうか。
たてとよこの両方が100倍になるので、面積は100×100で10000倍になります。ここを「長さと同じ100倍」と考えてしまうのが、いちばん多いまちがいです。
体積なら、たて・よこ・高さの3つが同時に増えます。
3つならべて比べると、規則性がはっきりします。
| はかるもの | かけ算する回数 | mとcmの関係 |
|---|---|---|
| 長さ | 1回(そのまま) | 1 m = 100 cm |
| 面積 | 2回(たて×よこ) | 1 m² = 10000 cm² |
| 体積 | 3回(たて×よこ×高さ) | 1 m³ = 1000000 cm³ |
右かたの小さい数字(²や³)は、飾りではありません。その数字の回数だけ、100倍がくり返されるという合図です。この見方を持っておけば、換算の数を丸暗記する必要はなくなります。
かさとの行き来もここでつながります。1辺1cmの立方体の体積が1cm³で、これがちょうど1mLです。だから1L=1000cm³、1kL=1m³。バラバラに覚えていた単位が、1本につながります。
社会科で田畑の広さを読むときに出てくるaとhaも、同じ考え方でできています。
haの先頭のhは、最初の表にあったヘクト(100倍)です。つまりヘクタールは「アールの100倍」という意味そのままの名前になっています。学校の25mプール(たて25m・よこ12.5mなら312.5m²)がおよそ0.03ha、これを32個ならべてやっと1ha、という感覚を持っておくと、ニュースで聞く「山林50haが焼けた」の大きさが想像できます。
単位を直す問題は、いきなり目的の単位へ飛ぼうとすると混乱します。一度もとの単位に戻ってから進むと、まちがいが減ります。
もう1問、重さでもやってみます。
答えを書いたら、最後に大きさの向きだけ見なおします。大きい単位に直したなら数は小さくなり、小さい単位に直したなら数は大きくなるはずです。3.5kmが350000cmになったのは、cmという細かいものさしで数えたから。この一言をつけ加えられれば、けたを1つまちがえたときに自分で気づけます。
家の中は、単位の見本市です。次の3つを紙に書き出してみてください。
気圧のhPa(ヘクトパスカル)は、表のヘクトがそのまま使われている例です。1013hPaと聞いたら、パスカルという単位の1013×100倍だと読める。この記事を読む前と後で、同じニュースの聞こえ方が変わっているはずです。
この単元は、新しい知識を覚える場面ではなく、6年間でバラバラに習ってきたものを1枚の表に整理し直す場面です。お子さんが「もう習った」と言っても、m²とcm²の関係を聞くと答えられないことがよくあります。そこがこの単元の本当の目的地です。
おすすめの確かめ方は、方眼紙に1辺10cmの正方形をかいて、1cmのマスがいくつあるか数えてもらうことです。100個あります。ここで「長さは10倍なのに、面積は100倍になった」と目で見て納得できると、m²とcm²の話もすんなり入ります。
買い物のときは、内容量の表示を読む練習になります。500mLと0.5L、1.5kgと1500gが同じだと分かるかどうか。値段を量で割って比べる話につなげると、単位量あたりの考え方の復習にもなります。
ヘクタールは、地元の公園や学校の敷地面積を市のホームページで調べると身近になります。数字に実感がともなうと、単位は暗記ではなくなります。