これまで□や○を使っていた場所に、x や a を使います。中学数学への入り口です。
3年生から、分からない数を□で表してきました。
やっていることは同じです。記号が変わっただけ。
では、なぜ文字を使うのでしょうか。理由は3つあります。
とくに③が大きな理由です。日本語が読めなくても、数式なら世界中の人が理解できます。
文字を使うときには、決まったルールがあります。
なぜ省くのでしょうか。×とxが紛らわしいからです。それに、書く量も減ります。
ただし、小学校では×を書いてもかまいません。中学に進むと省略が標準になります。
まずは意味を理解することが大切です。書き方は後からついてきます。
文字の力が発揮されるのは、数量の関係を表すときです。
ここが重要です。1つの式で、すべての場合を表せるのです。
これを一般化といいます。個別の計算から、共通する形を取り出すのです。
4年生の「変わり方」で表から式を作りましたが、あれと同じことです。□と○がxとyに変わっただけで、考え方は変わりません。
文字の式ができたら、具体的な数を入れて計算できます。
このように求めた値を式の値といいます。
逆に、答えから元の数を求めることもできます。
これは方程式を解くということです。中学で本格的に学びますが、考え方はもう身についています。
3年生の「□を使った式」で、逆算する練習をしてきました。その延長線上にあるのです。
文字の式が難しく感じたら、線分図をかいてみましょう。
1000円 ├────────────────┤
品物a円 ├──────┤
おつり ├────────┤
図にすると、「1000 - a」が自然に見えてきます。
文字が入ると急に難しく感じますが、やっていることは今まで通りです。図をかけば、それが確かめられます。
これまで学んだ公式も、文字で書けるようになります。
| 公式 | 言葉 | 文字式 |
|---|---|---|
| 長方形の面積 | たて × よこ | a × b |
| 三角形の面積 | 底辺 × 高さ ÷ 2 | a × h ÷ 2 |
| 円の円周 | 直径 × 3.14 | d × 3.14 |
| 道のり | 速さ × 時間 | v × t |
| 平均 | 合計 ÷ 個数 | s ÷ n |
文字にすると、短く正確に書けます。
そして、文字を使うときまりを証明することもできます。
いくつ例を挙げても、「すべての場合」の証明にはなりません。文字を使うと、これが解決します。
これですべての場合が証明できました。文字の本当の力は、ここにあります。
この計算は中学の内容ですが、「文字を使えば一般的なことが言える」という感覚は、6年生で持っておく価値があります。
この単元は、算数から数学への入り口です。
文字を使えるようになると、個別の答えではなく、しくみそのものを扱えるようになります。
中学ではこう発展します。
すべて、この単元が出発点です。
だから、ここでつまずかないことが大切です。難しく考えず、「□がxになっただけ」と受け止めてください。
式を作るだけでなく、式が何を表しているか読み取る力も大切です。
1つの式が、いろいろな場面を表せるのです。
これは文字式の強みでもあります。構造が同じなら、同じ式で表せる。だから、算数で学んだことが理科や社会でも使えるのです。
逆に、式のちがいに注目する練習も有効です。
4年生の「計算のきまり」で学んだ( )の役割が、ここでも生きています。
そして、単位にも注意しましょう。
式を書くときは、「xは〜を表す」と明記する習慣をつけましょう。これは中学以降でも求められる作法です。
xが出た瞬間に手が止まる。
□と同じです。「□+5=12」が解けるなら「x+5=12」も解けます。
言葉から式にできない。
具体的な数で1回やってみると分かります。「3個なら80×3」→「x個なら80×x」。
3xの意味が分からない。
3×xのことです。×を省いて書いているだけ。分からなくなったら×を補って読みましょう。
Q1 なぜ□ではなく文字を使うのですか。
A いくつでも使え、何を表すか分かり、世界共通だからです。
Q2 「1個120円のりんごをx個買った代金」を式にしましょう。
A 120 × x(=120x)円です。
Q3 式 5x で、x=8 のときの値は?
A 5 × 8 = 40です。
Q4 身のまわりの関係を、文字を使った式で表してみましょう。
A 「1日x時間勉強すると、1週間で7x時間」など。具体例から式を作ると分かりやすいです。
「文字式」と聞くと難しそうですが、内容は3年生から続く「□を使った式」の延長です。この連続性を伝えることが、苦手意識を防ぐいちばんの方法です。
お子さんが文字を見て固まったら、「□に置きかえてごらん」と声をかけてください。それだけで解けることが多くあります。
式が作れないときは、具体的な数で1回やらせるのが有効です。「3個ならいくら?」と聞いて80×3が出れば、「じゃあx個なら?」で式ができます。
この単元は中学数学の土台です。ここで「文字は怖くない」という感覚を持てるかどうかが、その後を大きく左右します。
計算そのものは難しくないので、焦らず、意味の理解を優先してあげてください。