5年生で学んだ平均。それだけでは実態が分からないことがあります。
5年生で、平均にはばらつきが見えないという弱点があると学びました。
もう一つ、大きな弱点があります。
1人だけ極端に多いと、平均が実態からずれてしまいます。
「平均的な人」を探しても、そんな人はいないのです。
そこで、6年生では3つの代表値を学びます。
| 名前 | 意味 | 求め方 |
|---|---|---|
| 平均値 | ならした値 | 合計 ÷ 個数 |
| 中央値 | まん中の値 | 順に並べてまん中 |
| 最頻値 | いちばん多い値 | 数えていちばん多いもの |
それぞれちがう見方でデータを代表しています。
中央値は、データを小さい順に並べたときの真ん中の値です。
先ほどのおこづかいの例で比べてみましょう。
極端な値に影響されないのが、中央値の強みです。
12000円の人がいても、真ん中の順位は変わりません。だから中央値は安定しているのです。
ニュースで「平均年収」と「中央値」の両方が示されるのは、このためです。
最頻値は、いちばん多く現れる値です。
最頻値の強みは、数値でないデータにも使えることです。
また、実際に存在する値である点も特徴です。
お店が商品を仕入れるとき、最頻値が役に立ちます。
ただし、最頻値には弱点もあります。
どの代表値を使うかは、目的とデータの性質で決まります。
| 代表値 | 向いている場面 | 弱点 |
|---|---|---|
| 平均値 | 全体の量を知りたい/均等に分けたい | 極端な値に引っぱられる |
| 中央値 | 典型的な値を知りたい | 全体の量は分からない |
| 最頻値 | いちばん多いものを知りたい | 決まらないことがある |
大切なのは、1つだけ見て判断しないことです。
3つの値を比べるだけで、データの形が推測できるのです。
同じデータでも、どの代表値を示すかで印象が変わります。
「平均年収は600万円です」
「年収の中央値は420万円です」
どちらも本当ですが、受ける印象はまるでちがいます。
だから、統計を見るときは「何の値か」を確認することが大切です。
そして自分がデータを示すときも、目的に合った値を、誠実に選ぶ必要があります。
データが多いときは、区間に分けて整理します。
この区間を階級、それぞれの人数を度数といいます。
「以上」「未満」の使い方に注意してください。4年生で学んだ言葉です。
この決め方なら、どの値も必ず1つの階級に入ります。重なりも漏れもありません。
これをグラフにしたものが柱状グラフ(ヒストグラム)です。
ぼうグラフと似ていますが、ちがいがあります。
| ぼうグラフ | 柱状グラフ | |
|---|---|---|
| 横軸 | 種類(順序なし) | 数量の区間(順序あり) |
| ぼうの間 | すきまを空ける | すきまを空けない |
| 並べかえ | できる | できない |
すきまを空けないのは、データが連続しているからです。8.5と9.0の間にも値が存在します。
柱状グラフからは、データの「形」が読み取れます。
とくに二山型を見つけたら要注意です。性質のちがう集団が混ざっている可能性があります。
グラフの形は、データの背後にある構造を教えてくれるのです。
読み取るときのポイントをまとめます。
階級の幅も重要です。細かすぎるとバラバラに見え、粗すぎると特徴が消えます。
データの真ん中の位置の値を取る。
必ず小さい順に並べてから真ん中を見ます。並べないと意味がありません。
2つのうち片方を選んでしまう。
偶数個なら真ん中2つの平均を取ります。
ぼうグラフと同じにかいてしまう。
柱状グラフはすきまを空けません。データが連続しているからです。
Q1 3つの代表値を言いましょう。
A 平均値・中央値・最頻値です。それぞれちがう見方をします。
Q2 中央値の強みは何ですか。
A 極端な値に影響されないことです。だから実態に近い値になります。
Q3 「8.5以上9.0未満」に、9.0は入りますか。
A 入りません。「未満」はその値を含みません。次の階級に入ります。
Q4 クラスの記録などで、3つの代表値を求めてみましょう。
A 3つを比べると、データの偏りが見えてきます。柱状グラフもかいてみてください。
この単元は、統計リテラシーの基礎です。中学・高校はもちろん、社会に出てからも使い続ける力になります。
とくに「平均値と中央値のちがい」は、大人でも誤解しがちです。ニュースで「平均年収」が出たとき、「中央値はどうなんだろう」と考える視点を持てると、情報に振り回されにくくなります。
実際のデータで3つの代表値を求めてみるのが、いちばんの学習です。家族の身長、1週間の気温、テストの点数。何でも構いません。
柱状グラフをかく作業も大切です。階級の幅を変えると印象が変わることを実感できると、グラフを見る目が育ちます。
「どの値を示すかで印象が変わる」という話は、誠実さの問題でもあります。数字は嘘をつきませんが、使い方で誤解を生めることを知っておく価値があります。