この一点を見分けるだけで、問題の半分は解けたも同然です。
場合の数の問題は、大きく2つに分かれます。
この見分けが、すべての出発点です。
見分ける方法は、こう考えます。
具体例で確かめましょう。
| 場面 | タイプ | 理由 |
|---|---|---|
| 1位・2位を決める | 並べ方 | 順位がちがえば別 |
| 代表2人を選ぶ | 組み合わせ | 選ばれれば同じ |
| 3けたの数を作る | 並べ方 | 123と321は別の数 |
| 色を2つ選んで混ぜる | 組み合わせ | 順番は関係ない |
| リレーの走順を決める | 並べ方 | 順番が意味を持つ |
| 試合の対戦相手 | 組み合わせ | AとBの試合は1つ |
迷ったら、小さい例で書き出してみるのが確実です。
場合の数を数える基本の道具が樹形図です。
樹形図のよいところは、数え落としと重複を防げることです。
順番を決めて書くのがコツです。思いつくままに書くと、必ず抜けが出ます。
樹形図から、計算のしかたも見えてきます。
これが並べ方の計算です。
組み合わせは、並べ方より少なくなります。
ちょうど半分になりました。理由は明快です。
3つ選ぶ場合は、もっと重複します。
ただし、小学校では樹形図や表で数えるのが基本です。計算はあくまで確認用と考えてください。
組み合わせは、表を使うと分かりやすくなります。
A B C D
A — ○ ○ ○
B — ○ ○
C — ○
D —
○の数を数えると 6通り。
ななめの線より上だけを見るのがポイントです。下半分は上半分と同じ組み合わせだからです。
この方法は、総当たり戦の試合数を数えるときにも使えます。
典型的な問題を見ておきましょう。
0が含まれる場合は注意が必要です。
道順の問題は、数を書きこむ方法が有効です。樹形図より速く、確実です。
条件がある問題は、条件のきびしいところから決めるのがコツです。
場合の数で最も大切なのは、もれなく・重複なく数えることです。
防ぐ方法は、ルールを決めて機械的に書くことです。
これは4年生の「落ちや重なりのない分類」と同じ考え方です。
そして、答えの見当をつけることも有効です。
場合の数は、数が急激に増えるのが特徴です。10人の並べ方は約360万通りにもなります。
場合の数は、実生活のさまざまな場面に現れます。
これはかけ算で求められます。それぞれ独立して選べるからです。
1万通りしかないので、時間をかければ破られてしまいます。だから、桁数の多いパスワードが推奨されるのです。
場合の数の知識が、安全を守っているのです。
ほかにも、こんな場面があります。
そして、場合の数は確率の土台になります。中学で学ぶ「起こりやすさ」を数で表す学習は、すべての場合を数えられることが前提です。
数えられれば、「どれくらい起こりやすいか」が計算できるようになるのです。
どちらか判断できない。
2つをひっくり返してみて、別物として数えるかどうかを確かめます。別物なら並べ方、同じなら組み合わせです。
数え落としが出る。
順序を決めて書きます。アイウ順、番号順など、ルールを決めて機械的に。
012を3けたの数として数える。
整数を作る問題では、先頭に0は使えません。条件を確認してから数えます。
Q1 並べ方と組み合わせの見分け方は?
A 入れかえたら別のものになるかで判断します。なるなら並べ方です。
Q2 4人が1列に並ぶ方法は何通り?
A 4 × 3 × 2 × 1 = 24通りです。
Q3 6チームの総当たり戦は何試合?
A 6 × 5 ÷ 2 = 15試合。組み合わせなので2でわります。
Q4 1,2,3,4のカードで2けたの整数を作ると何通り?
A 4 × 3 = 12通り。樹形図でも確かめてみましょう。
場合の数は、中学入試でも頻出の分野です。同時に、論理的に考える力を育てる良い題材でもあります。
大切なのは、いきなり計算しないことです。まず樹形図や表で書き出す。書き出す過程で構造が見えてきます。
「思いつくままに書く」と必ず失敗します。順序を決めて機械的に書き出す習慣を、繰り返し練習させてください。
身近な題材でも練習できます。「今日の服の組み合わせは何通り?」「4人でじゃんけんの順番を決めると?」。遊びの中で扱うと、抵抗なく取り組めます。
トーナメントやリーグ戦の試合数も、実感を持てる題材です。スポーツの話題と結びつけると、興味が広がります。