曲線で囲まれた図形の面積。直線の図形に変えるのが解決の鍵です。
まず結論です。
5年生で学んだ円周の公式と比べてみましょう。
円周は直径、面積は半径を使います。ここを混同しないことが大切です。
単位もちがいます。円周はcm、面積はcm²です。
では、なぜこの公式になるのでしょうか。
公式を導く方法は、意外なほど大胆です。円を切って並べかえるのです。
分ける数を増やすほど、長方形に近づきます。
できた長方形の、たてとよこの長さを考えてみましょう。
公式が導けました。
なぜよこが円周の半分になるのでしょうか。上下に交互に並べているので、円周の半分ずつが上と下に分かれるからです。
この方法のすごいところは、曲線の図形を直線の図形に変えたことです。5年生で三角形や台形を長方形に変えたのと、同じ発想です。
円を無限に細かく分ければ、完全な長方形になります。
この「無限に細かく分ける」という発想は、高校で学ぶ「積分」という数学の中心的な考え方です。
2000年以上前、アルキメデスも同じような方法で円の面積を求めました。
6年生でその入り口に立っているのです。「細かく分けて、簡単な形にして、足し合わせる」──これは数学の最も強力な武器の一つです。
円の一部をおうぎ形といいます。
面積は、円全体の何分の何かを考えます。
よく出る角度は、覚えておくと速く計算できます。
| 中心角 | 円全体の |
|---|---|
| 180° | 1/2(半円) |
| 120° | 1/3 |
| 90° | 1/4 |
| 60° | 1/6 |
| 45° | 1/8 |
おうぎ形の弧の長さも同じ考え方です。
そして、おうぎ形のまわりの長さには注意が必要です。
入試や応用問題では、円と直線を組み合わせた図形がよく出ます。
解き方のコツは3つです。
③の移動が、実は強力な方法です。
複雑に見える図形も、知っている形に持ちこめば計算できます。4年生から一貫した考え方です。
3.14の計算は手間がかかります。工夫すると楽になります。
とくに工夫1は必ず身につけたい方法です。分配法則を使って、3.14のかけ算を最小限にします。
計算ミスが減るだけでなく、時間も大幅に短縮できます。
面白い性質があります。半径を2倍にすると、面積は何倍になるでしょうか。
半径が2倍で面積は4倍。3倍なら9倍です。
これは、4年生で学んだ面積の単位換算と同じ原理です。長さが2倍なら、面積は2乗の4倍になります。
この性質は、身のまわりでも役立ちます。
「2倍の大きさなら2倍の値段」と思いがちですが、面積は4倍です。この感覚を持っていると、買い物でも判断できます。
逆に、面積から半径を求める問題も出ます。
同じ数を2回かけて25になる数を探します。この考え方は、中学の平方根につながります。
面積の計算で直径を使ってしまう。
面積は半径×半径です。直径が与えられたら、まず半分にします。
どちらがどちらか分からなくなる。
円周は直径×3.14、面積は半径×半径×3.14。単位(cmとcm²)でも区別できます。
弧の長さだけ計算する。
半径2本分を足すのを忘れずに。「まわり」は一周する長さです。
Q1 円の面積の公式を言いましょう。
A 半径 × 半径 × 3.14です。円周とちがい、半径を使います。
Q2 直径10cmの円の面積は?
A 半径は5cmなので 5×5×3.14=78.5cm²です。
Q3 中心角90°のおうぎ形は、円全体の何分のいくつですか。
A 90/360 = 4分の1です。
Q4 紙の円を細かく切って並べ、長方形にしてみましょう。
A 8等分、16等分と細かくするほど長方形に近づきます。公式の意味が目で分かります。
円の面積の公式を導く活動は、ぜひ実際にやってみてください。紙の円を8等分、16等分と切って並べると、長方形に近づく様子が目で見えます。
この「細かく分けて簡単な形にする」という発想は、高校数学の積分につながる重要な考え方です。今は感覚的な理解で十分ですが、体験があると後で生きてきます。
3.14の計算は、多くの子にとって負担です。分配法則でまとめる工夫を教えてあげると、計算量が大きく減ります。
円と直線を組み合わせた図形の問題は、中学入試でも頻出です。「分ける・引く・移動させる」という3つの手を知っていると、見通しが立ちます。
身のまわりの円(皿、時計、コインなど)の面積を計算してみるのも、実感を持つのに役立ちます。