6年 算数 拡大図・縮図・面積・体積

長さが2倍なら、面積は4倍、体積は8倍 ── 拡大・縮小でふえる割合は、次元の数だけかけ算になる

正方形の1辺を2倍の長さにすると、面積は何倍になるでしょうか。「2倍」と答えたくなりますが、正しくは4倍です。拡大・縮小図の単元では「長さが□倍なら面積は□×□倍になる」と、さらっと1文だけふれられていることがあります。でもここは1文で終わらせるにはもったいない場所です。なぜ面積は2乗になるのか、体積はなぜ3乗になるのかという拡大・縮小と面積・体積の比のしくみを、地図の縮尺の問題でどう使うのかとあわせて、このページで一つずつ確かめます。

正方形で確かめる──長さの倍と面積の倍は、ちがう数

1辺3cmの正方形を考えます。面積は3×3=9cm²です。これを1辺6cm(2倍の長さ)に拡大すると、面積はどうなるでしょうか。

1辺3cmの正方形 面積=3×3=9cm² 1辺6cmの正方形 面積=6×6=36cm² 36 ÷ 9 = 4 → 長さは2倍、面積は4倍

長さは2倍にしただけなのに、面積は4倍になりました。理由は面積の求め方が「辺×辺」というかけ算だからです。辺が2倍になると、かけられる数も、かける数も、どちらも2倍になります。だから面積は2×2で4倍です。

1辺を3倍にしたらどうなるか、同じように確かめます。

1辺3cmの正方形 面積=9cm² 1辺9cmの正方形(3倍)面積=9×9=81cm² 81 ÷ 9 = 9 → 長さは3倍、面積は9倍(3×3)

長さが□倍のとき、面積は必ず□×□倍になります。この規則は正方形だけのものではありません。次の章で、形がちがっても同じことが起きるのを見ていきます。

長方形・三角形・円でも、同じ規則が使える

縦4cm・横6cmの長方形(面積24cm²)の縦と横を、どちらも2倍にしてみます。

もとの長方形 4cm × 6cm = 24cm² 2倍にした長方形 8cm × 12cm = 96cm² 96 ÷ 24 = 4 → 4倍(2×2)

三角形(底辺6cm・高さ4cm、面積12cm²)でも確かめます。底辺と高さをどちらも2倍にすると、底辺12cm・高さ8cmになります。

もとの三角形 6 × 4 ÷ 2 = 12cm² 2倍にした三角形 12 × 8 ÷ 2 = 48cm² 48 ÷ 12 = 4 → 4倍(2×2)

円でも同じです。半径5cmの円(面積78.5cm²)の半径を2倍(10cm)にすると、面積は次のようになります。

半径5cmの円 5 × 5 × 3.14 = 78.5cm² 半径10cmの円 10 × 10 × 3.14 = 314cm² 314 ÷ 78.5 = 4 → 4倍(2×2)
どの形でも同じ理由が使える

正方形は「辺×辺」、長方形は「縦×横」、三角形は「底辺×高さ÷2」、円は「半径×半径×3.14」。
どの公式も、形はちがっても「長さ×長さ」が入っているという点は同じです。長さが□倍になると、かけ算に入っている長さが2つとも□倍になるので、面積は図形の種類に関係なく□×□倍になります。

立体になると、かけ算がもう1回ふえる──体積は3乗

1辺2cmの立方体の体積は、2×2×2=8cm³です。1辺を2倍の4cmにすると、体積はどうなるでしょうか。

1辺2cmの立方体 体積=2×2×2=8cm³ 1辺4cmの立方体 体積=4×4×4=64cm³ 64 ÷ 8 = 8 → 長さは2倍、体積は8倍(2×2×2)

体積の公式は「縦×横×高さ」のように、長さが3つ分かけ算されています。縦・横・高さがどれも□倍になるので、体積は□×□×□倍になります。面積が「長さ2つ分(2乗)」、体積が「長さ3つ分(3乗)」というのは、平面の図形(2次元)と立体(3次元)という、次元の数のちがいがそのまま表れている、ということです。

1辺を3倍にした場合も確かめておきます。1辺2cmの立方体を1辺6cm(3倍)にすると、体積は2×2×2=8cm³から6×6×6=216cm³になります。216÷8=27で、27倍(3×3×3)です。長さの倍数が同じ「3倍」でも、面積なら9倍、体積なら27倍と、ふえ方がどんどん大きくなっていくのが分かります。

長さが何倍面積は何倍体積は何倍
2倍4倍(2×2)8倍(2×2×2)
3倍9倍(3×3)27倍(3×3×3)
4倍16倍(4×4)64倍(4×4×4)
5倍25倍(5×5)125倍(5×5×5)

地図の縮尺で、実際の面積を求める

この規則は、地図の問題でそのまま使えます。縮尺1:5000の地図に、2cm×3cmの長方形の土地がかかれています。実際の面積は何m²でしょうか。

まず、ふつうのやり方(長さを先にもとに戻す方法)で計算します。

実際の縦 2cm × 5000 = 10000cm = 100m 実際の横 3cm × 5000 = 15000cm = 150m 実際の面積 100m × 150m = 15000m²

次に、面積の2乗ルールを使って、もっと速く計算してみます。

地図上の面積 2cm × 3cm = 6cm² 面積の縮尺 5000 × 5000 = 25000000倍 実際の面積 6cm² × 25000000 = 150000000cm² 150000000cm² ÷ 10000 = 15000m²

どちらの方法でも、答えは同じ15000m²になりました。長さの縮尺(1:5000)をそのまま面積には使えず、5000を2回かけた数(25000000倍)を使うのがポイントです。ここが、縮図・拡大図の単元で「面積は□×□倍」と教わる内容の、実際の使い道です。

つまずきやすいところ

その1 長さが□倍なら、面積も□倍だと思ってしまう

「1辺を2倍にしたから、面積も2倍」は、よくある間違いです。
正方形で確かめたとおり、1辺3cm(面積9cm²)を2倍の6cmにすると、面積は18cm²ではなく36cm²、つまり4倍です。面積の計算には長さが2つ分(辺×辺)入っているので、長さの倍数が2回かかります。

その2 面積が□倍だから、辺も□倍だと逆に考えてしまう

「面積が4倍になったから、辺の長さも4倍」というのも、よくある逆の間違いです。
1辺4cmの正方形(面積16cm²)の面積を4倍の64cm²にしたいとき、辺の長さは4倍の16cmではありません。8×8=64なので、正しい辺の長さは8cm、つまり2倍です。面積が□倍になるとき、辺の長さは「2回かけて□になる数」の倍、という関係になります。面積が9倍なら辺は3倍(3×3=9)、面積が16倍なら辺は4倍(4×4=16)です。

その3 地図の面積で、縮尺の数字を1回しかかけない

縮尺1:5000の地図で、実際の面積を求めるときに「6cm²×5000=30000cm²」のように、5000を1回だけかけてしまう間違いがあります。
長さの縮尺をそのまま面積にあてはめることはできません。面積では、縮尺の数字を2回かける(5000×5000)必要があります。1回だけかけると、実際の面積が5000倍も小さい、まったくちがう答えになってしまいます。

やってみよう

Q1 正方形の1辺を3倍にすると、面積は何倍になりますか。

A 9倍です(3×3)。

Q2 縦2cm・横3cm・高さ4cmの直方体(体積24cm³)の、縦・横・高さをすべて2倍にすると、体積は何倍になりますか。実際に新しい体積も求めましょう。

A 新しい直方体は4cm×6cm×8cm=192cm³。192÷24=8倍(2×2×2)です。

Q3 正方形の面積が9倍になったとき、1辺の長さは何倍になりましたか。

A 3×3=9なので、3倍です。

Q4 縮尺1:5000の地図で、地図上の面積が2cm²の土地があります。実際の面積は何m²ですか。

A 面積の縮尺は5000×5000=25000000倍。2cm²×25000000=50000000cm²。10000でわって5000m²です。

Q5 円の半径を3倍にすると、円の面積は何倍になりますか。また、立方体の1辺を3倍にすると、体積は何倍になりますか。

A 円の面積は9倍(3×3)、立方体の体積は27倍(3×3×3)です。円も立方体も、公式に長さがそれぞれ2つ分・3つ分入っているので、同じ規則が使えます。

まとめ

おうちの方へ

「長さが□倍なら面積は□×□倍」という規則は、縮図・拡大図・円の面積・立体の体積など、複数の単元でそれぞれ1文ずつ出てくることが多く、どの単元の持ち物なのかが本人の中でつながりにくいところです。このページでは正方形・長方形・三角形・円・立方体・地図の縮尺を、同じ1つの規則でまとめて確かめられるようにしました。
特に効果的なのは、実際に方眼紙に1辺3cmの正方形と1辺6cmの正方形を書かせて、マス目の数を数えさせることです。「辺は2倍なのに、マスは4倍ある」のを目で見ると、2乗の意味が計算よりも先に体に入ります。立方体の積み木がある場合は、同じことを体積でも試してみてください。
「面積が4倍なら辺も4倍」という逆の間違いは、6年生だけでなく中学・高校でもくり返し出てくる、根の深い誤解です。今のうちに「2回かけて何になるか」という考え方にふれておくことには、先への意味があります。平方根という言葉を使わなくても、この記事のように「かけて9になる数」という言い方で十分に扱えます。