池や葉っぱのような、きちんとした形でないものの面積は、公式では求められません。でも、知っている形に見立てると、およその大きさが分かります。ぴったりでなくても役に立つ、見積もりの考え方を見ていきましょう。
長方形や三角形、円のように、きちんとした形なら、公式で面積を求められます。でも、身のまわりには、そうでない形もたくさんあります。
たとえば、池の水面、葉っぱ、湖、都道府県の形など、ふくざつな形の面積は、公式にあてはめて正確に求めることはできません。でも、そんなときでも、「だいたいどれくらいの広さか」が分かれば、じゅうぶん役に立つことがあります。「この池は、およそ100平方メートルくらい」と分かれば、水の量の見当をつけたり、他の池とくらべたりできます。正確な数でなくても、およその大きさをつかむこと——これを「見積もり」といいます。この単元では、ふくざつな形の、およその面積や体積を求める方法を学びます。
およその面積を求めるいちばんの方法は、その形を、知っている形(長方形や三角形)に見立てることです。
たとえば、葉っぱの形を、それにいちばん近い長方形に見立てます。はみ出す部分と、足りない部分が、だいたい同じくらいになるように、うまく長方形を当てはめるのがコツです。あとは、長方形の面積の公式(たて×横)で計算すれば、およその面積が求められます。三角形に近い形なら三角形に、円に近い形なら円に見立てます。「どの形に見立てるか」を考えるのが、このやり方のポイントです。ぴったり重ならなくても、はみ出しと足りない分がつり合えば、よい見積もりになります。
もう一つの方法は、形の上に方眼(マス目)を重ねて、マスの数を数えるやり方です。
1マスの大きさ(たとえば1平方cm)を決めて、形の上に方眼を重ねます。そして、形の中に入っているマスの数を数えます。このとき、半分以上入っているマスは1つと数え、半分より少ないマスは数えない、というルールにすると、うまくいきます。数えたマスの数に、1マスの面積をかければ、およその面積が求められます。たとえば、1平方cmのマスが35個分あれば、およそ35平方cmです。方眼で数える方法は、形がとてもふくざつなときや、見立てる形が思いつかないときに便利です。地図から、湖や県の面積を見積もるときにも、この方法が使われます。
面積だけでなく、立体の「およその体積」も、同じ考え方で求められます。
ふくざつな形の立体も、直方体や円柱、三角柱など、知っている立体に見立てれば、およその体積が求められます。たとえば、おにぎりを三角柱に、りんごを球や円柱に見立てます。あとは、その立体の体積の公式を使って計算するだけです。中身がぎっしりつまっているものなら、この見積もりは、実際の体積にかなり近くなります。ぴったりの立体でなくても、いちばん近い形に見立てて計算する——面積のときとまったく同じ考え方が、体積でも使えるのです。
見積もりには、「実際より多めに見積もる」ほうがよい場合と、「少なめに見積もる」ほうがよい場合があります。目的に合わせて選ぶことも、見積もりの大切な考え方です。
たとえば、花だんにまく土や、部屋にしくシートを買うときは、少し多めに見積もっておくと、足りなくなってこまることがありません。反対に、入れものに入る量を考えるときなどは、少なめに見積もっておくと、あふれる失敗をふせげます。同じ「見積もる」でも、「足りないとこまるのか」「多すぎるとこまるのか」を考えて、多め・少なめを選ぶのです。ただ数を出すだけでなく、「何のための見積もりか」を考えると、より役に立つ答えが出せます。これは、算数の力が、実際の判断につながる、よい例です。見積もった数を、実際の場面でどう生かすかまで考えられると、算数がぐっとおもしろくなります。
「およその大きさをつかむ」見積もりの力は、日常のいろいろな場面で役立ちます。
たとえば、部屋にしくカーペットの広さ、花だんにまく土の量、水そうに入る水のかさなど、身のまわりには「だいたいどれくらい?」を知りたい場面がたくさんあります。こういうとき、正確に測らなくても、知っている形に見立てて見積もれば、必要な量の見当がつけられます。買い物のときに、「これくらいの大きさなら足りそう」と判断できるのも、見積もりの力です。算数の見積もりは、テストのためだけのものではなく、生活の中で役立つ、実用的な考える力です。ふだんから「これは、だいたいどれくらいかな」と考えるくせをつけると、この力がぐんぐん育ちます。
見積もりは、ぴったりでなくてかまいません。
はみ出しと足りない分がつり合えば、よい見立てです。
半分以上入っているマスは1つと数えます。
半分より少ないマスは、数えません。
数えたマスの数に、1マスの面積をかけます。
マスの数だけでは、面積になりません。
Q1 ふくざつな形の面積は、何に見立てて求める?
A 長方形や三角形など、知っている形
Q2 たて8cm・横5cmの長方形に見立てたときの、およその面積は?
A 40平方cm(8×5)
Q3 方眼で数えるとき、半分以上入っているマスはどう数える?
A 1つと数える
Q4 底面積20平方cm・高さ5cmの立体に見立てたときの、およその体積は?
A 100立方cm(20×5)
「およその面積と体積」は、公式にあてはめる正確な計算とはちがい、「だいたいの大きさをつかむ」という、実生活で役立つ見積もりの力を育てる単元です。ポイントは、①ふくざつな形を、知っている形(長方形・三角形・円など)に見立てること、②ぴったりでなくてよい、と割り切ることの2つです。ご家庭では、葉っぱや食器、部屋の広さなど、身近なものの面積や体積を「だいたいどれくらい?」と見積もってみる遊びがおすすめです。実際に測ってみて、見積もりとどれくらい近かったかを確かめると、見立てる力が磨かれます。見積もりは、正確さより「見当をつける」ことに意味があるので、答えのずれを気にしすぎないことも大切です。「面積(5年)」「円の面積(6年)」の記事とあわせて読むと、正確な計算と見積もりの、両方の力が身につきます。買い物や工作など、実生活で「足りないとこまる/多すぎるとこまる」を考えて、多めか少なめかを選ぶ経験も、見積もりの感覚を育てる良い機会になります。