6年 理科 水よう液の性質

水よう液の性質 ── 色で分かる、3つのなかま分け

見た目は同じ透明な液体。でも性質はまったくちがうのです。

3つのなかま

水よう液は、性質によって3つに分けられます。

酸性 ・すっぱい味のものが多い ・金属をとかすものがある ・青いリトマス紙を赤にする 中性 ・どちらの性質も示さない ・リトマス紙の色が変わらない アルカリ性 ・苦い味、ぬるぬるすることも ・タンパク質をとかす ・赤いリトマス紙を青にする

身のまわりの例を見てみましょう。

性質
酸性塩酸、炭酸水、酢、レモン汁、胃液
中性食塩水、砂糖水、水道水
アルカリ性石灰水、アンモニア水、重そう水、石けん水

意外なのは、胃液が酸性だということです。食べ物を分解し、細菌を殺す働きがあります。

そして、味で確かめてはいけません。実験で使う薬品は危険なものが多いからです。

リトマス紙の使い方

性質を調べるいちばん基本の道具がリトマス紙です。

色の変化 酸性 青いリトマス紙 → 赤くなる 赤いリトマス紙 → 変わらない 中性 どちらも変わらない アルカリ性 赤いリトマス紙 → 青くなる 青いリトマス紙 → 変わらない

覚え方のコツがあります。

「酸性は青を赤に」 酸 → 赤 (さんせい・あか) → これだけ覚えれば 残りは推測できる

使い方にも注意点があります。

正しい使い方 ・手で直接さわらない (ピンセットを使う) → 手の成分がつくと 正しく調べられない ・ガラス棒で液をつける → 容器に直接つけない → 液が汚れる ・ガラス棒は毎回洗う → 前の液が混ざらないように

混ざらないようにするのが基本です。1つ調べるたびに、道具を洗います。

他の指示薬もあります。

指示薬酸性中性アルカリ性
リトマス紙青→赤変化なし赤→青
BTB液黄色緑色青色
ムラサキキャベツ液赤〜ピンクむらさき緑〜黄

ムラサキキャベツ液は家庭でも作れます。色の変化が美しく、実験として楽しめます。

気体がとけた水よう液

水よう液には、気体がとけているものがあります。

気体がとけた水よう液 炭酸水 … 二酸化炭素 塩酸 … 塩化水素 アンモニア水 … アンモニア

これらには、共通の特徴があります。

特徴 ・においがあるものが多い ・熱するとあとに何も残らない (気体が逃げるから) → 固体がとけた水よう液とちがう

これを確かめる実験があります。

蒸発させる実験 【食塩水】 熱する → 白い固体が残る → 食塩がとけていた 【炭酸水】 熱する → 何も残らない → 気体がとけていた 【石灰水】 熱する → 白い固体が残る → 固体がとけていた

残るか残らないかで、とけているものの正体が推測できます。

炭酸水を調べると、面白いことが分かります。

炭酸水の実験 ① あわを集める ② 石灰水に通す → 白くにごる → 二酸化炭素だと分かる ③ 炭酸水にリトマス紙 → 青が赤に → 酸性だと分かる

つまり、二酸化炭素がとけると酸性になるのです。

これは、環境問題ともつながります。空気中の二酸化炭素が増えると、海に溶けて海が少しずつ酸性に近づきます。海洋酸性化という問題です。

金属をとかす水よう液

酸性の水よう液には、金属をとかすものがあります。

塩酸にアルミニウムを入れる → あわが出る(水素) → だんだん小さくなる → やがて見えなくなる → とけた

ここで重要な確認があります。とけた金属はどうなったのでしょうか。

とけた液を蒸発させると 白い粉が残る ↓ これはアルミニウム? 調べてみると… ・見た目がちがう(白い) ・電気を通さない ・塩酸に入れてもあわが出ない → もとのアルミニウムとは 別のものになっている!

これが、この単元の最も重要な発見です。

水にとける と 薬品でとける 【食塩を水にとかす】 → 蒸発させると食塩がもどる → 性質は変わっていない → 「とけた」だけ 【アルミを塩酸にとかす】 → 蒸発させても アルミにはもどらない → 別のものに変わった → 「化学変化」

5年生で学んだ「もののとけ方」とはちがう現象なのです。

中学では、この区別を「物理変化」と「化学変化」として学びます。

薬品の扱いは慎重に

塩酸などの薬品は、危険です。
・皮ふにつくとやけどのようになる
・目に入ると失明の危険
・蒸気を吸うと害がある

実験のときは必ず
・保護めがねをつける
・換気する
・薄めたものを使う
・先生の指示に従う
・ついたらすぐ大量の水で洗う

そして、薬品を混ぜてはいけません。有害な気体が発生することがあります。家庭用洗剤の「混ぜるな危険」も同じ理由です。

身のまわりの酸性・アルカリ性

この知識は、生活のあちこちで使えます。

場面性質理由
トイレ用洗剤酸性尿石(アルカリ性の汚れ)を落とす
油汚れ用洗剤アルカリ性油を分解する
重そうアルカリ性油汚れ、こげつきに
クエン酸酸性水あか、石けんかすに
虫さされ薬場合による虫の毒の性質に合わせる

反対の性質のもので中和するのが基本です。

中和のしくみ 酸性 + アルカリ性 → たがいの性質を打ち消す → 中性に近づく → 汚れが落ちる → 刺激がやわらぐ

ただし、混ぜてはいけない組み合わせもあります。

危険な組み合わせ 塩素系漂白剤 + 酸性洗剤 → 有毒な塩素ガスが発生 → 「混ぜるな危険」の表示 必ず表示を確認する

また、土の性質も農業では重要です。

土の酸性度 日本は雨が多い → 土が酸性に傾きやすい 多くの作物は 中性〜弱酸性を好む ↓ 石灰(アルカリ性)をまいて 調整する

アジサイの花の色が場所によってちがうのも、土の性質によるものです。酸性なら青、アルカリ性なら赤になります。

つまずきやすいところ

その1 リトマス紙の色を逆に覚える

どちらがどちらか分からなくなる。
「酸性は青を赤に」だけ覚えれば、残りは推測できます。

その2 「とける」を全部同じだと思う

食塩が水にとけるのと同じだと考える。
金属が塩酸にとけるのは別のものに変わる現象です。もどりません。

その3 気体がとけた水よう液の見分け

蒸発させて何も残らない理由が分からない。
とけていたのが気体なので、逃げてしまうからです。

やってみよう

Q1 酸性の水よう液は、リトマス紙をどう変えますか。

A 青いリトマス紙を赤に変えます。赤いほうは変わりません。

Q2 炭酸水にとけているものは何ですか。

A 二酸化炭素です。石灰水に通すと白くにごることで確かめられます。

Q3 塩酸にとけたアルミニウムは、もとにもどりますか。

A もどりません。別のものに変わっています。食塩水とはちがう現象です。

Q4 ムラサキキャベツ液を作って、身近な液体を調べてみましょう。

A 酢、石けん水、レモン汁など。色の変化が美しく、性質がひと目で分かります。

Q5 油汚れにはどんな性質の洗剤が向いていますか。

A アルカリ性です。重そうも同じ性質で、こげつきや油汚れに使えます。逆に、水あかには酸性のクエン酸が効きます。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、中学化学への入り口です。「とける」という現象に2種類あることを知るのは、大きな一歩です。
ムラサキキャベツ液を使った実験は、家庭でも安全にできます。キャベツを刻んで煮出すだけで作れ、身近な液体の性質が色で分かります。
「混ぜるな危険」の表示についても、この機会に話しておく価値があります。理由が分かると、注意を守る意味が理解できます。
掃除の場面でも応用できます。「油汚れにはアルカリ性の重そう」「水あかには酸性のクエン酸」。理科の知識が生活に生きる好例です。
薬品の実験は学校で行いますが、危険性についてはご家庭でも確認しておいてください。