6年 理科 大地のつくりと変化

大地のつくりと変化 ── 地層は、大地が書いた日記

しま模様の崖には、何万年もの記録が刻まれています。

地層のでき方

がけや工事現場で、しま模様を見たことがあるでしょうか。あれが地層です。

地層ができるしくみ 川が土砂を運ぶ ↓ 海や湖にたまる(たい積) ↓ 上に新しい層が重なる ↓ 下の層が押し固められる ↓ 長い年月で地層になる

5年生で学んだ流れる水のはたらきが、そのまま地層を作っています。

そして、しま模様になるのには理由があります。

なぜしま模様か つぶの大きさで分かれるから 重いつぶ(れき)→ 早く沈む → 岸近く 軽いつぶ(どろ)→ ゆっくり沈む → 沖合 → 層ごとにちがう材料がたまる → 色や質感がちがう → しま模様に見える

層の材料には、名前がついています。

名前つぶの大きさできる岩石
れき2mm以上れき岩
0.06〜2mm砂岩
どろ0.06mm以下でい岩

これらの岩石をたい積岩といいます。

そして、地層には重要な原則があります。

地層累重の法則 下の層ほど古い 上の層ほど新しい (地層が逆転していない場合) → 地層を読めば 歴史の順序が分かる

化石が語ること

地層の中から、化石が見つかることがあります。

化石とは 大昔の生き物の体や 生活のあとが 地層の中に残ったもの ・骨、貝がら、葉 ・足あと、巣穴、ふん

化石からは、当時の環境が分かります。

示相化石(環境が分かる化石) サンゴ … あたたかく浅い海 シジミ … 河口や湖(淡水と海水が混じる) ブナ … 少しすずしい気候 → その層ができたときの 環境が推測できる

山の上で貝の化石が見つかることがあります。これはそこが昔は海だった証拠です。

もう一つ、時代が分かる化石もあります。

示準化石(時代が分かる化石) アンモナイト … 中生代 三葉虫 … 古生代 ナウマンゾウ … 新生代 条件 ・広い範囲にすんでいた ・短い期間だけ栄えた → 地層の年代を決められる

短い期間だけ栄えたことが重要です。長く生きていた生物では、年代を絞れません。

離れた場所の地層でも、同じ化石が出れば同じ時代だと分かります。地層をつなげて考えられるのです。

火山がつくる大地

地層は水のはたらきだけでできるのではありません。火山も大地を作ります。

火山による地層 火山灰が降り積もる ↓ 層になる 特徴 ・つぶが角ばっている ・ガラスのようなつぶがある ・白っぽいことが多い

川が運んだつぶと、火山灰では形がちがいます

川が運んだつぶ火山灰
丸い角ばっている
理由流されて角がけずれた吹き飛ばされただけ
そのほか色はさまざまガラス質のつぶを含む

つぶの形を見れば、どちらか判断できます。

火山活動でできる岩石もあります。

火成岩 マグマが冷えて固まった岩石 【地下でゆっくり冷える】 → つぶが大きい(花こう岩など) 【地表で急に冷える】 → つぶが小さい(安山岩など)

冷える速さでつぶの大きさが変わるのです。

そして、火山は災害をもたらす一方、めぐみもあります。

火山のめぐみ ・温泉 ・地熱発電 ・美しい景観(観光) ・肥えた土(火山灰土) ・鉱物資源

日本に温泉が多いのは、火山が多いからです。危険と恵みは表裏一体なのです。

地震のしくみ

日本は地震の多い国です。なぜでしょうか。

プレートの動き 地球の表面は 何枚もの岩の板(プレート)でできている ↓ それぞれがゆっくり動いている ↓ ぶつかる場所でひずみがたまる ↓ 限界でずれる = 地震

日本は4つのプレートが集まる場所にあります。世界でも珍しい位置です。

日本の位置 ・北アメリカプレート ・ユーラシアプレート ・太平洋プレート ・フィリピン海プレート → 4枚がぶつかり合う → 地震・火山が多い

地震には、2種類あります。

種類場所特徴
海溝型プレートの境界(海底)規模が大きい、津波を伴う
内陸型陸地の断層浅いので被害が集中

地震が起きると、大地が変化します。

地震による変化 ・断層ができる(土地がずれる) ・土地が隆起・沈降する ・がけくずれ ・液状化(地面が柔らかくなる) ・津波

そして、これが長い時間をかけて地形を作ります

山ができるしくみ プレートが押し合う ↓ 地層が押し曲げられる(しゅう曲) ↓ 持ち上がる(隆起) ↓ 長い年月で山になる → だから山の上で 貝の化石が見つかる

エベレストの頂上付近でも、海の生物の化石が見つかっています。かつて海底だった場所が、8000m以上まで持ち上がったのです。

災害への備え

大地の変化を知ることは、身を守ることにつながります。

地震への備え ・家具を固定する ・非常用品を用意する ・避難場所を決めておく ・家族の連絡方法を決める ・ハザードマップを確認
地震が起きたら ① まず身を守る (机の下、頭を守る) ② ゆれがおさまってから行動 ③ 火の元を確認 ④ 出口を確保 ⑤ 正しい情報を得る ⑥ 海岸なら すぐ高台へ

とくに津波は、時間との勝負です。

津波の特徴 ・波の高さより「押す力」が危険 ・50cmでも立っていられない ・第一波より後の波が大きいことも ・川をさかのぼる ・引き波にも注意 → 「揺れたら高台へ」 → 警報を待たない

4年生の社会「自然災害にそなえる」で学んだ内容が、理科の知識で裏づけられます

地層を観察する

地層は、身近な場所でも見られます。
・道路を切り開いた斜面
・川岸のがけ
・工事現場
・海岸の崖

観察するときは
・層の数と厚さ
・色のちがい
・つぶの大きさと形
・化石があるか

ただし、がけに近づくのは危険です。落石やくずれの恐れがあります。必ず大人と一緒に、安全な場所から観察してください。
博物館の展示や、ボーリング試料の写真でも学べます。

時間のスケール

大地の変化は、とてつもなく長い時間で起こります。

時間の目安 地層1cm … 数十〜数百年 地層1m … 数千〜数万年 山ができる … 数百万年 大陸が動く … 数億年 地球の年齢 … 約46億年 人類の歴史 … 約20万年

地球の46億年を1年に例えると、人類が現れるのは12月31日の午後11時半すぎです。

それでも、今も大地は動き続けています

現在も進行中 ・プレートは年に数cm動く ・富士山は今も火山 ・日本列島も少しずつ変形 ・川は今日も土砂を運んでいる → 変化は止まっていない

わたしたちが見ている風景は、長い変化の途中の一瞬にすぎません。

この視点を持てると、自然への見方が変わります。地球は生きているのです。

つまずきやすいところ

その1 地層の上下を取りちがえる

上が古いと考える。
下が古く、上が新しいのが原則です。下から順に積もるからです。

その2 つぶの形の意味が分からない

丸いか角ばっているかを見落とす。
丸いのは水に流された証拠、角ばっているのは火山灰の特徴です。

その3 化石を「珍しいもの」だと思う

恐竜の骨だけが化石だと考える。
貝、葉、足あとも化石です。当時の環境や時代を教えてくれる貴重な情報です。

やってみよう

Q1 地層で古いのは上と下、どちらですか。

A 下が古いです。下から順に積もっていくためです。

Q2 川が運んだつぶと火山灰は、どう見分けますか。

A つぶの形です。丸ければ水に流されたもの、角ばっていれば火山灰です。

Q3 山の上で貝の化石が見つかるのはなぜですか。

A そこが昔は海だったからです。地層が押し上げられて山になりました。

Q4 自分の住む地域の地形の成り立ちを調べてみましょう。

A 郷土資料館や自治体のホームページに情報があります。ハザードマップと合わせて見ると理解が深まります。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、時間のスケールの大きさを実感できる内容です。同時に、防災教育としても重要です。
地層の観察は、旅行やドライブの機会に自然にできます。「あのしま模様、何万年分だろうね」という会話が、時間感覚を育てます。ただし、がけに近づくのは危険なので、離れた場所から見てください。
博物館の化石展示もおすすめです。実物を見ると印象がまったくちがいます。
地震への備えは、この学習をきっかけに家庭で見直す好機です。家具の固定、非常用品、避難場所の確認。理科の知識があると、なぜ必要かが理解できます。
「地球は今も動いている」という視点は、自然への畏敬の念を育てます。人間の一生は、地球の歴史の中では一瞬なのだと知る経験になります。