4年生では骨と筋肉を学びました。今度は体の内側です。
生きるために、体は何を必要としているでしょうか。
この取り入れて、運んで、使って、出すという流れが、体のしくみです。
前の単元「ものの燃え方」を思い出してください。酸素と養分から、エネルギーを取り出すという点で、燃焼と同じです。
食べ物は、そのままでは体に取りこめません。細かく分解する必要があります。
それぞれの場所で、はたらきがちがいます。
| 場所 | はたらき |
|---|---|
| 口 | かみくだく/だ液でデンプンを分解 |
| 食道 | 胃へ運ぶ(波の動きで) |
| 胃 | 胃液でタンパク質を分解/殺菌 |
| 小腸 | さらに分解/養分を吸収 |
| 大腸 | 水分を吸収/便を作る |
いちばん重要なのが小腸です。
広げるとテニスコート半分ほどの面積になると言われます。小さな体の中に、それだけの吸収面があるのです。
そして、消化を助ける消化液があります。
だ液のはたらきは、実験で確かめられます。
40℃で温めるのは、体温に近づけるためです。消化液は体温くらいでよく働きます。
酸素を取り入れ、二酸化炭素を出すのが呼吸です。
肺胞は、小さなふくろです。
体の中には、「表面積を大きくする」工夫が繰り返し現れます。効率よく物質をやりとりするためです。
吸う空気と吐く空気を比べてみましょう。
| 気体 | 吸う空気 | はく空気 |
|---|---|---|
| ちっ素 | 約78% | 約78% |
| 酸素 | 約21% | 約17% |
| 二酸化炭素 | 約0.04% | 約4% |
注目すべき点があります。
燃焼のときと同じです。酸素は一部だけ使われます。
だから、人工呼吸が有効なのです。はいた息にも17%の酸素が残っているので、相手に届けられます。
取り入れた養分と酸素は、血液が全身へ運びます。
血液の流れには、2つの道すじがあります。
血管にも種類があります。
| 血管 | 流れ | 特徴 |
|---|---|---|
| 動脈 | 心臓から出る | 厚くて丈夫、脈打つ |
| 静脈 | 心臓へもどる | 薄い、弁がある |
| 毛細血管 | 全身に網目状 | 非常に細い、物質交換 |
静脈に弁があるのは、血液が逆流しないためです。とくに足からは、重力に逆らって上る必要があります。
そして、毛細血管で実際のやりとりが行われます。
脈拍は、手首や首で測れます。心臓の動きが、血管を通して伝わってくるのです。
消化・呼吸・循環以外にも、重要な臓器があります。
| 臓器 | 主なはたらき |
|---|---|
| 肝臓 | 養分をたくわえる/解毒/たん汁を作る |
| じん臓 | 血液をこして尿を作る |
| ぼうこう | 尿をためる |
| すい臓 | 消化液を作る |
| ひ臓 | 古い血液を分解 |
肝臓は、体の中で最も大きな臓器です。
じん臓は、血液をきれいにする役目です。
すべての臓器が、血液でつながっています。
臓器を1つずつ覚えるのではなく、流れとしてとらえると理解しやすくなります。
食べ物 → 消化 → 小腸で吸収 → 血液 → 肝臓 → 全身
空気 → 肺 → 血液 → 全身
不要物 → 血液 → じん臓 → 尿
すべて血液が運び役をしています。
血液の流れを軸に整理すると、ばらばらの知識がつながります。
他の動物の体も、基本は同じです。
| 動物 | 呼吸のしかた | 特徴 |
|---|---|---|
| ほ乳類 | 肺 | 人と同じ |
| 鳥類 | 肺+気のう | 効率がよい(飛ぶため) |
| 魚類 | えら | 水中の酸素を取る |
| 両生類 | えら→肺+皮ふ | 成長で変わる |
| こん虫 | 気門 | 体の側面から直接 |
方法はちがっても、酸素を取り入れて二酸化炭素を出す点は同じです。
消化も同様です。動物によって食べるものがちがうので、消化管の長さがちがいます。
食べるものに合わせて体ができているのです。
ウシなどは胃が4つあり、一度飲みこんだ草を口にもどしてかみ直します。草から養分を得るための、特別な工夫です。
名前と位置だけ暗記する。
血液の流れを軸に整理すると、つながりが見えます。
どちらが養分を吸収するか迷う。
小腸が養分、大腸が水分を吸収します。小腸が消化の中心です。
全部二酸化炭素になると考える。
はく息にも約17%の酸素があります。だから人工呼吸が有効なのです。
Q1 養分を吸収するのはどこですか。
A 小腸です。柔毛で表面積を大きくして効率よく吸収します。
Q2 だ液は何を分解しますか。
A デンプンです。ヨウ素液を使った実験で確かめられます。
Q3 肺胞や柔毛に共通する工夫は?
A 表面積を大きくすることです。せまい空間で多くの吸収や交換をこなす工夫といえます。
Q4 自分の脈拍を1分間測ってみましょう。
A 手首や首で測れます。運動の前後で比べると、変化が分かります。
この単元は、覚える内容が多く感じられます。しかし、血液の流れを軸に整理すると、一つのシステムとして理解できます。
「食べたものはどこへ行く?」「吸った空気はどうなる?」という問いから入ると、流れとしてとらえやすくなります。
だ液の実験は家庭でもできます。ご飯と水、ご飯とだ液を用意し、ヨウ素液(うがい薬でも代用可)を垂らす。色のちがいがはっきり出ます。
脈拍を測る活動もおすすめです。安静時と運動後で比べると、体が酸素を求めていることが実感できます。
動物との比較は、興味を広げるよい題材です。「なぜ草食動物の腸は長いのか」を考えると、体のつくりと生活の関係が見えてきます。