6年間で学んだ理科が、ここで一つにつながります。
生き物どうしは、食べる・食べられるという関係でつながっています。
この鎖を食物連鎖といいます。
ただし、実際はもっと複雑です。
単純な鎖ではなく、網になっているのです。
そして、食物連鎖の出発点は必ず植物です。
分解者を忘れないことが大切です。
もし分解者がいなかったら、どうなるでしょうか。
分解者は、物質を土にもどす役割をしています。
森の落ち葉が積もりすぎないのは、分解者が働いているからです。
これで循環が完成します。
そして、分解者も呼吸しています。分解のとき、二酸化炭素を出しているのです。
酸素と二酸化炭素は、地球をめぐっています。
ぐるぐる回っているので、なくなりません。
この関係を、6年生の各単元と結びつけてみましょう。
| 単元 | 気体との関わり |
|---|---|
| ものの燃え方 | 酸素を使い、二酸化炭素を出す |
| 人と動物の体 | 呼吸で酸素を使い、二酸化炭素を出す |
| 植物の体 | 光合成で二酸化炭素を使い、酸素を出す |
| 生物と環境 | 全体の循環をとらえる |
6年理科は、気体の循環という一つの物語だったのです。
水も、地球をめぐっています。
4年生の「水のすがた」で学んだ内容です。
そして、生き物も水の循環に関わっています。
森林は、水の循環を安定させる役割も果たしています。
4年生の社会「水はどこから」でも学んだ内容です。教科をまたいでつながっています。
自然のつり合いは、簡単に崩れます。
とくに外来種の問題は深刻です。
1つの種がいなくなると、連鎖的に影響が広がります。
だから、ペットを野外に放してはいけないのです。「かわいそうだから逃がす」が、大きな問題を引き起こします。
飼えなくなったからと、野外に放すのは絶対にいけません。
・生態系を壊す
・その生き物自身も生きられないことが多い
・法律で禁止されている種もある
飼う前に、最後まで面倒を見られるかを考えることが必要です。
飼えなくなったら、引き取り手を探す、専門機関に相談する。
学校で飼育した生き物も同じです。観察が終わったらどうするかを、始める前に決めておきましょう。
今、地球規模の問題が起きています。
| 問題 | 原因 | 影響 |
|---|---|---|
| 地球温暖化 | 二酸化炭素の増加 | 気温上昇、海面上昇、異常気象 |
| 森林減少 | 伐採、開発、火災 | 二酸化炭素増加、生物減少 |
| 海洋汚染 | プラスチック、排水 | 生き物への被害 |
| 生物多様性の減少 | 環境破壊、乱獲 | 生態系の不安定化 |
とくに地球温暖化は、この単元と直結します。
燃焼で二酸化炭素が出ることは、この単元の最初で学びました。それが地球規模の問題につながっているのです。
解決に向けた取り組みも進んでいます。
そして、わたしたちにもできることがあります。
一人の行動は小さくても、多くの人が集まれば大きな力になります。
6年間の理科を振り返ってみましょう。
そして、身についたのは知識だけではありません。
これらは科学的な考え方です。理科の実験だけでなく、あらゆる場面で使えます。
そして、自然への敬意も理科が育てるものです。
すべてがつながり、めぐっている。その中に自分もいる。この感覚を持てたなら、6年間の理科は成功です。
生産者と消費者だけ考える。
分解者がいないと循環が完成しません。土にもどす役割が不可欠です。
一直線につながっていると考える。
実際は網の目です。1つの生き物が複数のものを食べます。
大きすぎて自分に関係ないと感じる。
身近な行動が積み重なって影響します。できることから始める視点が大切です。
Q1 食物連鎖の出発点は必ず何ですか。
A 植物です。光合成で養分を作る生産者が起点になります。
Q2 分解者の役割は何ですか。
A 死がいやふんを分解し、物質を土にもどすことです。
Q3 なぜペットを野外に放してはいけないのですか。
A 生態系を壊すからです。外来種として増えすぎ、もとの生き物を追いやります。
Q4 身近な場所の食物連鎖を1つ書いてみましょう。
A 庭や公園でも見つかります。植物から始めて、順につないでみてください。
この単元は、6年間の理科の集大成です。個々の知識が、地球規模のつながりとして統合されます。
環境問題は、大きすぎて実感しにくいテーマです。しかし、身近な行動とつながっていることを伝えると、自分ごとになります。
「電気を消す」「水を止める」といった行動の意味を、この学習と結びつけて話してみてください。理由が分かると、行動が続きます。
外来種やペットの問題も、家庭で話し合う価値があります。「飼うということは、最後まで責任を持つこと」というメッセージは、生き物を飼う前に必ず伝えたい内容です。
そして、この単元で身につく「すべてはつながっている」という感覚は、環境だけでなく人間関係や社会の見方にも生きてきます。