6年 理科 生物と環境

生物と環境 ── すべてはつながり、めぐっている

6年間で学んだ理科が、ここで一つにつながります

食べる・食べられるの関係

生き物どうしは、食べる・食べられるという関係でつながっています。

食物連鎖の例 【陸】 植物 → バッタ → カエル → ヘビ → ワシ 【水中】 植物プランクトン → 動物プランクトン → 小魚 → 大きな魚 → 鳥

この鎖を食物連鎖といいます。

ただし、実際はもっと複雑です。

実際の関係 1つの生き物が いくつものものを食べる ↓ 1つの生き物が いくつものものに食べられる ↓ 網の目のようになる → 食物網(しょくもつもう)

単純な鎖ではなく、になっているのです。

そして、食物連鎖の出発点は必ず植物です。

3つの役割 生産者 … 自分で養分を作る → 植物 消費者 … 他の生き物を食べる → 動物 分解者 … 死がいやふんを分解する → 菌類、細菌、ミミズなど

分解者を忘れないことが大切です。

分解者のはたらき

もし分解者がいなかったら、どうなるでしょうか。

分解者がいないと 落ち葉が積もり続ける 死んだ生き物が残り続ける ↓ 地面が死がいだらけに ↓ 養分が土にもどらない ↓ 植物が育たなくなる ↓ すべての生き物が困る

分解者は、物質を土にもどす役割をしています。

分解者の例 ・キノコ、カビ(菌類) ・細菌(バクテリア) ・ミミズ、ダンゴムシ ・トビムシ、ダニ → 目立たないが不可欠

森の落ち葉が積もりすぎないのは、分解者が働いているからです。

分解の流れ 落ち葉・死がい ↓ 小さな動物が食べる 細かくなる ↓ 菌類・細菌が分解 無機物(水、二酸化炭素、養分) ↓ 土にもどる ↓ 植物が吸収

これで循環が完成します。

そして、分解者も呼吸しています。分解のとき、二酸化炭素を出しているのです。

気体の循環

酸素と二酸化炭素は、地球をめぐっています

酸素の流れ 植物が光合成で出す ↓ 動物・植物が呼吸で使う ↓ 二酸化炭素になる ↓ 植物が光合成で使う ↓ また酸素になる

ぐるぐる回っているので、なくなりません

この関係を、6年生の各単元と結びつけてみましょう。

単元気体との関わり
ものの燃え方酸素を使い、二酸化炭素を出す
人と動物の体呼吸で酸素を使い、二酸化炭素を出す
植物の体光合成で二酸化炭素を使い、酸素を出す
生物と環境全体の循環をとらえる

6年理科は、気体の循環という一つの物語だったのです。

水の循環

水も、地球をめぐっています。

水の循環 海・川・湖から蒸発 ↓ 上空で冷えて雲になる ↓ 雨や雪として降る ↓ 川になり、地下水になる ↓ 海へもどる

4年生の「水のすがた」で学んだ内容です。

そして、生き物も水の循環に関わっています

生き物と水 植物:根から吸い、蒸散で出す 動物:飲んで、汗や尿で出す → 生き物の体を通っても 水はめぐっている

森林は、水の循環を安定させる役割も果たしています。

森の水を保つ力 雨が降る ↓ 落ち葉と土が吸収 ↓ 少しずつ川へ流す → 洪水を防ぐ → 日でりでも川がかれない → 「緑のダム」

4年生の社会「水はどこから」でも学んだ内容です。教科をまたいでつながっています

つり合いが崩れるとき

自然のつり合いは、簡単に崩れます

つり合いが崩れる原因 ・森林の伐採 ・水や空気の汚染 ・外来種の侵入 ・とりすぎ(乱獲) ・気候の変化 ・埋め立て、開発

とくに外来種の問題は深刻です。

外来種の問題 もともといなかった生き物が 持ちこまれる ↓ 天敵がいない ↓ 増えすぎる ↓ もとからいた生き物を 食べつくす、住処を奪う ↓ 生態系が変わってしまう

1つの種がいなくなると、連鎖的に影響が広がります。

連鎖の例 ある虫がいなくなる ↓ その虫を食べていた鳥が減る ↓ その虫が受粉させていた植物が減る ↓ その植物を食べる動物が減る → 一部の変化が全体に及ぶ

だから、ペットを野外に放してはいけないのです。「かわいそうだから逃がす」が、大きな問題を引き起こします。

生き物を飼う責任

飼えなくなったからと、野外に放すのは絶対にいけません
・生態系を壊す
・その生き物自身も生きられないことが多い
・法律で禁止されている種もある

飼う前に、最後まで面倒を見られるかを考えることが必要です。
飼えなくなったら、引き取り手を探す、専門機関に相談する。
学校で飼育した生き物も同じです。観察が終わったらどうするかを、始める前に決めておきましょう。

地球環境の問題

今、地球規模の問題が起きています。

問題原因影響
地球温暖化二酸化炭素の増加気温上昇、海面上昇、異常気象
森林減少伐採、開発、火災二酸化炭素増加、生物減少
海洋汚染プラスチック、排水生き物への被害
生物多様性の減少環境破壊、乱獲生態系の不安定化

とくに地球温暖化は、この単元と直結します。

なぜ二酸化炭素が増えるのか ・化石燃料を燃やす (石油、石炭、天然ガス) ・森林が減る (吸収する側が減る) → 出る量 > 吸収する量 → バランスが崩れる

燃焼で二酸化炭素が出ることは、この単元の最初で学びました。それが地球規模の問題につながっているのです。

解決に向けた取り組みも進んでいます。

対策 ・再生可能エネルギー (太陽光、風力、水力) ・省エネルギー ・植林、森林の保護 ・リサイクル ・プラスチックを減らす

そして、わたしたちにもできることがあります。

身近な行動 ・電気をこまめに消す ・水を大切に使う ・ごみを減らす、分別する ・食べ物を無駄にしない ・近い所は歩く、自転車で ・地元のものを買う

一人の行動は小さくても、多くの人が集まれば大きな力になります。

理科を学ぶ意味

6年間の理科を振り返ってみましょう。

学んできたこと 3年 … 身近な自然を観察する 4年 … 変化のしくみを調べる 5年 … 条件を制御して実験する 6年 … 全体のつながりをとらえる → だんだん視野が広がった

そして、身についたのは知識だけではありません。

理科で身についた力 ・観察する力 ・予想を立てる力 ・条件を制御する力 ・結果から考える力 ・根拠を持って判断する力

これらは科学的な考え方です。理科の実験だけでなく、あらゆる場面で使えます。

日常での応用 「この方法が効いた」 → 本当に? 他の要因は? 「みんなが言っている」 → 根拠はある? 確かめた? → 条件制御の考え方が 判断を助ける

そして、自然への敬意も理科が育てるものです。

すべてがつながり、めぐっている。その中に自分もいる。この感覚を持てたなら、6年間の理科は成功です。

つまずきやすいところ

その1 分解者を忘れる

生産者と消費者だけ考える。
分解者がいないと循環が完成しません。土にもどす役割が不可欠です。

その2 食物連鎖を単純な鎖だと思う

一直線につながっていると考える。
実際は網の目です。1つの生き物が複数のものを食べます。

その3 環境問題を他人事だと思う

大きすぎて自分に関係ないと感じる。
身近な行動が積み重なって影響します。できることから始める視点が大切です。

やってみよう

Q1 食物連鎖の出発点は必ず何ですか。

A 植物です。光合成で養分を作る生産者が起点になります。

Q2 分解者の役割は何ですか。

A 死がいやふんを分解し、物質を土にもどすことです。

Q3 なぜペットを野外に放してはいけないのですか。

A 生態系を壊すからです。外来種として増えすぎ、もとの生き物を追いやります。

Q4 身近な場所の食物連鎖を1つ書いてみましょう。

A 庭や公園でも見つかります。植物から始めて、順につないでみてください。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、6年間の理科の集大成です。個々の知識が、地球規模のつながりとして統合されます。
環境問題は、大きすぎて実感しにくいテーマです。しかし、身近な行動とつながっていることを伝えると、自分ごとになります。
「電気を消す」「水を止める」といった行動の意味を、この学習と結びつけて話してみてください。理由が分かると、行動が続きます。
外来種やペットの問題も、家庭で話し合う価値があります。「飼うということは、最後まで責任を持つこと」というメッセージは、生き物を飼う前に必ず伝えたい内容です。
そして、この単元で身につく「すべてはつながっている」という感覚は、環境だけでなく人間関係や社会の見方にも生きてきます。