問題を指摘するだけなら誰でもできます。解決策まで示すのが提案です。
4年生・5年生で意見文を学びました。提案文は、そこから一歩進んだものです。
| 意見文 | 提案文 | |
|---|---|---|
| 目的 | 考えを伝える | 行動してもらう |
| 内容 | 主張と根拠 | 課題・解決策・効果 |
| 読み手に | 納得してもらう | 実行してもらう |
| 例 | 「読書は大切だ」 | 「朝読書を始めよう」 |
提案文の目的は、読み手に動いてもらうことです。
だから、「〜すべきだ」で終わってはいけません。
具体性と実現可能性。この2つが提案文の生命線です。
提案文には、確立された型があります。
とくに⑤の実現可能性が、意見文にはなかった要素です。
提案は、実行されてこそ価値があるのです。
よい提案は、よい課題の発見から始まります。
大切なのは、自分だけの不満で終わらせないことです。
データで裏づけると、提案の説得力が大きく変わります。
調べ方には、いろいろあります。
5年生の「調べて発表する」で学んだ方法が、そのまま使えます。
課題が見つかったら、複数の案を出してから選びます。
①で数を出すのがコツです。最初に思いついた案が最良とは限りません。
| 案 | 効果 | 実現性 |
|---|---|---|
| おすすめコーナー | 中 | 高(すぐできる) |
| 貸出時間延長 | 中 | 低(先生の負担) |
| 本を増やす | 高 | 低(費用がかかる) |
| 放送で紹介 | 高 | 高(委員でできる) |
効果が高く、実現性も高い案が最良です。
この表を提案文に入れると、検討したことが伝わります。
提案の後には、それで何が良くなるかを書きます。
効果は複数挙げると説得力が増します。
ただし、大げさに書かないことも大切です。
提案文を書くときは、読みやすい形式にすると効果的です。
・見出しをつける(課題/提案/効果)
・箇条書きを使う
・図や表を入れる
・重要な部分を強調する
・1ページにまとめる
長い文章を最後まで読んでもらうのは大変です。ぱっと見て要点が分かるようにしましょう。
これは、大人が仕事で作る「企画書」と同じ考え方です。
提案には、必ず反対意見が出ます。
これらに先回りして答えておくと、提案が通りやすくなります。
反論に答えるときのコツは、まず相手の心配を認めることです。
いきなり否定すると、相手は聞く気をなくします。認めてから返すのが大人の書き方です。
提案文の力は、学校の中だけのものではありません。
大人になっても、ずっと使い続ける技術です。
そして、この力があると世界を変えられます。
不満を言うだけでは、何も変わりません。提案する人がいて、初めて物事は動きます。
そして、提案が採用されなくても意味はあります。考えた過程が自分の力になり、次につながるからです。
「困っている」だけ書く。
提案文は解決策まで示すものです。具体的に何をするかを書きます。
費用や手間を無視した提案をする。
実行できるかが重要です。誰が、いつ、どうやってできるかを示します。
「よくなります」で済ませる。
何がどう良くなるかを具体的に。複数挙げると説得力が増します。
Q1 提案文と意見文のちがいは何ですか。
A 意見文は納得してもらう、提案文は行動してもらうことが目的です。
Q2 提案文に必要な要素を3つ言いましょう。
A 課題・提案・効果です。さらに実現可能性も重要です。
Q3 解決策を考えるとき、最初にすることは?
A できるだけ多く案を出すこと。実現性は後で検討します。
Q4 学校や家庭の課題を1つ選び、提案文を書いてみましょう。
A 課題・根拠・提案・効果・実現可能性の順に。実際に提出してみると、さらに学べます。
提案文は、社会に出てからも使い続ける実用的な技術です。企画書、要望書、報告書。形は変わっても、構造は同じです。
この単元でぜひ育てたいのは、「不満を提案に変える」姿勢です。文句を言うだけでなく、どうすればよいかを考える。これは生き方に関わる力でもあります。
家庭でも実践できます。「お小づかいを増やしてほしい」という要求を、提案文の形で書いてもらう。課題、根拠、提案、効果、そして親の懸念への答え。実利があるので真剣に取り組みます。
「実現可能性」という視点は、大人でも忘れがちです。理想だけでなく、実際にできるかを考える習慣は、大きな財産になります。
提案が通らなくても、考えた経験は残ります。その点も伝えてあげてください。