6年 国語 資料を読み解く

資料を読み解く ── 文章とグラフ・表を結びつけて考える

6年生の説明文・論説文には、グラフや表がセットで出てくることが増えます。数字を読むだけでなく、文章と結びつける練習です。

なぜ資料がついているのか

教科書やテストの文章に、グラフ・表・地図・写真などの資料がついていることがあります。これは飾りではありません。

資料がある理由 ・文章だけでは伝わりにくい 「数の変化」を見せるため ・筆者の主張の 根拠を示すため ・読者が自分で 確かめられるようにするため

つまり資料は、「本当にそうなの?」を確かめる証拠として置かれています。文章と資料はワンセットで意味を持ちます。

逆に言うと、資料だけを見て終わる、文章だけを読んで資料を見ないのはどちらも読み方として不十分です。

グラフの読み方の手順

グラフを見たとき、まず確認する順番があります。

グラフを読む4ステップ ① タイトルを読む 「何についてのグラフか」 ② たて軸・よこ軸を読む 「何の量」「何の単位」か ③ 全体の形をつかむ 増えている?減っている? 一定?山や谷がある? ④ 特にめだつ点を探す 急に変わった場所はどこか

いきなり数字を追いかけると、全体の意味を見失います。まずタイトルと軸を確認する習慣をつけましょう。

例:あるグラフ タイトル: 「図書館の利用者数の変化」 たて軸:利用者数(人) よこ軸:年度 読み取れること: ・2020年に大きく減っている ・その後、少しずつ回復している ・元の水準にはまだ届いていない

ここまではグラフから直接読み取れる事実です。次に文章と照らし合わせます。

表の読み方の注意点

表はグラフより情報が細かく載っている代わりに、ぱっと見て形が分かりにくいという特徴があります。

表を読むときのコツ ・見出し(項目名)を先に確認 ・たてに読むか、よこに読むかを決める ・一番大きい数・小さい数に注目 ・合計や割合の行があれば重点的に見る

表は比べるための道具です。1つの数字だけを見ても意味は分かりません。他の数字と比べて、初めて「多い」「少ない」が分かります。

比べ方の例 A市の図書館利用者:3000人 → 多い?少ない? 他の情報と比べて判断 ・人口10万人あたりなら? ・去年と比べてどうか? ・他の市と比べてどうか?

数字は単独では意味を持たず、比較して初めて意味を持つことを覚えておきましょう。

文章と資料を結びつける

資料から読み取った事実を、文章の主張と照らし合わせるのがこの単元の中心です。

照らし合わせるときの問い ① 文章の主張は何か ② 資料のどの部分が その根拠になっているか ③ 資料は主張を 十分に支えているか ④ 資料から言えないことまで 主張していないか

とくに④が大切です。資料と文章がずれていることがあります。

ずれの例 資料:ある1つの学校で 読書量が増えた 文章の主張: 「読書量が増えると 成績が上がる」 → 資料は「1つの学校の 読書量の変化」しか 示していない → 「成績が上がる」ことの 証拠にはなっていない

このように、資料が示している範囲文章の主張の範囲を比べると、言いすぎていないかが分かります。

複数の資料を組み合わせる

6年生では、2つ以上の資料を組み合わせて考える問題も出てきます。

例:2つの資料 資料1:スマートフォンの 所有率の変化(表) 資料2:睡眠時間の 変化(グラフ) 問い:2つの資料から どんなことが言えるか

1つずつの資料からは分からなくても、組み合わせると見えてくることがあります。

組み合わせて分かること ・所有率が上がった時期と 睡眠時間が減った時期が 重なっている → 関係がありそう ただし注意: 「同時に起きた」だけでは 「原因と結果」とは 言い切れない

ここでも、「関係がありそう」と「原因である」はちがうという考え方が生きてきます。時期が重なっているからといって、必ずしも一方がもう一方の原因とは限りません。

本当に原因を確かめたいときは、他の可能性も検討することが必要です。たとえば「睡眠時間が減った」原因は、スマートフォンだけでなく、塾や習い事が増えたこと、就寝時刻そのものの変化など、いくつも考えられます。1つの資料の組み合わせだけで結論を急がず、「他に理由はないか」と考える姿勢が、6年生の読解には求められます。

資料を使って自分の考えを書く

読み取るだけでなく、資料を使って自分の意見を書く練習もします。

資料を使った意見文の型 ① 資料から読み取れる事実 「資料によると〜」 ② そこから考えられること 「このことから〜と考えられる」 ③ 自分の意見 「だから私は〜と思う」

ポイントは、①事実と③意見をはっきり分けて書くことです。「資料には〜と書いてあった」だけで終わると感想文になってしまいますし、資料に触れずに意見だけ書くと根拠のない主張になってしまいます。

資料の「言いすぎ」を見抜く練習

ニュースや広告でも、資料(グラフや数字)の一部だけを見せて、実際以上に印象を強めている場合があります。
たとえば、たて軸の途中から始まるグラフは、小さな変化を大きく見せることができます。
「この資料は、本当にこの主張を支えているか?」と考える習慣は、国語の授業だけでなく、社会に出てからも役立つ力です。

つまずきやすいところ

その1 資料を見ずに文章だけ読む

グラフや表を飛ばしてしまう。
資料は主張の根拠として置かれているので、必ず文章と対応させて読みましょう。

その2 数字だけ読んで意味を考えない

「3000人」という数字だけ覚えて、多いか少ないか考えない。
比べる相手(去年・他の地域・平均など)を探すことが大切です。

その3 資料と主張のずれに気づかない

資料が示す範囲より広いことを主張していないか、資料の範囲を意識して読み比べましょう。

やってみよう

Q1 グラフを読むとき、最初に確認することは何ですか。

A タイトルとたて軸・よこ軸(何の量・何の単位か)です。

Q2 「3000人が利用した」という数字だけで、多いか少ないか判断できますか。

A できません。去年の数字や他の地域の数字など、比べる相手が必要です。

Q3 2つの出来事が同じ時期に起きていたら、一方がもう一方の原因と言えますか。

A 言い切れません。「関係がありそう」ということしか分かりません。

Q4 新聞やニュースのグラフを1つ選び、①タイトル②たて軸・よこ軸③読み取れる事実、を書き出してみましょう。

A 順番に確認すると、グラフの意味がはっきり見えてきます。家の人と比べる相手を考えるのもよい練習です。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、いわゆる「情報活用能力」「資料活用能力」に直結する内容で、中学以降のテストや、実生活でのニュース・広告の読み解きにもつながります。
家庭では、ニュース番組や新聞のグラフを見たときに「これは何についてのグラフ?」「たて軸は何?」と声をかけてみるだけで、良い練習になります。
とくに、グラフのたて軸が途中から始まっていて変化が大げさに見える例は身の回りにたくさんあります。「このグラフ、ちょっと大げさに見えない?」と一緒に確認してみると、お子さんの興味を引きやすいテーマです。
数字そのものより、「その数字は何と比べているのか」を意識させることが、この単元でいちばん伸ばしたい力です。