6年生の説明文・論説文には、グラフや表がセットで出てくることが増えます。数字を読むだけでなく、文章と結びつける練習です。
教科書やテストの文章に、グラフ・表・地図・写真などの資料がついていることがあります。これは飾りではありません。
つまり資料は、「本当にそうなの?」を確かめる証拠として置かれています。文章と資料はワンセットで意味を持ちます。
逆に言うと、資料だけを見て終わる、文章だけを読んで資料を見ないのはどちらも読み方として不十分です。
グラフを見たとき、まず確認する順番があります。
いきなり数字を追いかけると、全体の意味を見失います。まずタイトルと軸を確認する習慣をつけましょう。
ここまではグラフから直接読み取れる事実です。次に文章と照らし合わせます。
表はグラフより情報が細かく載っている代わりに、ぱっと見て形が分かりにくいという特徴があります。
表は比べるための道具です。1つの数字だけを見ても意味は分かりません。他の数字と比べて、初めて「多い」「少ない」が分かります。
数字は単独では意味を持たず、比較して初めて意味を持つことを覚えておきましょう。
資料から読み取った事実を、文章の主張と照らし合わせるのがこの単元の中心です。
とくに④が大切です。資料と文章がずれていることがあります。
このように、資料が示している範囲と文章の主張の範囲を比べると、言いすぎていないかが分かります。
6年生では、2つ以上の資料を組み合わせて考える問題も出てきます。
1つずつの資料からは分からなくても、組み合わせると見えてくることがあります。
ここでも、「関係がありそう」と「原因である」はちがうという考え方が生きてきます。時期が重なっているからといって、必ずしも一方がもう一方の原因とは限りません。
本当に原因を確かめたいときは、他の可能性も検討することが必要です。たとえば「睡眠時間が減った」原因は、スマートフォンだけでなく、塾や習い事が増えたこと、就寝時刻そのものの変化など、いくつも考えられます。1つの資料の組み合わせだけで結論を急がず、「他に理由はないか」と考える姿勢が、6年生の読解には求められます。
読み取るだけでなく、資料を使って自分の意見を書く練習もします。
ポイントは、①事実と③意見をはっきり分けて書くことです。「資料には〜と書いてあった」だけで終わると感想文になってしまいますし、資料に触れずに意見だけ書くと根拠のない主張になってしまいます。
ニュースや広告でも、資料(グラフや数字)の一部だけを見せて、実際以上に印象を強めている場合があります。
たとえば、たて軸の途中から始まるグラフは、小さな変化を大きく見せることができます。
「この資料は、本当にこの主張を支えているか?」と考える習慣は、国語の授業だけでなく、社会に出てからも役立つ力です。
グラフや表を飛ばしてしまう。
資料は主張の根拠として置かれているので、必ず文章と対応させて読みましょう。
「3000人」という数字だけ覚えて、多いか少ないか考えない。
比べる相手(去年・他の地域・平均など)を探すことが大切です。
資料が示す範囲より広いことを主張していないか、資料の範囲を意識して読み比べましょう。
Q1 グラフを読むとき、最初に確認することは何ですか。
A タイトルとたて軸・よこ軸(何の量・何の単位か)です。
Q2 「3000人が利用した」という数字だけで、多いか少ないか判断できますか。
A できません。去年の数字や他の地域の数字など、比べる相手が必要です。
Q3 2つの出来事が同じ時期に起きていたら、一方がもう一方の原因と言えますか。
A 言い切れません。「関係がありそう」ということしか分かりません。
Q4 新聞やニュースのグラフを1つ選び、①タイトル②たて軸・よこ軸③読み取れる事実、を書き出してみましょう。
A 順番に確認すると、グラフの意味がはっきり見えてきます。家の人と比べる相手を考えるのもよい練習です。
この単元は、いわゆる「情報活用能力」「資料活用能力」に直結する内容で、中学以降のテストや、実生活でのニュース・広告の読み解きにもつながります。
家庭では、ニュース番組や新聞のグラフを見たときに「これは何についてのグラフ?」「たて軸は何?」と声をかけてみるだけで、良い練習になります。
とくに、グラフのたて軸が途中から始まっていて変化が大げさに見える例は身の回りにたくさんあります。「このグラフ、ちょっと大げさに見えない?」と一緒に確認してみると、お子さんの興味を引きやすいテーマです。
数字そのものより、「その数字は何と比べているのか」を意識させることが、この単元でいちばん伸ばしたい力です。