6年生の読解は、理解するだけで終わりません。妥当かどうかを考えます。
これまで「説明文」を読んできました。6年生では論説文という言葉も出てきます。
| 説明文 | 論説文 | |
|---|---|---|
| 目的 | 知らないことを説明する | 自分の考えを主張する |
| 中心 | 事実の情報 | 筆者の意見 |
| 読者に | 分かってもらう | 納得してもらう |
| 例 | 「クモの糸のしくみ」 | 「自然を守るべきだ」 |
実際には、きれいに分かれないことも多くあります。説明しながら主張する文章がほとんどです。
大切なのは、どこが事実で、どこが意見かを見分けることです。5年生で学んだ技術がここで生きます。
6年生で新しく求められるのが、批判的に読むことです。
この誤解を解いておくことが大切です。批判的に読むとは、「本当にそうかな?」と考えながら読むことです。
確かめるポイントは3つあります。
とくに②の「論理の飛躍」が重要です。
事実が正しくても、そこから導かれる主張が正しいとは限りません。
気をつけるべき論の進め方を、いくつか紹介します。
これらは、一見もっともらしく聞こえるのが厄介なところです。
だから、立ち止まって考える習慣が必要なのです。
批判的に読むことは、筆者を否定することではありません。
むしろ、真剣に読んでいる証拠です。
そして、検討した結果「やはり筆者の言う通りだ」となることも多くあります。それでよいのです。
大切なのは、考えずに受け入れないこと。自分の頭で判断することです。
疑うことと、否定することはちがいます。
論説文を読むときの手順を整理します。
まず正確に理解することが先です。理解せずに批判はできません。
そして、検討するときはメモを取ると考えが整理されます。
このように書き出すと、自分が何を考えているかがはっきりします。
6年生では、同じテーマの異なる意見を読み比べることもあります。
どちらが正しいのでしょうか。簡単には決められません。
読み比べるときのポイントは、次の通りです。
とくに「なぜ分かれるのか」を考えると、深い理解につながります。
どちらも正しい部分があることが多いのです。
大人の社会でも、意見が分かれる問題はたくさんあります。正解が一つでない問題にどう向き合うか。それを学ぶ機会でもあります。
批判的に読む力は、これからの時代に不可欠です。
とくに最後の点は要注意です。インターネットには、自分が好みそうな情報を優先して見せるしくみがあります。
これを防ぐには、意識してちがう意見を読む必要があります。
そして、自分の考えも疑うことです。
批判的に読む力は、他人の文章だけでなく、自分の考えにも向けるものです。
それができれば、考えを更新していける人になります。新しい事実を知ったら、意見を変えてよいのです。それは負けではなく、成長です。
けなすことだと誤解する。
批判的に読むとは筋道を確かめることです。結果として賛成することも多くあります。
読み取る前に疑問を並べる。
まず正確に理解するのが先です。理解できていないと、的外れな批判になります。
複数の意見のどちらかに決めようとする。
どちらにも一理あることが多いのです。共通点と相違点を整理するほうが有益です。
Q1 「批判的に読む」とはどういうことですか。
A 鵜呑みにせず、筋道を確かめながら読むことです。否定することではありません。
Q2 根拠が正しければ、主張も正しいと言えますか。
A 言えません。根拠から主張が導けるか(論理の飛躍がないか)も確かめる必要があります。
Q3 意見が分かれる理由には何がありますか。
A 重視する価値・立場・見ている範囲のちがいなどです。
Q4 新聞のコラムを1つ読み、主張・根拠・疑問をメモしてみましょう。
A 書き出すと、自分の考えがはっきりします。家族と話し合うとさらに深まります。
この単元は、情報社会を生きるうえで決定的に重要な力を扱います。
「批判的」という言葉の誤解を、まず解いてあげてください。悪口を言うことではなく、丁寧に考えることです。
新聞のコラムや社説は、良い教材です。子ども新聞から始めるとよいでしょう。「この人は何を言いたいの?」「その理由は?」「本当にそう言える?」と問いかけてみてください。
意見が分かれる問題について、家族で話し合うのも効果的です。答えを出す必要はありません。ちがう考えがあることを知るだけで十分です。
そして、大人自身が「自分の考えも疑う」姿勢を見せることが、いちばんの教育になります。「そう思ってたけど、その話を聞いて考えが変わった」と言える大人の姿は、強いメッセージになります。