5年生では音読を楽しみました。6年生では意味を味わい、今とつなげます。
小学校で出会う代表的な古典を、あらためて整理します。
| 作品 | 時代 | 種類 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 竹取物語 | 平安初期 | 物語 | 日本最古の物語 |
| 枕草子 | 平安中期 | 随筆 | 清少納言の観察と感性 |
| 平家物語 | 鎌倉 | 軍記物語 | 武士の栄枯盛衰 |
| 徒然草 | 鎌倉末期 | 随筆 | 兼好法師の人生観 |
これらは千年近く読み継がれてきた作品です。
なぜ、そんなに長く読まれるのでしょうか。答えは単純です。
「面白いから残った」のです。つまらなければ、とっくに忘れられていたでしょう。
清少納言が書いた随筆です。約1000年前の作品です。
注目すべきは、「よい」と書いていないことです。
言い切らないことで、情景そのものを差し出しているのです。
そして、清少納言が選んだ光景に注目してください。
季節と時間の組み合わせに、清少納言の感性が表れています。
枕草子には、こんな段もあります。
1000年前の人が「かわいい」と思ったもの。今のわたしたちも同じように感じます。
これが、古典が読み継がれる理由です。
武士の戦いを描いた物語です。琵琶法師が語り伝えました。
ここには、ひとつの人生観が示されています。
平家物語は、栄華を極めた平氏が滅びていく物語です。その結末を、冒頭で予告しているのです。
そして、この文章は音読するための文です。
琵琶に合わせて語られたので、耳で聞いて分かる文章になっているのです。
兼好法師の随筆です。人生や社会について書かれています。
この一節が示しているのは、書くことの不思議です。
700年前の人が、今のわたしたちと同じ体験をしていたのです。
徒然草には、実用的な教えも多くあります。
人間の失敗のしかたは、昔も今も変わらないのです。
6年生では、原文と現代語訳を並べて読むことをします。
現代語訳は意味を伝えますが、失われるものもあります。
「春はあけぼの」を「春は明け方がよい」と訳すと、意味は伝わりますがそっけなくなります。
だから、原文を声に出して読むことに価値があるのです。
同じ古文でも、訳す人によって現代語訳はちがいます。
「あはれ」を「しみじみとした趣がある」と訳す人もいれば、「心を打たれる」と訳す人もいます。
どちらも間違いではありません。古文の言葉が持つ幅を、現代語では一語で表せないのです。
複数の訳を読み比べると、原文の豊かさが見えてきます。
だから、原文にあたる価値があるのです。
古典は、遠い過去のものではありません。
ことわざや慣用句にも、古典由来のものが多くあります。
そして、現代の作品にも影響を与えています。
なぜ何度も描かれるのでしょうか。物語として面白いからです。
そして、6年生の社会科で学ぶ歴史ともつながります。
歴史で学んだ時代に、実際に生きた人が書いた文章を読む。教科をまたいで学ぶと、理解が深まります。
意味が分かればよいと考える。
原文にはリズムと余韻があります。声に出して読むことに価値があります。
一語ずつ調べて疲れる。
6年生では味わうことが中心です。大まかな意味と、心に残る一節があれば十分です。
自分と関係ないと感じる。
1000年前の人も同じことを感じていました。共感できる部分を探すと、身近になります。
Q1 枕草子は誰が書いた、どんな作品ですか。
A 清少納言が書いた随筆です。約1000年前の平安時代の作品です。
Q2 平家物語の冒頭が示している人生観は?
A 諸行無常。すべては移り変わり、栄えるものもいつかは衰えるという考えです。
Q3 現代語訳を読むだけでは足りないのはなぜ?
A リズムや余韻が失われるからです。原文を声に出して読むことに価値があります。
Q4 好きな古典の一節を暗唱してみましょう。
A 短いものから始めます。声に出して繰り返すと、自然に覚えられます。
6年生の古典学習は、5年生の「音読して親しむ」から一歩進み、意味を味わう段階に入ります。
ただし、完全な理解を求める必要はありません。心に残る一節があれば成功です。中学・高校で再会したとき、「知っている」という感覚が助けになります。
暗唱は今も有効です。意味が分からなくても、リズムのよい言葉は自然に覚えられます。そして、大人になってから意味が分かる瞬間が来ます。
「1000年前の人も同じことを感じていた」という視点は、古典を身近にします。枕草子の「うつくしきもの」の段は、とくに共感しやすい内容です。
歴史の学習と結びつけるのも効果的です。平安時代を学ぶとき、枕草子を読む。時代の空気が感じられます。