詩の表現は、ふつうと変えてある。その理由を考えるのが6年生の読み方です。
4年生・5年生でも表現技法を学びました。6年生では、その効果まで考えます。
詩人は、言葉を選び抜いています。偶然その形になったのではありません。
技法の名前を覚えるだけでは、意味がありません。どんな効果があるかを感じ取ることが目標です。
比喩は、あるものを別のものにたとえる技法です。
6年生では、なぜそのたとえを選んだのかを考えます。
比喩は、形だけでなく感情も運びます。
何にたとえるかで、伝わるものが変わるのです。
そして、直喩と隠喩の使い分けにも意味があります。
隠喩のほうが強く、印象に残ります。詩ではよく使われます。
倒置は、語順を入れかえる技法です。
語順を変えると、強調される部分が変わります。
とくに行の最後に来る言葉が印象に残ります。
詩を読むときは、どこで行が切れているかにも注目しましょう。
反復は、同じ言葉をくり返す技法です。
くり返しの回数にも意味があります。2回より3回のほうが、強調の度合いが増します。
対句は、似た形の句を並べる技法です。
平家物語の冒頭も、対句が使われています。
形をそろえると、美しく、覚えやすくなるのです。
体言止めは、名詞で終わる技法です。
「見上げれば、青い空」
→ 「〜だった」と言い切らないので、余韻が残ります。
省略は、あえて言わない技法です。
「春はあけぼの。」(「がよい」を省略)
→ 読者が補うことで、参加させる効果があります。
どちらも言い切らないことで、読者に想像させる技法です。
詩は「全部説明しない」ことで力を持ちます。
詩には、いくつかの分類があります。
| 分類の観点 | 種類 | 説明 |
|---|---|---|
| 形式 | 定型詩 | 音数が決まっている(俳句・短歌) |
| 自由詩 | 音数の決まりがない | |
| 用語 | 文語詩 | 昔の言葉で書かれた詩 |
| 口語詩 | 今の言葉で書かれた詩 | |
| 内容 | 叙情詩 | 気持ちを中心に |
| 叙景詩 | 景色を中心に | |
| 叙事詩 | 出来事を中心に |
今、教科書に載っている詩のほとんどは口語自由詩です。
形式にとらわれないぶん、行の分け方や配置に意味が生まれます。
詩は目で見る形も表現の一部なのです。
詩を味わう手順をまとめます。
④が6年生のポイントです。技法を見つけるだけでなく、効果を考えます。
この「置きかえて比べる」方法は、どんな技法にも使えます。
そして、感じ方は人それぞれでよいのです。
詩の読み取りに、たった一つの正解はありません。ただし、本文に根拠が必要なのは物語と同じです。
読むだけでなく、書いてみると技法の意味が体で分かります。
②から③への書き直しが、この活動の中心です。
「きれいだった」と書かないのがコツです。物語の心情読み取りと同じで、直接言わないほうが伝わります。
そして、行の分け方も工夫してみましょう。
うまく書けなくても構いません。言葉を選ぶ体験そのものに価値があります。
そして、書いてみると詩人のすごさが分かります。読むときの目が変わるのです。
「これは擬人法」で終わる。
大切なのはその効果です。ふつうの言い方と比べると見えてきます。
難しく考えて、味わえない。
詩はまず感じるものです。声に出して読み、心に残った言葉から入りましょう。
「なんとなくきれい」で終わる。
どの言葉がそう感じさせたかを探します。根拠があれば、どんな読みも認められます。
Q1 直喩と隠喩のちがいは何ですか。
A 直喩は「〜のような」を使う、隠喩は使わない。隠喩のほうが強い印象です。
Q2 倒置にはどんな効果がありますか。
A 強調したい部分が変わり、勢いや余韻が生まれます。
Q3 技法の効果を考える方法は?
A ふつうの言い方に直して比べること。何が変わったかで効果が分かります。
Q4 好きな詩を選び、使われている技法とその効果を書いてみましょう。
A ふつうの言い方に直して比べると、効果がはっきりします。
6年生の詩の学習は、技法の効果まで踏みこみます。これは、表現を分析的に見る力を育てる内容です。
ただし、分析だけになると詩がつまらなくなります。まず声に出して味わう。心に残った言葉を大切にする。その上で「なぜだろう」と考える順序が大切です。
「ふつうの言い方に直して比べる」という方法は、効果を実感する最良の手段です。一緒にやってみてください。
感じ方に正解はありませんが、根拠は必要です。「どの言葉がそう感じさせたの?」と問いかけると、読みが深まります。
詩は、短いぶん何度も読み返せます。時間をおいて読むと、ちがう発見があることも伝えてあげてください。