6年 英語 in・on・at の使い分け

in・on・at ── どのくらいの大きさで見ているか

ものが どこにあるかを英語で言うとき、はじめに習うのはたいてい on the desk です。「机の上」と教わるので、多くの人はそこで on=上、in=中、at=で と日本語を一つずつ貼りつけて覚えます。しばらくはそれで通ります。ところが、かべにかかっている絵を英語で言おうとしたとたん、この覚え方は音を立てて止まります。かべの絵は上にありません。なのに英語では on the wall です。この記事では、貼りつけた日本語をいったんはがして、in・on・at がほんとうは何を区別しているのかを一本の筋にします。そしてその筋が、場所だけでなく時間の言い方にもそっくりそのままくり返されていることまで見ます。

「on=上」でおぼえた人が、かべの絵で止まる

まず、次の3つを声に出して読んでみてください。どれも正しい英語です。

The book is on the desk.  本は 机の上にある。 The picture is on the wall. 絵は かべにかかっている。 The light is on the ceiling. 電気は 天じょうについている。

3つとも on なのに、日本語は「上に」「かべに」「天じょうに」とばらばらです。とくに3つめは、電気は天じょうから下に向かってついています。上どころか、逆さまです。それでも英語は平気で on を使います。ということは、on が表しているのは上下ではありません。3つに共通しているのは、ぴたりとくっついていて、はがしたら落ちるということだけです。机も、かべも、天じょうも、くっつく面でしかありません。たまたま机の面が水平だったので、日本語にしたときに「上」という言葉が出てきただけなのです。

ここが、この記事でいちばん大事な入り口です。英語の言葉に日本語を1つ貼りつけて覚えると、貼りつけた日本語のほうが先に頭に浮かぶようになります。「上」が先に浮かぶ人は、かべの絵を見たときに on を選べません。逆に「くっついている」が浮かぶ人は、机でもかべでも天じょうでも、まよわず on が出てきます。おぼえる数は同じなのに、使えるはんいがまるでちがいます。

3つのことばは、見ている大きさがちがう

では in・on・at は何を区別しているのか。答えはその場所を、どのくらいの大きさのものとして見ているかです。同じ場所でも、遠くから点として指すのか、くっつく面として見るのか、入りこめる囲いとして見るのかで、選ぶ言葉が変わります。

ことばどう見ているかたとえると例
atひろがりを持たない1つの点として指す地図にさすピンat the station(駅で)
onくっつく面として見るぴたりとはった紙on the desk(机に)
in入りこめる囲いの中として見るふたのある箱in the box(箱の中に)

at・on・in の順にならべたのには理由があります。点 → 面 → 中と、見ているものがだんだん大きくなっていく順番だからです。点にはひろがりがなく、面にはたてよこのひろがりがあり、囲いにはさらに奥ゆきがあります。この「小さい順」は、このあと時間の話をするときにもう一度そのまま出てきます。今のうちに、at・on・in というならび順ごと頭に入れてしまってください。

この見方で、ひとつの物を見る角度を変えてみると、こうなります。

at the door  ドアのところで  ←ドアを1つの点として指している on the door  ドアにはって   ←ドアの面にくっついている in the door  (ふつう言わない)←ドアの中に入りこめないから

同じ door でも、見方を変えると言葉が変わり、見方としてありえないものは英語にもなりません。「ドアの中」がふしぎに聞こえるのは、日本語でも同じはずです。

場所を、小さい順にならべてみる

これまでの記事に出てきた言い方を、さっきの「点・面・中」で仕分けてみます。ばらばらに覚えたものが、3つの列にきれいにおさまります。

at(点)on(面)in(中)
at the station
(駅で)
on the desk
(机に)
in the box
(箱の中に)
at the door
(ドアのところで)
on the wall
(かべに)
in the drawer
(引き出しの中に)
at the bus stop
(バスていで)
on the floor
(ゆかに)
in my room
(わたしの部屋に)
at school
(学校で/勉強しに)
on the ceiling
(天じょうに)
in Tokyo
(東京に)

右の列の下のほうを見てください。in my room と in Tokyo がならんでいます。部屋と東京では大きさがまるでちがうのに、どちらも in です。これは in が「小さいもの」を表しているわけではなく、入りこめる囲いかどうかだけを見ているからです。部屋にも東京にも、人は入れます。だから in。箱も部屋も町も国も、囲いという一点では同じあつかいになります。in Japan(日本に)も in Africa(アフリカに)も、これまでの記事に出てきたとおり全部 in でした。理由はこれだったのです。

同じ公園なのに、at と in が入れかわる

いちばん実感しやすいのが公園です。次の2つは、どちらも正しい英語で、しかも意味がちがいます。

Let's meet at the park at three. 3時に 公園で会おう。 The children are playing in the park. 子どもたちは 公園の中で遊んでいる。

上の文で公園は待ち合わせの1点です。「駅でもコンビニでもなく公園」という、地図の上のピンでしかありません。だから at。下の文では、子どもたちは公園の しき地の中を走り回っています。囲いの中にいるので in。場所そのものは同じ公園なのに、話し手がどう見ているかで言葉が変わるという、この記事の筋がそのまま出ている例です。

学校でも同じことが起きます。

He is at school.   かれは 学校(で勉強中)です。 He is in the school. かれは 校しゃの中にいます。

上は「今どこにいるの?」「学校だよ」というやりとりで、校しゃの中か校庭かは問題にしていません。学校という1点を指しているだけです。下は、たとえば校門の外にいる人が「かれは建物の中にいるよ」と言うときの文です。どちらがえらいということはなく、言いたいことに合うほうを選ぶだけです。

時間も、まったく同じ順にならぶ

ここからが、この記事でいちばん気持ちのよいところです。英語は時間も、場所とまったく同じ物差しではかっています。点として指す時間には at、カレンダーの1マスとして見る時間には on、囲いとして見る時間には in を使います。

ことば時間での見方例これまでに出てきた記事
at時こく=時間じくの上の1点at 7:00 / at 4:30 / at noon4年「時こくのたずね方」
on日・曜日=カレンダーの1マスon Monday / on May 5th5年「時間わり」4年「曜日」
in月・季節・年=日をふくむ囲いin April / in summer / in 20264年「12か月」

場所のときと見くらべてください。at(点)→ on(面)→ in(中)という順番が、そっくりそのままもう一度出てきています。時こくには長さがないので点、1日はカレンダーの上で四角いマスになっているので面、月や季節はその日を何十個もかかえこむ囲い。小さい順に at・on・in という一本の筋だけ覚えておけば、場所でも時間でも同じように選べます。

正直に書いておくと、この「点・面・中」というたとえは、英語を作った人たちがそう考えたという記録があるわけではありません。覚えやすくするために後からあてはめた見方です。ただし、場所でも時間でも at・on・in が小さい順にならぶというのは、たとえではなく本当のことです。たとえが気に入らなければ捨ててかまいませんが、ならび順だけは持って帰ってください。

時間のほうには、ならび順で説明しきれないものが少しだけあります。数はとても少ないので、外れているものとして先に見ておきます。

in the morning 午前に  ←午前という囲いの中 at night    夜に   ←囲いなのに at(このまま覚える) on Sunday morning 日曜の朝に ←曜日がつくと on が勝つ

まん中の at night だけは、筋から外れています。こういうものを「なぜ?」と追いかけても答えは出ないので、外れているという事実ごと覚えるのがいちばん速い方法です。大事なのは、外れているのがこれくらいしかない、と知っておくことです。筋が通るものがほとんどで、外れはほんの少し。そのほんの少しにおびえて、通っているほうまで丸暗記にしてしまうのが、いちばんもったいない勉強のしかたです。

under・by・near は、この3つのなかまではない

場所の言い方を習うとき、in・on・at といっしょに under(〜の下に)や by(〜のそばに)、near(〜の近くに)も出てきます。同じ場所のことばなので、つい4つ5つまとめて覚えたくなりますが、この3つは同じなかまではありません。

なかま何を言っているかことば
大きさのなかまその場所をどう見ているかat・on・in
位置のなかまそのものとの位置関係under・by・near・in front of・behind

under the chair(いすの下に)は、いすを点とも面とも囲いとも見ていません。いすを目じるしにして、そこから下という向きを言っているだけです。by the window(まどのそばに)も near the station(駅の近くに)も同じで、どれも「そこからどっちに、どれくらいはなれて」を言っています。

この2つを分けておくと、迷う場面がぐっと減ります。「見え方を言いたいのか、位置を言いたいのか」を先に決めれば、選ぶ言葉は半分になるからです。ノートの上のペンは、机との関係ではなくノートにくっついていることを言いたいので on the notebook。いすのかげのボールは、いすとの位置関係を言いたいので under the chair。迷ったときは、日本語で「くっついてる? 入ってる? それともどっち向き?」と自分に聞いてみてください。

たしかめてみよう

Q1 かべに大きな地図がはってあります。( )に入るのは?
There is a big map ( )the wall.

A on(上ではなく、かべの面にくっついているから)

Q2 「わたしのかぎは引き出しの中にあります」は?

A My key is in the drawer.(引き出しは、入りこめる囲い)

Q3 「7時に朝ごはんを食べます」の( )は?
I eat breakfast ( )seven.

A at(時こくは、時間じくの上の1点)

Q4 「わたしのたんじょう日は4月です」の( )は?
My birthday is ( )April.

A in(月は、日をたくさんかかえこむ囲い)

Q5 「月曜日に算数があります」の( )は?
I have math ( )Monday.

A on(曜日は、カレンダーの1マス=面)

Q6 ボールがいすのかげにあります。ここで under を選ぶ理由は?

A いすをどう見るかではなく、いすとの位置関係を言いたいから(under は位置のなかま)

まとめ

おうちの方へ

in・on・at は、単語としてはやさしいのに、日本語話者が中学・高校を通してまちがえ続ける場所です。原因の多くは、最初に出会ったときに「on=上」のように日本語を1つだけ貼りつけて覚えてしまうことにあります。貼りつけた1語は、教科書の例文の中ではたいてい正しく働くので、本人はまちがいに気づけません。気づくのは、かべの絵や天じょうの電気のように、貼りつけた日本語では言いあてられない場面に出会ったときです。そこで「英語は例外だらけだ」と結論づけてしまうと、そこから先は丸暗記になっていきます。小学生の段階でしてあげられるのは、正解を早く出させることよりも、1つの英語に1つの日本語を貼りつけないという習慣を持たせることです。ご家庭では、身のまわりのものを指して「これ、くっついてる? 入ってる? それとも点で指してる?」と聞いてみてください。英語に直させる必要はなく、日本語のまま答えられれば十分です。この見分けさえできていれば、中学で in や on の一覧表を渡されたときに、丸暗記する行の数がはっきり減ります。at night のように外れているものが出てきたときは、無理に理由を説明せず「これは外れているほうだね」と分けてあげると、本人の中で筋と外れが混ざらずにすみます。