6年 英語 一般動詞の過去形

played の ed ── すぎたことの形は、覚えるより作るほうが多い

英語で「すぎたこと」を言うページを開くと、まっさきに出てくるのは went・ate・saw です。go が went、eat が ate、see が saw ── もとの形がどこにも残らないので、覚えるしかありません。だから多くの人が、英語のすぎたことの形は1つずつ覚えるものだと思ったまま、この単元を終えます。ところが、いま覚えたそのなかまは、英語の動詞の中でいちばん数の少ないがわでした。「サッカーをした」「テレビを見た」「おばあちゃんの家をおとずれた」── こういうふつうの文で使う動詞は、うしろに ed をつけるだけで、すぎたことの形になります。覚えるほうが例外で、作るほうが多数派なのです。この記事では、その ed のつけ方と読み方、そしてed をつけてはいけない場所を、ひとつづきの筋でつかまえます。

日本語の「た」と、英語の ed は同じ仕事をしている

まず日本語で、すぎたことをどう言っているかをならべてみます。

する    → した 見る    → 見た おとずれる → おとずれた ほしい   → ほしかった

どれもうしろが「た」になっただけです。動詞ごとに言い方をまるごと覚え直したりはしていません。日本語を話す人は、この「た」を1つ持っているおかげで、はじめて聞いた動詞でもすぎたことにできます。

英語にも、それと同じはたらきをする部品があります。それが ed です。

play  → played   サッカーをする → した watch  → watched  テレビを見る  → 見た visit  → visited  おとずれる   → おとずれた want  → wanted   ほしい     → ほしかった

もとの形が、ちゃんと目に見えるまま残っています。play が played の中にそのままいるので、はじめて見た単語でも「あ、play のすぎたことだ」と読めます。覚えていなくても読めるのが、ed のいちばんありがたいところです。

この ed のことを、中学では 一般動詞の過去形 という名前でならいます。名前は長いですが、中身は日本語の「た」と変わりません。

では、先に習った went・ate・saw は何だったのでしょうか。あれは ed が使えない、数のかぎられた例外です。

go → went  eat → ate  see → saw have → had  make → made  come → came get → got  take → took  win → won

小学校で出あうのは、このあたりの十数個です。たしかに毎日つかう動詞ばかりなので、教科書が先に出してくるのは自然なことです。ただ「よく使う」と「数が多い」はちがいます。よく使う十数個を覚えたあとには、ed をつけるだけの何千もの動詞が待っています。

おもしろい例外を1つだけ。read は、すぎたことになっても read のままで、形が1字も変わりません。かわりに読み方だけが「リード」から「レッド」に変わります。目で見ても分からず、声に出したときだけ分かる動詞です。

ed のつけ方は、最後の1字を見るだけ

ed は「うしろにくっつける」だけですが、語のおわりによって、くっつけ方が少しだけ変わります。変わるのは4通りで、しかも見るのは語のおしまいの1字だけです。

語のおわりやること例
下の3つ以外ed をつけるwatch → watched/visit → visited/want → wanted
e でおわるd だけつけるlike → liked/live → lived/use → used
y でおわる(前が子音字)y を i にかえて edstudy → studied/cry → cried/carry → carried
母音字1つ+子音字1つ(みじかい語)子音字を重ねて edstop → stopped/plan → planned

2つめは、e が2つならぶのをきらっているだけです。like に ed をつけると likeed になってしまうので、e を1つにして liked にします。新しく足すのは d 1字と考えれば迷いません。

4つめの「重ねる」は、stop を stoped と書いてしまうと「ストープト」のように長くのびて読まれてしまうからです。p を2つにしておくと、前の o がみじかいままでいられます。visit が visitted にならないのは、visit が2はくの長い語で、みじかい1かたまりの語ではないからです。

ここで気づいてほしいことがあります。この4つの見方は、まったく新しいきまりではありません。He likes の sの記事で、動詞に s をつけるときにも同じ4か所を見ていました。

watch → watches  watch → watched study → studies  study → studied play → plays   play → played

見る場所が同じで、つける部品が s か ed かのちがいしかありません。覚えるきまりが1つ増えたのではなく、知っているきまりを使い回していると思ってください。

enjoy が enjoied にならない理由

上の表を「y は i にかえる」と1行で覚えてしまうと、必ずつまずく単語があります。enjoy です。

study → studied   y の前は d(子音字)→ i にかえる cry  → cried    y の前は r(子音字)→ i にかえる enjoy → enjoyed   y の前は o(母音字)→ そのまま play → played   y の前は a(母音字)→ そのまま stay → stayed   y の前は a(母音字)→ そのまま

見るのは y ではなく、y の1つ前の字です。そこが子音字なら i にかえ、母音字ならさわりません。enjoy の y の前は o なので、i にはしません。だから enjoied ではなく enjoyed です。

これも s のときとぴったり同じでした。study は studies になるのに、play は plays のままだったでしょう。同じ場所を見て、同じ判断をしているのです。

英語で夏の思い出を話そうの記事に出てきた enjoyed は、went・ate・saw といっしょにならんでいたので、あれも覚えるなかまだと思った人がいるかもしれません。ちがいます。enjoyed は、いちばんふつうの ed 組です。この記事のきまりだけで、自分で作れます。

書くときは1つ、読むときは3つに分かれる

ed は、書くときはいつも ed です。ところが声に出すと3通りに分かれます。ここを知らないと、正しく書けているのに通じない、ということが起きます。

ed の前の音ed の読み方例
t・d の音でおわるイドvisited(ヴィジティッド)/wanted/needed
声を使わない音(k・p・s・ch・sh・f)トwatched(ウォッチト)/liked/stopped/helped
そのほか(声を使う音・母音)ドplayed(プレイド)/enjoyed/lived/studied

ぜんぶ「エド」と読んでしまうと、watched が「ウォッチエド」、played が「プレイエド」になります。日本語には子音だけで終わる音がないので、つい母音を足したくなるのです。

いちばん上の「イド」だけは、理由がはっきりしています。visit の最後は t の音です。そこへ ed の d をつなげると、t と d がぶつかって区別がつかなくなります。だから間に「イ」を入れて、ヴィジティッドと3はくで言います。

のこりの2つは、前の音が声を使うかどうかで決まります。watch の最後の「チ」は声を使わない音なので、ed も声を使わない ト。play の最後は「イ」という声を使う音なので、ed も声を使う ド。のどをふるわせたままか止めたままか、そろえているだけです。

この分かれ方には見覚えがあるはずです。1つ? 2つ以上?の記事で、名詞につく s の読み方も3通りに分かれていました。

cats  ツ   played  ド dogs  ズ   watched  ト boxes  イズ  visited  イド

ぶつかる音の間に母音を入れ、のこりは声のあるなしでそろえる ── まったく同じ仕組みが、s でも ed でもはたらいています。英語は、部品ごとに読み方を決めているのではなく、となりの音に合わせているのです。

did が来たら、ed は消える

ここからが、中学に入っていちばん多く赤が入るところです。「した」を「しなかった」「しましたか」に変えてみます。

I played soccer.    サッカーをしました。 I didn't play soccer.  サッカーをしませんでした。 Did you play soccer?  サッカーをしましたか。

下の2つで、played が play にもどっています。ed が消えました。これを知らずに書くと、こうなります。

× I didn't played soccer.  → I didn't play soccer. × Did you played soccer?   → Did you play soccer?

気持ちのうえでは、すぎたことの話なのだから played のままにしておきたいところです。けれども do はなんのためにいるのかの記事で確かめたとおり、「しない」「しますか」を作るときにやとわれる係は、いつも1人でした。その係がすでに did というすぎたことの形になっています。

つまり、こういうきまりです。

すぎたことの印は、1つの文に1回だけ。 did が引き受けたら、動詞は印を外して、もとの形にもどる。

この形も、s のときとそろっています。He plays soccer. は、たずねる文にすると Does he play soccer? になって s が消えました。印を持つのは、いつも文のいちばん前に立った1人だけなのです。

ならべて見ると、be動詞とのちがいもはっきりします。

It was fun.    → Was it fun?      自分で前へ出られる I enjoyed it.  → Did you enjoy it?   did にたのむ

was と wereの記事で、was はたずねるときに自分で先頭へ出られるので did を呼ばない、という話をしました。一般動詞は自分では前へ出られないので、かわりに did をやといます。どちらも「印は1回だけ」というきまりの、ちがう現れ方です。

× It didn't was fun.   be動詞なのに did を呼んだ × Did you played soccer? did を呼んだのに ed を残した

上と下は、逆を向いているように見えて中身は同じです。どちらもすぎたことの印を2回おしてしまった形です。

yesterday があるのに play と書かない

最後に、ed をつけるかどうかを決めるもう1つの手がかりを見ます。文のどこかにいる、時を表す言葉です。

I play soccer every day.   いつもしている I played soccer yesterday.  きのうした × I play soccer yesterday. × I played soccer every day.

下の2つがだめなのは、時を表す言葉と動詞の形がけんかしているからです。yesterday が「すぎたこと」と言っているのに、動詞が「いつもする」の形で立っています。日本語で「きのう サッカーを する」と言えないのと、まったく同じ理由です。

手がかりになる言葉を、2つのはこに分けておきます。

すぎたこと : yesterday / last night / last Sunday / two days ago / in 2020 いつものこと: every day / usually / always / on Mondays

下のはこの言葉は、英語で一日の生活を話そうの記事で出てきた always・usually のなかまです。この2つのはこを見分けられるようになると、英文を読むときに動詞を見る前に時が分かるようになります。

ついでに覚えておくと得なことがあります。last がつくとすぎたこと、next がつくとこれからのことです。next Sunday なら、英語で未来のことを話そうの記事で出てきた will のほうへ進みます。時を表す言葉は、文のどこを直せばいいかを教えてくれる道しるべなのです。

つまずきやすいところ

よく出るまちがいをならべます。ばらばらに見えますが、どれもここまでの筋の1か所を落としただけです。

× I enjoied the trip.    → I enjoyed the trip. × I studyed English.    → I studied English. × I likeed the movie.   → I liked the movie. × I didn't played soccer. → I didn't play soccer. × Did you watched TV?    → Did you watch TV? × I play soccer yesterday. → I played soccer yesterday. × I was enjoyed the party. → I enjoyed the party.

1つめは、y の前を見なかった形です。enjoy の y の前は o(母音字)なので、i にはかえません。

2つめは、その逆。study の y の前は d(子音字)なので、i にかえて studied にします。

3つめは、e が2つならんでしまった形です。like はもう e を持っているので、足すのは d 1字だけです。

4つめは、すぎたことの印が2つある形。didn't の did がもう印を持っているので、動詞は play にもどります。

5つめも同じまちがいです。たずねる文でも、印を持つのは先頭に立った Did だけです。

6つめは、yesterday と動詞の形がけんかしている形。時を表す言葉に合わせて played にします。

7つめは、be動詞と ed が同じ文にならんだ形です。「楽しんだ」は enjoyed 1語で言えるので、was はいりません。

7つとも、「ed のつけ方は最後の1字で決まる」と「すぎたことの印は1つの文に1回だけ」という2行で説明がつきます。単語ごとに覚え直すより、この2行を手放さないほうが長もちします。

たしかめてみよう

Q1 「わたしはきのうテレビを見ました」を英語にすると。

A I watched TV yesterday.(watch は表のいちばん上のなかまなので、ed をつけるだけです)

Q2 study と enjoy に ed をつけると、どうなりますか。

A studied と enjoyed。study の y の前は d(子音字)なので i にかえます。enjoy の y の前は o(母音字)なので、そのままです。見るのは y ではなく、その1つ前の字です。

Q3 visited の ed は「ド」「ト」「イド」のどれで読みますか。

A イド(ヴィジティッド)。visit の最後が t の音なので、そのまま d をつなげるとぶつかります。間に「イ」を入れて分けます。

Q4 Did you played soccer? は、どこがまちがっていますか。

A すぎたことの印が2つあるところ。先頭の Did がもう印を持っているので、動詞は ed を外して Did you play soccer? になります。

Q5 I play tennis yesterday. を正しく直してください。

A I played tennis yesterday. yesterday が「すぎたこと」と言っているので、動詞もそろえます。逆に every day なら play のままです。

Q6 I was enjoyed the party. は、なぜだめなのですか。

A be動詞と ed が同じ文にならんでいるからです。「楽しんだ」は enjoyed 1語で言えるので、I enjoyed the party. が正しい形です。be動詞は自分で過去になれるので、ed の動詞に手をかす必要がありません。

まとめ

おうちの方へ

小学校の外国語では、思い出を語る活動で went・ate・saw・was といった不規則な形をまとめて扱います。活動としてはとても自然な作りですが、結果として子どもは「英語の過去形は暗記するもの」という印象だけを持って中学へ進みます。中学1年で規則変化を習ったときに「そんな便利な方法があったのか」と驚く子が多いのは、覚えが悪いからではなく、多数派のほうを後から見せられたからです。

ご家庭では、単語をたくさん覚えさせる必要はありません。かわりに、子どもが知っている動詞を1つ選んで「これ、きのうの話にするとどうなる?」と聞いてみてください。ed をつけるだけで答えが出るという体験が、1回あれば十分です。また、印を2つおしてしまった文を書いたときは、消すのではなく「すぎたことの印、いくつある?」と数えさせてあげてください。数えれば自分で気づけます。文法用語を先に教える必要はありません。