日本は資源が少ない国です。それでも豊かになれたのには、理由があります。
日本の貿易には、はっきりした特徴があります。
たとえば、鉄を考えてみましょう。
これが、資源のない日本が豊かになれた理由です。
ただし、近年は形が変わってきています。
貿易の中身を見ると、日本の産業構造が分かります。
| 輸出品(多い順) | 輸入品(多い順) |
|---|---|
| 機械類 | 機械類 |
| 自動車 | 原油 |
| 自動車部品 | 液化天然ガス |
| 鉄鋼 | 衣類 |
| 半導体製造装置 | 医薬品 |
| プラスチック | 石炭 |
注目すべき点が3つあります。
②のエネルギーが最大の弱点です。
もし輸入が止まれば、電気も車も止まります。これが日本の抱える大きなリスクです。
だから、輸入先を分散させる努力が続けられています。1つの国に頼りすぎると、その国との関係が悪化したときに困るからです。
貿易品は、船か飛行機で運ばれます。使い分けには明確な理由があります。
| 船 | 飛行機 | |
|---|---|---|
| 速さ | おそい(数週間) | 速い(数時間〜1日) |
| 運べる量 | 非常に多い | 少ない |
| 費用 | 安い | 高い |
| 向くもの | 重い・かさばる・急がない | 軽い・高価・急ぐ |
| 例 | 石油、鉄鉱石、自動車、木材 | 半導体、精密機械、医薬品、生鮮食品 |
ポイントは、重さあたりの値段です。
だから、貿易額では空港が上位に来ることがあります。量は少なくても、金額が大きいのです。
成田空港が「日本最大の貿易港」と呼ばれるのは、この理由からです。
海上輸送を大きく変えたのがコンテナです。
コンテナ以前は、荷物を1つずつ人が積み下ろししていました。時間も費用もかかり、荷いたみも起きました。
この「規格を統一する」という発想が、世界の物流を変えました。
そして、日本国内の輸送も見ておきましょう。
| 手段 | 特徴 | 課題 |
|---|---|---|
| トラック | 戸口から戸口まで運べる | 渋滞、運転手不足、二酸化炭素 |
| 鉄道 | 大量・定時・環境にやさしい | 駅から先が別途必要 |
| 船(内航) | 大量・安い | おそい、港が必要 |
| 飛行機 | 速い | 高い、量が少ない |
国内輸送はトラックが約9割を占めます。便利ですが、環境負担と運転手不足が課題です。
そこで、モーダルシフトという取り組みが進んでいます。
貿易は、国どうしの関係に直結します。
1980年代には、自動車の輸出をめぐってアメリカとの貿易摩擦が大きな問題になりました。
解決策の一つが、現地生産でした。
今では、日本の自動車会社の多くが海外に工場を持っています。
もう一つ、関税の問題もあります。
各国は交渉して、お互いに関税を下げる協定を結んでいます。ただし、守りたい産業(日本なら農業)をめぐって、いつも議論になります。
貿易には、得をする人と損をする人がいる。だから簡単には決まらないのです。
資源のほとんどを輸入に頼る日本は、さまざまな備えをしています。
とくに④の再生可能エネルギーは、資源のない日本にとって大きな希望です。太陽も風も、輸入する必要がありません。
ただし、課題もあります。天候に左右される、設置場所が必要、費用が高いなど。まだ主力にはなりきれていないのが現状です。
そして、都市鉱山という考え方も注目されています。
捨てられていたものが資源になる。リサイクルの考え方が、資源問題の答えの一つになりつつあります。
ただ輸出入することだと思う。
買ってきた材料に技術を加えて価値を高めてから売る形です。ここが日本の産業の特徴です。
どちらで運ぶか判断できない。
重さあたりの値段で決まります。軽くて高価なら飛行機、重くて安いなら船です。
空港を含めずに考える。
成田空港が貿易額トップ級です。量は少なくても高価なものを運んでいます。
Q1 加工貿易とはどんな形の貿易ですか。
A 原料を輸入し、加工して製品を輸出する形です。日本の産業を支えてきました。
Q2 半導体を飛行機で運ぶのはなぜですか。
A 軽くて高価だからです。運賃が高くても、商品の値段に比べれば小さな割合です。
Q3 コンテナの利点を2つ言いましょう。
A 積み下ろしが速いこととそのまま積みかえられること。規格が世界共通です。
Q4 家にあるものの原産国を調べ、地図に印をつけてみましょう。
A どれだけ多くの国とつながっているかが見えてきます。
貿易は、日本という国のあり方そのものを表す単元です。資源がないという弱点を、技術で補ってきた歴史が見えてきます。
家庭にあるものの原産国を調べる活動は、手軽で効果的です。服のタグ、家電の表示、食品のラベル。世界地図に印をつけると、つながりの広さに驚きます。
「なぜ半導体は飛行機で運ぶのか」という問いは、経済的な思考の入り口です。重さと価値の関係を考えると、輸送手段の選択に理由があることが分かります。
エネルギー自給率13%という数字は、日本の弱点を示しています。「もし輸入が止まったら」という想定は、少し怖い話ですが、考える価値があります。
貿易摩擦や関税の話は難しい内容ですが、「得する人と損する人がいる」という視点だけでも伝わると十分です。