日本では毎年のように地震や台風のニュースを目にします。それは日本の地形と気候そのものに理由があります。
5年生の社会科では、日本の国土が山が多く、まわりを海に囲まれ、雨や雪が多いことを学びました。この地形と気候の特徴が、そのまま自然災害の起きやすさにつながっています。
つまり自然災害は「たまたま運が悪い」ものではなく、日本という国土の成り立ちから見えてくる特徴なのです。
日本で起こる自然災害には、いくつかの種類があります。それぞれの特徴を整理してみましょう。
| 災害 | 主な原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 地震 | 地下のプレートのずれ | 建物のたおれ、火災、液状化 |
| 津波 | 海底で起きた地震 | 沿岸部に大きな波がおしよせる |
| 台風 | 南の海であたたかい空気が上昇 | 強風・大雨をともなって北上 |
| 大雨・洪水 | 梅雨前線や台風による集中豪雨 | 川があふれ、住宅地に水が入る |
| 土砂災害 | 大雨で山の斜面がゆるむ | がけくずれ、土石流 |
| 火山の噴火 | 地下のマグマの活動 | 火山灰、溶岩流 |
1つの災害が別の災害を引き起こすこともあります。たとえば地震のあとに津波が来る、大雨のあとに土砂災害が起きるといった連鎖です。
災害が「いつ・どこで起きるか」を正確に予知することはできません。そこで大切になるのが、あらかじめ危険な場所を知っておくことです。
ハザードマップは、多くの市区町村のホームページで公開されています。自分の家や学校がどんな危険にさらされる可能性があるかを、災害が起きる前に知っておくことが防災の第一歩です。地図を見るだけでなく、実際に避難所まで歩いてみると、道の広さや坂の有無など、地図だけではわからない気づきが得られます。
災害から命を守るための備えは、3つの立場から考えることができます。
大きな災害が起きたとき、消防や警察がすぐに全員のところへ駆けつけられるとは限りません。だからこそ、自分の身は自分で守る「自助」と、近所どうしで支え合う「共助」が、公助と同じくらい重要だと考えられています。
国や自治体は、災害の被害を減らすためにさまざまな対策を進めています。
「災害をゼロにする」ことはできませんが、被害を小さくする「減災」という考え方が、今の防災の中心になっています。堤防やダムだけに頼るのではなく、危険な場所には住まない、早めに避難するといった一人ひとりの行動も、減災には欠かせません。
地域によって、力を入れている対策も変わります。海に面した地域では、津波が来たときに短時間で登れる津波避難タワーを設置しているところがあります。山あいの地域では、土砂災害の前ぶれを検知するセンサーや、危険な斜面を補強する工事が行われています。都市部では、地下街や地下鉄が浸水したときにどう避難するかという課題があり、防水扉や排水ポンプの整備が進められています。同じ「自然災害への備え」でも、その土地の地形や暮らし方によって、必要な工夫がちがうことがわかります。
災害の種類は地域によってちがいます。
海に近い地域は津波、山に近い地域は土砂災害というように、その土地の地形によって注意すべき災害が変わります。
ハザードマップは予想される危険を示す地図であり、安全を保証するものではありません。想定をこえる災害が起きることもあります。
大きな災害では、公的な救助がすぐに来られないこともあります。自助・共助も同じくらい大切だと理解しましょう。
避難訓練や家庭での話し合いなど、子どもにもできる備えがあります。自分の通学路の危険な場所を知っておくことも立派な防災です。
ニュースでは「記録的な大雨」「これまでにない強さの台風」という言葉をよく耳にします。
その背景には、地球規模の気候の変化にともなって雨の降り方が急に激しくなること(局地的大雨)が増えているという指摘があります。理科で学ぶ天気の変化の学習ともつながる視点です。
Q1 日本で自然災害が多い理由を、国土の特徴から2つ説明しましょう。
A 山が多く川の流れが急なこと、まわりを海に囲まれていることなどです(プレートが集まる場所にあることも理由です)。
Q2 ハザードマップには何が示されていますか。
A 浸水や土砂災害の危険がある場所、避難所・避難ルートなどです。
Q3 自助・共助・公助のちがいを説明しましょう。
A 自助は自分や家族で身を守ること、共助は地域の人どうしで助け合うこと、公助は国や自治体による支援です。
Q4 「減災」とはどういう考え方ですか。
A 災害をゼロにはできなくても、被害をできるだけ小さくしようとする考え方です。
この単元は、5年生で学ぶ「日本の国土の地形・気候」の知識を、防災という実生活に直結するテーマへつなげる学習です。地形や気候の学びが「ただの暗記」で終わらず、「だからこの地域はこの災害に注意が必要」という理解につながるかがポイントになります。
お住まいの市区町村のハザードマップを、ぜひ親子で一緒に確認してみてください。自宅や学校がどんな危険にさらされる可能性があるか、避難所までの道のりはどこかを話し合っておくことは、そのまま実践的な防災学習になります。
非常持ち出し袋の中身を一緒に見直したり、家族の集合場所を決めたりすることも、「自助」の具体的な一歩です。学校で行われる避難訓練についても、ふだんから家庭で話題にしておくと、いざというときの行動につながりやすくなります。