工業は、たくさんの人と工場が協力して成り立っています。
工業は、作るものによって分けられます。
| 分類 | 種類 | 作るもの |
|---|---|---|
| 重化学工業 | 金属工業 | 鉄、アルミ |
| 機械工業 | 自動車、電気製品、船 | |
| 化学工業 | プラスチック、薬、肥料 | |
| 軽工業 | 食料品工業 | 加工食品、飲料 |
| せんい工業 | 布、衣類 | |
| その他 | 紙、印刷、木製品 |
日本では、機械工業が最も大きな割合を占めています。とくに自動車工業が中心です。
工業の中身は、時代とともに変わってきました。
より高度な技術を要するものへと移ってきたのです。
日本の工業は、太平洋側の海沿いに集中しています。
なぜ海沿いなのでしょうか。理由ははっきりしています。
いちばん大きいのは①の原料の輸入です。
日本は資源が少ない国です。鉄を作る鉄鉱石も、燃料の石油も、ほとんど輸入しています。船で運ばれてくるので、港のそばに工場を作るのが合理的なのです。
とくに中京工業地帯は、日本一の生産額をほこります。自動車工業が中心で、愛知県豊田市には巨大な自動車工場があります。
自動車工場では、流れ作業(ライン生産)で車が作られます。
ポイントは、ラインが動き続けることです。車体がベルトコンベアで流れ、各持ち場で決められた作業を行います。
そして、ロボットと人の分担にも理由があります。
それぞれの得意なことを分担しているのです。
1台の自動車には、約3万個の部品が使われています。
これらをすべて自動車会社が作っているわけではありません。
この関係を関連工場といいます。多くは中小工場です。
| 大工場 | 中小工場 | |
|---|---|---|
| 働く人 | 300人以上 | 300人未満 |
| 工場数の割合 | 約1% | 約99% |
| 働く人の割合 | 約30% | 約70% |
| 生産額の割合 | 約50% | 約50% |
工場の99%は中小工場です。日本の工業は、たくさんの小さな工場に支えられているのです。
中小工場には、特別な技術を持つところが多くあります。
大工場だけでは、ものづくりは成り立ちません。お互いに支え合う関係なのです。
そして、ジャストインタイムという方式も特徴的です。
地震や災害で部品工場が止まると、自動車工場も止まってしまうのは、このしくみのためです。
日本の工業には、いくつかの課題があります。
とくに③の技術の継承は深刻です。長年の経験で身につけた技は、簡単には伝わりません。
それでも、新しい取り組みが進んでいます。
とくに自動車の電動化は、大きな転換点です。エンジンが不要になれば、部品の構成が大きく変わります。関連工場のあり方も変わっていきます。
電気自動車の部品数は、ガソリン車の約3分の2と言われます。エンジンや変速機に関わる部品が要らなくなるからです。それらを作ってきた工場は、新しい仕事を探す必要に迫られます。
一方で、電池やモーターの需要は増えます。減る仕事と増える仕事があるのです。変化に対応できるかどうかが、これからの分かれ目になります。
名前と場所だけ覚える。
なぜ海沿いかを理解します。原料の輸入と製品の輸出のためです。
自動車会社がすべて作ると考える。
部品の多くは関連工場(中小工場)が作っています。工場の99%は中小工場です。
どちらに入るか判断できない。
金属・機械・化学が重化学工業、食料品・せんいなどが軽工業です。
Q1 工業地帯が海沿いにある理由は?
A 原料を船で輸入し、製品を輸出するのに便利だからです。
Q2 自動車工場でロボットが担当する作業は?
A 溶接やとそうなど、危険で正確さが必要な作業です。
Q3 工場全体のうち、中小工場は何%ですか。
A 約99%です。日本の工業は中小工場に支えられています。
Q4 身のまわりの製品の「made in」を調べてみましょう。
A 日本製、中国製、東南アジア製など。どこで作られているか分かります。
Q5 ジャストインタイム方式の利点と課題を言いましょう。
A 利点は在庫を持たなくてよいこと。課題は一つの部品工場が止まると全体が止まることです。災害時にこの弱点が表れます。
工業生産は、身のまわりのものがどう作られているかを知る単元です。抽象的になりがちなので、実物とのつながりを意識させると理解が深まります。
製品の裏側にある「made in」の表示を見るのは、手軽で効果的な活動です。日本製のものが意外と少ないことに気づくかもしれません。
自動車工場の見学は、多くのメーカーが受け入れています。ラインが動く様子、ロボットの動き。実際に見ると迫力があり、強く印象に残ります。
「1台の車に3万個の部品」という事実は、子どもにとって驚きです。それだけの部品が世界中から集まり、決められた時間に届く。そのしくみのすごさを一緒に考えてみてください。
電気自動車への転換は、今まさに起きている変化です。ニュースで話題になったとき、この学習と結びつけると理解が深まります。