日本の海はなぜ豊かなのか。そして、なぜとれる魚が減ったのか。
日本の周りの海には、たくさんの魚がいます。それには3つの理由があります。
なぜ潮目がよい漁場なのでしょうか。
とくに三陸沖は、世界三大漁場の一つに数えられるほどの好漁場です。
4年生と前の単元で学んだ通り、日本のEEZは世界6位です。それだけ漁ができる範囲が広いのです。
漁業は、行く距離で分けられます。
| 種類 | 範囲 | 期間 | とれるもの |
|---|---|---|---|
| 沿岸漁業 | 海岸近く | 日帰り | いわし、あじ、たい |
| 沖合漁業 | 数十〜200km | 数日 | さば、いわし、いか |
| 遠洋漁業 | 遠い外国の海 | 数か月〜1年 | まぐろ、かつお |
それぞれの漁獲量は、時代とともに大きく変化しました。
200海里水域(EEZ)の設定は、日本の漁業を大きく変えました。それまで自由に漁をしていた海が、他国の管理下に入ったのです。
その後、沖合漁業が中心になりましたが、それも魚の減少で厳しくなっています。
日本の漁獲量は、ピーク時の3分の1以下になっています。
原因は複数あります。
とくに①のとりすぎは、人間が原因です。
この悪循環を止めるため、ルール作りが進められています。
今とらないことで、将来もとれるようにする。この考え方が広まっています。
とる量に限りがあるなら、育てればよい。そう考えて生まれたのが「育てる漁業」です。
| 養殖漁業 | 栽培漁業 | |
|---|---|---|
| やり方 | 最後まで人が育てる | 途中で海に放す |
| 場所 | いけす、水そう | 育ててから自然の海へ |
| 例 | ぶり、たい、のり、かき、真珠 | さけ、ひらめ、まだい |
| 利点 | 計画的に生産できる | 自然の力も使える |
養殖は、卵から出荷まですべて人の管理下で行います。
栽培漁業は、少しちがう考え方です。
弱い時期だけ守るという発想です。えさ代がかからず、自然に近い形で育ちます。
さけの放流は、この代表例です。川で生まれたさけの稚魚を育てて放し、数年後に戻ってきたところをとります。
とれた魚は、どうやってわたしたちのところへ来るのでしょうか。
この流れで大切なのが鮮度を保つことです。
コールドチェーンといって、産地から店まで冷たいまま運ぶしくみが整っています。
だから、海のない内陸の県でも新鮮な魚が食べられるのです。
そして、加工も重要な産業です。
とった魚をそのまま売るだけでなく、加工して価値を高める取り組みも進んでいます。
日本は、魚をたくさん輸入しています。
なぜ輸入が増えたのでしょうか。
スーパーで見る魚を確かめると、チリ産のさけ、ベトナム産のえび、ノルウェー産のさばなど、世界中から来ていることが分かります。
一方で、日本から輸出している魚もあります。ほたてやぶりは、海外で人気があります。
ここで考えたいことがあります。
これまで、日本はお金を出せば魚が買えました。しかし、それが当たり前ではなくなりつつあります。
だからこそ、国内で育てる漁業の重要性が高まっています。とる漁業から育てる漁業へ、という流れには、こうした背景もあるのです。
どちらも「育てる」ので区別がつかない。
養殖は最後まで人が育てる、栽培漁業は途中で海に放すのがちがいです。
ただ暖流と寒流がぶつかる場所だと覚える。
寒流が運ぶ栄養分でプランクトンが大量に発生するためです。食べ物があるところに生き物が集まります。
「とりすぎ」だけだと思う。
環境変化・200海里・後継者不足など複数の原因が重なっています。
Q1 潮目がよい漁場になるのはなぜですか。
A 寒流の栄養分でプランクトンが増え、それを求めて魚が集まるからです。
Q2 養殖漁業と栽培漁業のちがいは?
A 養殖は最後まで育てる、栽培漁業は途中で海に放す点がちがいます。
Q3 遠洋漁業が減った理由を言いましょう。
A 各国が200海里水域を設定し、他国の海で漁ができなくなったためです。
Q4 スーパーで魚の産地を見て、地図で確かめてみましょう。
A 国産か輸入か、養殖か天然かも書かれています。表示を読む練習にもなります。
水産業は、日本の食文化と直結する内容です。魚を食べる機会に、この学習を思い出させてあげてください。
スーパーの魚売り場は、生きた教材です。産地表示を見れば、どこでとれたかが分かります。「養殖」「天然」の表示も、この単元の内容そのものです。
「なぜ魚が減ったのか」という問いは、環境問題の入り口でもあります。とりすぎ、海水温の上昇、汚染。どれも人間の活動と関わっています。
「持続可能」という考え方も、この単元で自然に学べます。今とらないことで将来もとれる。この発想は、他の資源にも当てはまります。
回転寿司や魚料理を食べるとき、「これはどこから来たんだろう」と話題にするだけでも、学びが深まります。