5年 算数 体積

体積 ── 1cm³がいくつ分。面積と同じ発想が3次元へ

4年生で学んだ面積の考え方が、そのまま立体へ広がります。公式の意味が分かれば忘れません

長さ・面積・体積の関係

ここまで、3つの量を学んできました。並べて見ると、きれいな規則があります。

何を測る単位のもと次元
長さのび1cm の線1次元
面積広さ1cm² の正方形2次元
体積かさ1cm³ の立方体3次元

1cm³(立方センチメートル)は、1辺が1cmの立方体の大きさです。サイコロくらいの小さな立方体を思いうかべてください。

┌─────┐ ╱ ╱│ ┌─────┐ │ 1cm │ │ ╱ │ │╱ 1cm └─────┘ 1cm これが 1cm³

面積が「1cm²がいくつ分」だったように、体積は「1cm³がいくつ分」です。考え方はまったく同じで、方向が1つ増えただけです。

公式が生まれる場所

たて3cm・よこ4cm・高さ2cmの直方体の体積を求めてみましょう。

まず、底に1cm³をしきつめる よこに4個、たてに3列 → 4 × 3 = 12個 これが1段分(高さ1cm分) 高さが2cmなので、2段 → 12 × 2 = 24個 答え: 24cm³

この手順を式にすると、公式になります。

直方体の体積 = たて × よこ × 高さ 「たて × よこ」で1段分の個数 「× 高さ」で段の数

「たて×よこ」は底面積です。だから、こうも書けます。

直方体の体積 = 底面積 × 高さ

この形のほうが、より一般的です。底面が長方形でなくても使えるからです。

立方体の場合は、たて・よこ・高さがすべて同じなので──

立方体の体積 = 1辺 × 1辺 × 1辺

これも、同じ公式の特別な形にすぎません。覚えるのは1つだけでよいのです。

単位換算の落とし穴

面積のときと同じ罠が、体積でも待っています。

長さ: 1m = 100cm 体積: 1m³ = ? cm³ × 100cm³ × 10000cm³ ○ 1000000cm³(100万)

なぜでしょうか。図で確かめます。

1m³ は 1辺が1m=100cm の立方体 たて100 × よこ100 × 高さ100 = 1000000cm³

3方向すべてが100倍になるので、100×100×100=100万倍です。

1mを100cmにすると倍率
長さ100倍100
面積100の2乗倍10000
体積100の3乗倍1000000

次元の数だけ、かける回数が増える。この規則を知っていれば、暗記は不要です。

図で確かめるのが確実

単位換算を丸暗記すると、必ずどこかで混乱します。
迷ったら、1辺が何倍になったかを考え、それを次元の数だけかける。
長さは1回、面積は2回、体積は3回。
1m³=1000000cm³ という数字を覚えるより、100×100×100 と計算できるほうが確実です。

かさと体積がつながる

2年生で学んだかさの単位(L・dL・mL)を覚えているでしょうか。実は、体積と同じものです。

1mL = 1cm³ 1L = 1000mL = 1000cm³ 1L = 1辺10cmの立方体 (10 × 10 × 10 = 1000cm³)

この関係は、非常に重要です。かさと体積という別々に学んできたものが、ここで一本につながります。

もっと大きな単位も見ておきましょう。

1m³ = 1000000cm³ = 1000L 1辺1mの水そうには 1000L(1トン)の水が入る

水1Lの重さは約1kgなので、1m³の水は約1トンです。この関係も覚えておくと便利です。

そして、容積という言葉も出てきます。

体積 … その物自体の大きさ 容積 … 中に入る量 水そうの場合 体積 → ガラスも含めた全体 容積 → 水が入る部分だけ → 容積は「内のり」で測る

入れ物の場合、厚みの内側を測ります。これを「内のり」といいます。厚さ1cmの板でできた箱なら、外側の長さから左右の板の厚み(1cm×2)を引いた長さで計算します。

複雑な形の体積

公式が使えない形も出てきます。面積のときと同じ方法が使えます。

【方法1】分ける ┌───┐ │ A │ │ ├────┐ │ B │ └────────┘ AとBに分けて、それぞれ計算して足す 【方法2】引く 大きな直方体から、 欠けた部分を引く

どちらでも同じ答えになります。やりやすいほうを選ぶのは、面積のときと同じです。

もう一つ、水を使って測る方法もあります。

石の体積を測りたい ① 水そうに水を入れて、水位を記録 ② 石をしずめる ③ 上がった分の水の体積 = 石の体積 例:水面が2cm上がった 水そうの底面が10cm×10cm → 10 × 10 × 2 = 200cm³

不規則な形でも、水におきかえれば測れます。これは古代ギリシャの学者アルキメデスが発見したと伝えられる方法です。

「形が複雑でも、量は測れる」──これは大切な発想です。

体積の感覚を持つ

体積は、実感しにくい量です。基準を持っておくと役立ちます。

ものだいたいの体積
サイコロ1個約1〜3cm³
牛乳パック(1L)1000cm³
ランドセル約20000cm³
おふろの湯ぶね約200L(0.2m³)
教室約200m³
25mプール約400m³

とくに牛乳パック=1L=1000cm³は、身近で分かりやすい基準です。1辺10cmの立方体とほぼ同じ体積だと知っておくと、いろいろな場面で使えます。

そして、実際に測ってみることが感覚を育てます。自分の部屋、水そう、お弁当箱。測って計算すると、数値と大きさが結びつきます。

面白いのは、同じ体積でも形はいろいろだということです。

体積24cm³の直方体 1 × 1 × 24 1 × 2 × 12 2 × 2 × 6 2 × 3 × 4 ← 立方体に近い すべて体積は24cm³

そして、同じ体積でも表面積はちがいます。細長い形ほど表面積が大きく、立方体に近いほど小さくなります。

これは実生活と関係があります。同じ量を入れる箱を作るなら、立方体に近い形のほうが材料が少なくて済むのです。段ボール箱が正方形に近い形をしていることが多いのは、そのためです。

つまずきやすいところ

その1 単位換算を間違える

1m³=10000cm³としてしまう。
3方向すべてが100倍なので、100の3乗=100万倍です。図をかいて確かめます。

その2 容積で外側を測る

板の厚みを考えずに計算する。
容積は内のりで測ります。厚みの分を引くのを忘れないようにします。

その3 単位を書き忘れる

「24」とだけ書いて、cm³を付けない。
体積には必ず単位が必要です。しかも「³」まで。面積のcm²と混同しないよう注意します。

やってみよう

Q1 直方体の体積の公式を言いましょう。

A たて × よこ × 高さ(=底面積 × 高さ)です。

Q2 1m³は何cm³ですか。

A 100×100×100=1000000cm³です。100万です。

Q3 1Lは何cm³ですか。

A 1000cm³。1辺10cmの立方体と同じです。

Q4 石の体積を測る方法を考えましょう。

A 水にしずめて、上がった水の体積を計算します。形が複雑でも測れます。

まとめ

おうちの方へ

体積は、4年生の面積の考え方をそのまま3次元に広げた単元です。「1cm³がいくつ分」という発想が理解できていれば、公式は自然に出てきます。
1cm³の立方体(積み木やサイコロ)が手元にあると、理解が早まります。実際にしきつめて数えてみると、公式の意味が体で分かります。
単位換算は、多くの子がつまずきます。「長さは100倍、面積は100の2乗倍、体積は100の3乗倍」という規則を、図とセットで教えてあげてください。
1L=1000cm³という関係も重要です。牛乳パックが1辺10cmの立方体とほぼ同じ体積だと知ると、日常の量が算数とつながります。
お風呂の湯量やペットボトルの容量など、身近な数値を計算してみるのもおすすめです。