小学校算数最大の難所です。でも、つまずく理由ははっきりしています。
割合とは、ある量が、基準の量の何倍にあたるかを表した数です。
実は、4年生で学んだ「倍の見方」と同じことです。
新しい概念ではありません。言い方が変わっただけなのです。
0.75倍も75%も、まったく同じ意味です。
では、なぜ多くの子がつまずくのでしょうか。理由は一つです。
公式は簡単です。基準を見分けられるかどうかで決まります。
もとにする量を見つける方法は、いくつかあります。
4年生でも学んだ方法です。日本語の「の」が基準を示します。
先にあるもの、大きいもの、全体が基準になることが多いです。
それでも迷ったら、線分図をかきます。
図をかけば、どちらが基準か目で見て分かります。迷ったら図です。
割合には、いくつかの表し方があります。
| 小数 | 百分率 | 歩合 |
|---|---|---|
| 1 | 100% | 10割 |
| 0.5 | 50% | 5割 |
| 0.25 | 25% | 2割5分 |
| 0.1 | 10% | 1割 |
| 0.01 | 1% | 1分 |
| 0.001 | 0.1% | 1厘 |
百分率は、基準を100としたときの数です。
歩合は、野球の打率やお店の割引でよく使われます。
計算するときは、すべて小数に直すのが確実です。%のまま計算しようとすると混乱します。
割合の問題には、3つのパターンがあります。
3つ覚えるのが大変なら、1つだけ覚えます。
速さのときと同じ考え方です。かけ算の形を1つ覚えて、あとは逆算。
とくに③のもとにする量を求める問題が難しいと言われます。
ポイントは、「20%引き」を「80%」に直すことです。引く前に、何倍になったかを考えます。
割合でよく出るのが、増えた・減ったの表現です。
1をもとにして、足すか引くか。この形にすると、1回のかけ算で求められます。
どちらでも正解ですが、1段階のほうがミスが少ないです。
1000円の商品を、20%引きしてから20%増しにすると、元の1000円に戻るでしょうか。
1000 × 0.8 = 800円
800 × 1.2 = 960円
960円で、元に戻りません。
なぜなら、基準が変わっているからです。最初の20%は1000円の20%(200円)、次の20%は800円の20%(160円)。同じ「20%」でも金額がちがうのです。
これが割合の落とし穴です。%は必ず「何の%か」を確認する必要があります。
割合を表すグラフには、2種類あります。
どちらも、全体を100%として、その内訳を示します。
| 帯グラフ | 円グラフ | |
|---|---|---|
| 形 | 横長の長方形 | 円 |
| 得意なこと | 年ごとの比較 | 全体の内訳 |
| 並べ方 | 多い順(その他は最後) | 多い順に時計回り |
かくときのルールがあります。
読むときの注意点もあります。%だけでは実数が分からないということです。
もとにする量がちがえば、同じ%でも量はちがいます。グラフを見るときは、全体が何かを必ず確認します。
どちらでわるか迷う。
「〜の」の前が基準です。それでも迷ったら線分図をかきます。
20%を20として計算してしまう。
小数に直してから計算します。20%は0.2です。
かけるかわるか分からなくなる。
「基準×割合=結果」の式に当てはめ、□を使って逆算します。
Q1 割合の式を言いましょう。
A くらべる量 ÷ もとにする量。4年生の「何倍か」と同じです。
Q2 0.35を百分率で表しましょう。
A 100倍して35%です。歩合なら3割5分。
Q3 1500円の30%引きはいくらですか。
A 1500 × 0.7 = 1050円。1-0.3=0.7をかけます。
Q4 20%引きしてから20%増しにすると、元に戻りますか。
A 戻りません。基準が変わるためです。0.8×1.2=0.96で、元より小さくなります。
Q5 スーパーのチラシを見て、割引後の値段を計算してみましょう。
A 「2割引」なら0.8倍、「3割引」なら0.7倍。1回のかけ算で求められます。実際のレシートと比べると確かめられます。
割合は、小学校算数で最も多くの子がつまずく単元です。しかし、原因ははっきりしています。「もとにする量」が分からないことです。
公式を覚えさせる前に、基準を見分ける練習をたっぷりさせてください。「〜の」に印をつける、線分図をかく。この2つで、かなり改善します。
買い物は最良の実践の場です。「30%引きっていくら?」「もとの値段はいくらだった?」と聞いてみてください。実生活の必要があると、真剣に取り組めます。
「20%引きしてから20%増しでは元に戻らない」という話は、大人でも誤解しがちです。基準が変わるという本質が、この例でよく分かります。
この単元は時間をかける価値があります。6年生の比、中学の方程式、そして社会生活のすべてにつながる力です。