5年 算数 割合

割合 ── 「もとにする量」を見つけられれば、勝ち

小学校算数最大の難所です。でも、つまずく理由ははっきりしています。

割合とは何か

割合とは、ある量が、基準の量の何倍にあたるかを表した数です。

実は、4年生で学んだ「倍の見方」と同じことです。

割合 = くらべる量 ÷ もとにする量 (4年生の「何倍か」と同じ式)

新しい概念ではありません。言い方が変わっただけなのです。

定員40人のバスに 30人乗っている 30 ÷ 40 = 0.75 → 定員の0.75倍 → 定員の75% → 割合は0.75

0.75倍も75%も、まったく同じ意味です。

では、なぜ多くの子がつまずくのでしょうか。理由は一つです。

「どちらが もとにする量 か」 が分からない

公式は簡単です。基準を見分けられるかどうかで決まります。

基準を見分ける

もとにする量を見つける方法は、いくつかあります。

方法1:「〜の」の前を探す

「定員の何%か」 → 定員が基準 「もとの値段の何%引き」 → もとの値段が基準 「全体の何割か」 → 全体が基準

4年生でも学んだ方法です。日本語の「の」が基準を示します

方法2:「〜をもとにして」を探す

「昨年をもとにすると」 → 昨年が基準 「定価に対して」 → 定価が基準

方法3:意味で考える

全体と部分があれば、全体が基準 前と後があれば、前が基準 定価と売値があれば、定価が基準

先にあるもの、大きいもの、全体が基準になることが多いです。

それでも迷ったら、線分図をかきます

定員40人 ├──────────────────┤ ← 1(基準) 乗客30人 ├─────────────┤ ← 0.75 基準を「1」として、 もう一方が何倍かを見る

図をかけば、どちらが基準か目で見て分かります。迷ったら図です。

百分率と歩合

割合には、いくつかの表し方があります。

小数百分率歩合
1100%10割
0.550%5割
0.2525%2割5分
0.110%1割
0.011%1分
0.0010.1%1厘

百分率は、基準を100としたときの数です。

小数 → 百分率: ×100 して % をつける 百分率 → 小数: ÷100 する 0.32 → 32% 85% → 0.85

歩合は、野球の打率やお店の割引でよく使われます。

割 → 0.1 分 → 0.01 厘 → 0.001 3割2分 = 0.32 1割5分引き = 0.15引き

計算するときは、すべて小数に直すのが確実です。%のまま計算しようとすると混乱します。

3つの形

割合の問題には、3つのパターンがあります。

① 割合を求める くらべる量 ÷ もとにする量 ② くらべる量を求める もとにする量 × 割合 ③ もとにする量を求める くらべる量 ÷ 割合

3つ覚えるのが大変なら、1つだけ覚えます

もとにする量 × 割合 = くらべる量 基準 × 何倍 = 結果 これだけ覚えれば、 □を使って他も導ける

速さのときと同じ考え方です。かけ算の形を1つ覚えて、あとは逆算

とくに③のもとにする量を求める問題が難しいと言われます。

問題:定価の20%引きで買ったら 1200円だった。定価は? 20%引き → 定価の80%で買った → 0.8倍 が 1200円 定価 × 0.8 = 1200 定価 = 1200 ÷ 0.8 = 1500円

ポイントは、「20%引き」を「80%」に直すことです。引く前に、何倍になったかを考えます。

増減の表し方

割合でよく出るのが、増えた・減ったの表現です。

【〜%増し】 もとの量 × (1 + 割合) 20%増し → ×1.2 【〜%引き(減)】 もとの量 × (1 - 割合) 20%引き → ×0.8

1をもとにして、足すか引くか。この形にすると、1回のかけ算で求められます。

2000円の20%引き 【2段階】 2000 × 0.2 = 400(引く額) 2000 - 400 = 1600円 【1段階】 2000 × 0.8 = 1600円 ← 速い

どちらでも正解ですが、1段階のほうがミスが少ないです。

%引きのあとの%増しは元に戻らない

1000円の商品を、20%引きしてから20%増しにすると、元の1000円に戻るでしょうか。
1000 × 0.8 = 800円
800 × 1.2 = 960円
960円で、元に戻りません
なぜなら、基準が変わっているからです。最初の20%は1000円の20%(200円)、次の20%は800円の20%(160円)。同じ「20%」でも金額がちがうのです。
これが割合の落とし穴です。%は必ず「何の%か」を確認する必要があります。

グラフで表す

割合を表すグラフには、2種類あります。

【帯グラフ】 ┌────┬─────┬───┬──┐ │ 40% │ 30% │20%│10%│ └────┴─────┴───┴──┘ 0 20 40 60 80 100 → 年ごとの変化を比べやすい 【円グラフ】 /‾‾\ / A \ | 40% | \ B C/ \__/ → 全体の中の割合が見やすい

どちらも、全体を100%として、その内訳を示します。

帯グラフ円グラフ
横長の長方形
得意なこと年ごとの比較全体の内訳
並べ方多い順(その他は最後)多い順に時計回り

かくときのルールがあります。

・割合の大きい順に並べる ・「その他」は必ず最後 ・合計が100%になるか確認 ・円グラフは真上(12時)から時計回り

読むときの注意点もあります。%だけでは実数が分からないということです。

A校: 賛成60%(全校100人 → 60人) B校: 賛成60%(全校500人 → 300人) 同じ60%でも人数はちがう

もとにする量がちがえば、同じ%でも量はちがいます。グラフを見るときは、全体が何かを必ず確認します。

つまずきやすいところ

その1 もとにする量が分からない

どちらでわるか迷う。
「〜の」の前が基準です。それでも迷ったら線分図をかきます。

その2 %のまま計算する

20%を20として計算してしまう。
小数に直してから計算します。20%は0.2です。

その3 もとにする量を求める問題ができない

かけるかわるか分からなくなる。
「基準×割合=結果」の式に当てはめ、□を使って逆算します。

やってみよう

Q1 割合の式を言いましょう。

A くらべる量 ÷ もとにする量。4年生の「何倍か」と同じです。

Q2 0.35を百分率で表しましょう。

A 100倍して35%です。歩合なら3割5分。

Q3 1500円の30%引きはいくらですか。

A 1500 × 0.7 = 1050円。1-0.3=0.7をかけます。

Q4 20%引きしてから20%増しにすると、元に戻りますか。

A 戻りません。基準が変わるためです。0.8×1.2=0.96で、元より小さくなります。

Q5 スーパーのチラシを見て、割引後の値段を計算してみましょう。

A 「2割引」なら0.8倍、「3割引」なら0.7倍。1回のかけ算で求められます。実際のレシートと比べると確かめられます。

まとめ

おうちの方へ

割合は、小学校算数で最も多くの子がつまずく単元です。しかし、原因ははっきりしています。「もとにする量」が分からないことです。
公式を覚えさせる前に、基準を見分ける練習をたっぷりさせてください。「〜の」に印をつける、線分図をかく。この2つで、かなり改善します。
買い物は最良の実践の場です。「30%引きっていくら?」「もとの値段はいくらだった?」と聞いてみてください。実生活の必要があると、真剣に取り組めます。
「20%引きしてから20%増しでは元に戻らない」という話は、大人でも誤解しがちです。基準が変わるという本質が、この例でよく分かります。
この単元は時間をかける価値があります。6年生の比、中学の方程式、そして社会生活のすべてにつながる力です。