5年 算数 偶数と奇数・倍数と約数

偶数と奇数・倍数と約数 ── かけ算の世界と、わり算の世界

整数を「分け方」で見る単元です。次の分数の計算に直結します。

偶数と奇数

まず、整数を2つに分けます。

偶数 … 2でわりきれる整数 0, 2, 4, 6, 8, 10, … 奇数 … 2でわりきれない整数 1, 3, 5, 7, 9, 11, …

整数は、必ずどちらか一方です。両方であることも、どちらでもないこともありません

見分け方は簡単です。一の位だけを見ればよいのです。

一の位が 0,2,4,6,8 → 偶数 一の位が 1,3,5,7,9 → 奇数 38472 → 一の位が2 → 偶数 10001 → 一の位が1 → 奇数

なぜ一の位だけでよいのでしょうか。十の位より上は必ず2でわりきれるからです。10も100も1000も、2でわりきれます。だから、残るのは一の位だけなのです。

そして、偶数と奇数には計算のきまりがあります。

偶数 + 偶数 = 偶数 奇数 + 奇数 = 偶数 ← 注意! 偶数 + 奇数 = 奇数 偶数 × どんな数 = 偶数 奇数 × 奇数 = 奇数

奇数+奇数が偶数になるのは意外に感じるかもしれません。3+5=8、7+9=16。確かに偶数です。奇数は「偶数+1」なので、2つ足すと余りの1どうしが合わさって2になり、偶数になるのです。

倍数──いくらでも続く

倍数とは、ある数を整数倍した数です。

3の倍数 3, 6, 9, 12, 15, 18, 21, … → 3 × 1, 3 × 2, 3 × 3, … → 限りなく続く

大事な特徴は、倍数には終わりがないことです。いくらでも大きくなります。

だから「3の倍数をすべて書きなさい」という問題は成り立ちません。「小さい順に5つ」のように、必ず範囲が指定されます。

ちなみに、0を倍数に含めるかは約束の問題です。小学校では、ふつう0は含めず、1倍から数えます。

公倍数と最小公倍数

2つの数に共通する倍数を、公倍数といいます。

4の倍数: 4, 8, 12, 16, 20, 24, 28, … 6の倍数: 6, 12, 18, 24, 30, … 共通: 12, 24, 36, … → 4と6の公倍数 いちばん小さいもの = 12 → 最小公倍数

ここで重要なのは、公倍数は最小公倍数の倍数になっていることです。12, 24, 36…はすべて12の倍数です。

だから、最小公倍数さえ分かれば、他の公倍数もすぐ分かります

約数──限りがある

約数とは、ある数をわりきることができる整数です。

12の約数 1, 2, 3, 4, 6, 12 12 ÷ 1 = 12 ○ 12 ÷ 2 = 6 ○ 12 ÷ 3 = 4 ○ 12 ÷ 4 = 3 ○ 12 ÷ 5 = 2あまり2 × 12 ÷ 6 = 2 ○ 12 ÷ 12 = 1 ○

倍数とちがい、約数には限りがあります。必ず全部書き出せます。

倍数約数
作り方かけ算わり算
限りなくある限りがある
大きさ元の数以上元の数以下
必ず含む元の数自身1と元の数自身

約数を書き出すときは、ペアで探すと落としません。

18の約数を探す 1 × 18 → 1と18 2 × 9 → 2と9 3 × 6 → 3と6 4 → わりきれない 5 → わりきれない (6を超えたら、もう新しいペアはない) 答え: 1, 2, 3, 6, 9, 18

小さい数から順に試し、ペアの大きい方と小さい方が近づいたら終わりです。

公約数と最大公約数

12の約数: 1, 2, 3, 4, 6, 12 18の約数: 1, 2, 3, 6, 9, 18 共通: 1, 2, 3, 6 → 12と18の公約数 いちばん大きいもの = 6 → 最大公約数

そして、公約数は最大公約数の約数になっています。1, 2, 3, 6はすべて6の約数です。

素数という特別な数

約数が1と自分自身の2つだけという数があります。これを素数といいます。

素数 2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, … 1 は素数ではない (約数が1つしかない) 2 は唯一の偶数の素数

素数は、数の「原子」のような存在です。どんな整数も、素数のかけ算で表せます。

12 = 2 × 2 × 3 18 = 2 × 3 × 3 60 = 2 × 2 × 3 × 5 これを素因数分解という(中学で学ぶ)

この形にすると、最大公約数と最小公倍数が機械的に求められます。

12 = 2 × 2 × 3 18 = 2 × 3 × 3 共通部分: 2 × 3 = 6 → 最大公約数 全部集める: 2 × 2 × 3 × 3 = 36 → 最小公倍数

小学校では習いませんが、知っておくと便利な方法です。

すだれ算という方法

最大公約数と最小公倍数を求める、便利な計算法があります。
2つの数を並べて、共通の約数で次々わっていきます。

2 ) 12 18
3 )  6  9
   2  3

左に並んだ数(2×3=6)が最大公約数
左と下をL字にかけた数(2×3×2×3=36)が最小公倍数です。
慣れると非常に速く求められます。

何の役に立つのか

この単元は、次の単元ですぐに使います

【約分】← 最大公約数を使う 18/24 を約分する → 18と24の最大公約数は6 → 両方6でわって 3/4 【通分】← 最小公倍数を使う 1/4 + 1/6 を計算する → 4と6の最小公倍数は12 → 3/12 + 2/12 = 5/12

分数の計算ができるかどうかは、倍数と約数が分かっているかで決まります。ここをしっかり固めておきましょう。

そして、生活の中にも使う場面があります。

【最小公倍数を使う場面】 ・2つのバスが同時に出発する時刻 (5分おきと8分おき → 40分ごと) ・タイルをしきつめて正方形を作る 【最大公約数を使う場面】 ・長方形の土地を同じ大きさの 正方形に分ける ・あめ24個とガム18個を、 あまりなく同じ数ずつ配れる人数

「同時に起こるのはいつ?」なら公倍数、「あまりなく分けるには?」なら公約数。問題の言葉で見分けられます

つまずきやすいところ

その1 倍数と約数を混同する

どちらがどちらか分からなくなる。
倍数はかけ算で増える、約数はわり算で限りがある。「倍」という字が「増える」を表しています。

その2 約数を書き落とす

18の約数で9を忘れるなど。
ペアで探します。1×18、2×9、3×6と順に。ペアで書けば落としません。

その3 最小公倍数を大きく取りすぎる

4と6の最小公倍数を24としてしまう。
24も公倍数ですが、最小は12です。小さい方から順に共通するものを探します。

やってみよう

Q1 倍数と約数のちがいを言いましょう。

A 倍数はかけ算で作り、限りなくある。約数はわりきれる数で、限りがある

Q2 24の約数をすべて書きましょう。

A 1×24、2×12、3×8、4×6 なので1,2,3,4,6,8,12,24です。

Q3 6と8の最小公倍数は?

A 6,12,18,24/8,16,24 なので24です。

Q4 あめ20個とガム30個を、あまりなく同じ数ずつ配れる最大の人数は?

A 20と30の最大公約数なので10人です。

まとめ

おうちの方へ

この単元は、それ自体は地味ですが、分数の計算の前提になります。ここが不十分だと、通分・約分でつまずきます。
約数を求めるとき、書き落としが多いのが典型的なつまずきです。「ペアで探す」方法を習慣づけてあげてください。1×24、2×12、3×8、4×6と書いていけば、落としようがありません。
九九があやふやだと、約数探しに時間がかかります。この単元で九九の弱点が露呈することもあるので、必要なら戻って確認してください。
生活の中の例(バスの時刻、あまりなく分ける)を一緒に考えると、何のために学ぶのかが見えてきます。
素数の話は教科書の範囲外ですが、興味を持つ子には面白い話題です。「どんな数も素数のかけ算で作れる」という事実は、数の世界の奥深さを感じさせます。