整数を「分け方」で見る単元です。次の分数の計算に直結します。
まず、整数を2つに分けます。
整数は、必ずどちらか一方です。両方であることも、どちらでもないこともありません。
見分け方は簡単です。一の位だけを見ればよいのです。
なぜ一の位だけでよいのでしょうか。十の位より上は必ず2でわりきれるからです。10も100も1000も、2でわりきれます。だから、残るのは一の位だけなのです。
そして、偶数と奇数には計算のきまりがあります。
奇数+奇数が偶数になるのは意外に感じるかもしれません。3+5=8、7+9=16。確かに偶数です。奇数は「偶数+1」なので、2つ足すと余りの1どうしが合わさって2になり、偶数になるのです。
倍数とは、ある数を整数倍した数です。
大事な特徴は、倍数には終わりがないことです。いくらでも大きくなります。
だから「3の倍数をすべて書きなさい」という問題は成り立ちません。「小さい順に5つ」のように、必ず範囲が指定されます。
ちなみに、0を倍数に含めるかは約束の問題です。小学校では、ふつう0は含めず、1倍から数えます。
2つの数に共通する倍数を、公倍数といいます。
ここで重要なのは、公倍数は最小公倍数の倍数になっていることです。12, 24, 36…はすべて12の倍数です。
だから、最小公倍数さえ分かれば、他の公倍数もすぐ分かります。
約数とは、ある数をわりきることができる整数です。
倍数とちがい、約数には限りがあります。必ず全部書き出せます。
| 倍数 | 約数 | |
|---|---|---|
| 作り方 | かけ算 | わり算 |
| 数 | 限りなくある | 限りがある |
| 大きさ | 元の数以上 | 元の数以下 |
| 必ず含む | 元の数自身 | 1と元の数自身 |
約数を書き出すときは、ペアで探すと落としません。
小さい数から順に試し、ペアの大きい方と小さい方が近づいたら終わりです。
そして、公約数は最大公約数の約数になっています。1, 2, 3, 6はすべて6の約数です。
約数が1と自分自身の2つだけという数があります。これを素数といいます。
素数は、数の「原子」のような存在です。どんな整数も、素数のかけ算で表せます。
この形にすると、最大公約数と最小公倍数が機械的に求められます。
小学校では習いませんが、知っておくと便利な方法です。
最大公約数と最小公倍数を求める、便利な計算法があります。
2つの数を並べて、共通の約数で次々わっていきます。
2 ) 12 18
3 ) 6 9
2 3
左に並んだ数(2×3=6)が最大公約数。
左と下をL字にかけた数(2×3×2×3=36)が最小公倍数です。
慣れると非常に速く求められます。
この単元は、次の単元ですぐに使います。
分数の計算ができるかどうかは、倍数と約数が分かっているかで決まります。ここをしっかり固めておきましょう。
そして、生活の中にも使う場面があります。
「同時に起こるのはいつ?」なら公倍数、「あまりなく分けるには?」なら公約数。問題の言葉で見分けられます。
どちらがどちらか分からなくなる。
倍数はかけ算で増える、約数はわり算で限りがある。「倍」という字が「増える」を表しています。
18の約数で9を忘れるなど。
ペアで探します。1×18、2×9、3×6と順に。ペアで書けば落としません。
4と6の最小公倍数を24としてしまう。
24も公倍数ですが、最小は12です。小さい方から順に共通するものを探します。
Q1 倍数と約数のちがいを言いましょう。
A 倍数はかけ算で作り、限りなくある。約数はわりきれる数で、限りがある。
Q2 24の約数をすべて書きましょう。
A 1×24、2×12、3×8、4×6 なので1,2,3,4,6,8,12,24です。
Q3 6と8の最小公倍数は?
A 6,12,18,24/8,16,24 なので24です。
Q4 あめ20個とガム30個を、あまりなく同じ数ずつ配れる最大の人数は?
A 20と30の最大公約数なので10人です。
この単元は、それ自体は地味ですが、分数の計算の前提になります。ここが不十分だと、通分・約分でつまずきます。
約数を求めるとき、書き落としが多いのが典型的なつまずきです。「ペアで探す」方法を習慣づけてあげてください。1×24、2×12、3×8、4×6と書いていけば、落としようがありません。
九九があやふやだと、約数探しに時間がかかります。この単元で九九の弱点が露呈することもあるので、必要なら戻って確認してください。
生活の中の例(バスの時刻、あまりなく分ける)を一緒に考えると、何のために学ぶのかが見えてきます。
素数の話は教科書の範囲外ですが、興味を持つ子には面白い話題です。「どんな数も素数のかけ算で作れる」という事実は、数の世界の奥深さを感じさせます。