5年 算数 分数のたし算・ひき算

分数のたし算・ひき算 ── 単位をそろえれば、足せる

分母がちがう分数は、そのままでは足せません。そろえてから計算する──1年生からの原則です。

なぜそのままでは足せないのか

4年生で、分母が同じ分数のたし算を学びました。

2/7 + 3/7 = 5/7 「7分の1」が2個と3個 → 合わせて5個

では、分母がちがうとどうでしょうか。

1/2 + 1/3 = ? 「2分の1」が1個 「3分の1」が1個 → 大きさのちがうものを足そうとしている → そのままでは足せない

これは、1mと1cmを足せないのと同じです。

1m + 1cm = 2? ← ちがう 100cm + 1cm = 101cm (単位をそろえてから足す)

分数も同じです。分母をそろえてから足す。それだけのことなのです。

ちなみに、答えを予想してみましょう。1/2は0.5、1/3は約0.33。合わせて約0.83です。2/5(=0.4)にはなりません。分母どうしを足すのが間違いだと、これで分かります。

大きさの等しい分数

分母をそろえるために、まず知っておくべきことがあります。

1/2 = 2/4 = 3/6 = 4/8 = … 見た目はちがうが、大きさは同じ

なぜでしょうか。図で確かめます。

1/2 ├────■────┤ 2/4 ├──■─┼──■──┤ ← 分け方が細かいだけ ケーキを2等分した1つ分と 4等分した2つ分は同じ大きさ

ここから、大事な性質が分かります。

分母と分子に 同じ数をかけても、わっても、 分数の大きさは変わらない 1 1×2 2 ─ = ─── = ─ 2 2×2 4

これは、4年生で学んだわり算の性質と同じです。分数は「わり算」でもあるので、当然といえます。

わり算の性質 6 ÷ 3 = 12 ÷ 6 = 2 分数で書くと 6/3 = 12/6 = 2 同じことを言っている

この性質を使って、分母を自由に変えられるのです。

通分──分母をそろえる

分母をそろえることを通分といいます。

1/2 + 1/3 2と3の最小公倍数は6 → 分母を6にそろえる 1/2 = 3/6 (分母分子を3倍) 1/3 = 2/6 (分母分子を2倍) 3/6 + 2/6 = 5/6

ここで、前の単元で学んだ最小公倍数が登場します。倍数と約数の学習が、ここで役に立つのです。

通分のときは、最小公倍数を使うのが基本です。

1/4 + 1/6 【最小公倍数12を使う】 3/12 + 2/12 = 5/12 ← 簡単 【4×6=24を使っても間違いではない】 6/24 + 4/24 = 10/24 → 約分して 5/12 ← 手間が増える

どちらでも答えは同じですが、最小公倍数を使うほうが計算が楽です。

片方の分母がもう片方の倍数になっている場合は、さらに簡単です。

1/3 + 1/6 6は3の倍数 → 分母を6にそろえるだけ 2/6 + 1/6 = 3/6 = 1/2

約分──できるだけ簡単に

計算した答えは、これ以上わりきれない形にします。これを約分といいます。

6/8 → 2でわる → 3/4 6と8の最大公約数は2 → 両方を2でわる

ここでも、前の単元の最大公約数が使われます。

18/24 を約分する 【1回でやる】 最大公約数6でわる → 3/4 【何回かに分けてもよい】 2でわって 9/12 3でわって 3/4

最大公約数が分からなければ、2でわる、3でわると繰り返してもかまいません。最後に「もうわれない」となればOKです。

約分できるかの見分け方も覚えておくと便利です。

分母も分子も… ・偶数なら → 2でわれる ・各位の和が3の倍数なら → 3でわれる ・一の位が0か5なら → 5でわれる
帯分数の計算

帯分数どうしの計算では、2つの方法があります。
方法1:整数と分数を別々に
2と1/3 + 1と1/4 → 整数3、分数 4/12+3/12=7/12 → 3と7/12
方法2:仮分数に直して
7/3 + 5/4 → 28/12 + 15/12 = 43/12 = 3と7/12
ふつうは方法1が速いですが、くり下がりがあるときは方法2が安全です。
3と1/5 - 1と3/5 のような場合、整数から1借りて 2と6/5 とするか、仮分数16/5 - 8/5 にするか。迷ったら仮分数です。

分数・小数・整数の関係

5年生では、分数と小数の関係もはっきりします。

分数 = わり算 3/4 = 3 ÷ 4 = 0.75 1/2 = 1 ÷ 2 = 0.5 2/5 = 2 ÷ 5 = 0.4

分数は、わり算の答えを書き表したものなのです。分数の横線は、わり算の記号でもあります。

逆に、小数を分数に直すこともできます。

0.3 = 3/10 0.25 = 25/100 = 1/4 1.5 = 15/10 = 3/2

ただし、すべての分数が小数で表せるわけではありません

1/3 = 0.3333… (終わらない) 1/7 = 0.142857142857… (くり返す)

こういう場合、分数のほうが正確です。1/3は割り切れませんが、分数なら正確に表せます。

これが、分数を使う大きな理由の一つです。小数では書けない量も、分数なら書けるのです。

そして、分数と小数がまざった計算も出てきます。

0.5 + 1/3 = ? 【小数にそろえる】 0.5 + 0.333… → 割りきれない × 【分数にそろえる】 1/2 + 1/3 = 3/6 + 2/6 = 5/6 ○

分数にそろえるほうが確実です。小数にすると割りきれない場合があるからです。

覚えておくと便利な変換をまとめておきます。

分数小数
1/20.5
1/40.25
3/40.75
1/50.2
1/80.125

これらは覚えてしまうと、計算が速くなります。とくに1/4=0.25、3/4=0.75は、割合の学習でもよく使います。

つまずきやすいところ

その1 分母どうしを足してしまう

1/2+1/3=2/5としてしまう。
分母は単位の名前です。単位をそろえてから、個数(分子)だけを足します。

その2 通分で片方だけ変える

分母は変えたが、分子を変え忘れる。
分母と分子は同じ数をかける。片方だけ変えると、大きさが変わってしまいます。

その3 約分を忘れる

答えが6/8のままになる。
答えはこれ以上わりきれない形にします。計算後に「約分できないか」と確認する習慣をつけましょう。

やってみよう

Q1 なぜ分母がちがうと足せないのですか。

A 単位がちがうからです。1mと1cmを足せないのと同じです。

Q2 通分では、何を使って分母を決めますか。

A 最小公倍数です。それを使うといちばん計算が楽になります。

Q3 1/3 + 1/4 を計算しましょう。

A 最小公倍数12で通分して 4/12 + 3/12 = 7/12です。

Q4 12/18 を約分しましょう。

A 最大公約数6でわって2/3です。

まとめ

おうちの方へ

分数の計算は、小学校算数の大きな山です。しかし原理は単純で、「単位をそろえてから足す」という、1年生から続く一貫した考え方にすぎません。
「分母どうしを足す」ミスが出たら、図や具体物で確かめさせてください。1/2と1/3を足して2/5(=0.4)になるなら、1/2(=0.5)より小さくなってしまいます。明らかにおかしいと気づけます。
通分・約分には、前の単元の倍数・約数の理解が不可欠です。ここでつまずくなら、一つ前に戻って確認する価値があります。
約分の忘れは非常に多いミスです。「答えを書いたら、もう一度見る」という習慣づけが有効です。
分数と小数を行き来する練習も大切です。1/4=0.25、3/4=0.75などは、覚えてしまうと計算が速くなります。