分母がちがう分数は、そのままでは足せません。そろえてから計算する──1年生からの原則です。
4年生で、分母が同じ分数のたし算を学びました。
では、分母がちがうとどうでしょうか。
これは、1mと1cmを足せないのと同じです。
分数も同じです。分母をそろえてから足す。それだけのことなのです。
ちなみに、答えを予想してみましょう。1/2は0.5、1/3は約0.33。合わせて約0.83です。2/5(=0.4)にはなりません。分母どうしを足すのが間違いだと、これで分かります。
分母をそろえるために、まず知っておくべきことがあります。
なぜでしょうか。図で確かめます。
ここから、大事な性質が分かります。
これは、4年生で学んだわり算の性質と同じです。分数は「わり算」でもあるので、当然といえます。
この性質を使って、分母を自由に変えられるのです。
分母をそろえることを通分といいます。
ここで、前の単元で学んだ最小公倍数が登場します。倍数と約数の学習が、ここで役に立つのです。
通分のときは、最小公倍数を使うのが基本です。
どちらでも答えは同じですが、最小公倍数を使うほうが計算が楽です。
片方の分母がもう片方の倍数になっている場合は、さらに簡単です。
計算した答えは、これ以上わりきれない形にします。これを約分といいます。
ここでも、前の単元の最大公約数が使われます。
最大公約数が分からなければ、2でわる、3でわると繰り返してもかまいません。最後に「もうわれない」となればOKです。
約分できるかの見分け方も覚えておくと便利です。
帯分数どうしの計算では、2つの方法があります。
方法1:整数と分数を別々に
2と1/3 + 1と1/4 → 整数3、分数 4/12+3/12=7/12 → 3と7/12
方法2:仮分数に直して
7/3 + 5/4 → 28/12 + 15/12 = 43/12 = 3と7/12
ふつうは方法1が速いですが、くり下がりがあるときは方法2が安全です。
3と1/5 - 1と3/5 のような場合、整数から1借りて 2と6/5 とするか、仮分数16/5 - 8/5 にするか。迷ったら仮分数です。
5年生では、分数と小数の関係もはっきりします。
分数は、わり算の答えを書き表したものなのです。分数の横線は、わり算の記号でもあります。
逆に、小数を分数に直すこともできます。
ただし、すべての分数が小数で表せるわけではありません。
こういう場合、分数のほうが正確です。1/3は割り切れませんが、分数なら正確に表せます。
これが、分数を使う大きな理由の一つです。小数では書けない量も、分数なら書けるのです。
そして、分数と小数がまざった計算も出てきます。
分数にそろえるほうが確実です。小数にすると割りきれない場合があるからです。
覚えておくと便利な変換をまとめておきます。
| 分数 | 小数 |
|---|---|
| 1/2 | 0.5 |
| 1/4 | 0.25 |
| 3/4 | 0.75 |
| 1/5 | 0.2 |
| 1/8 | 0.125 |
これらは覚えてしまうと、計算が速くなります。とくに1/4=0.25、3/4=0.75は、割合の学習でもよく使います。
1/2+1/3=2/5としてしまう。
分母は単位の名前です。単位をそろえてから、個数(分子)だけを足します。
分母は変えたが、分子を変え忘れる。
分母と分子は同じ数をかける。片方だけ変えると、大きさが変わってしまいます。
答えが6/8のままになる。
答えはこれ以上わりきれない形にします。計算後に「約分できないか」と確認する習慣をつけましょう。
Q1 なぜ分母がちがうと足せないのですか。
A 単位がちがうからです。1mと1cmを足せないのと同じです。
Q2 通分では、何を使って分母を決めますか。
A 最小公倍数です。それを使うといちばん計算が楽になります。
Q3 1/3 + 1/4 を計算しましょう。
A 最小公倍数12で通分して 4/12 + 3/12 = 7/12です。
Q4 12/18 を約分しましょう。
A 最大公約数6でわって2/3です。
分数の計算は、小学校算数の大きな山です。しかし原理は単純で、「単位をそろえてから足す」という、1年生から続く一貫した考え方にすぎません。
「分母どうしを足す」ミスが出たら、図や具体物で確かめさせてください。1/2と1/3を足して2/5(=0.4)になるなら、1/2(=0.5)より小さくなってしまいます。明らかにおかしいと気づけます。
通分・約分には、前の単元の倍数・約数の理解が不可欠です。ここでつまずくなら、一つ前に戻って確認する価値があります。
約分の忘れは非常に多いミスです。「答えを書いたら、もう一度見る」という習慣づけが有効です。
分数と小数を行き来する練習も大切です。1/4=0.25、3/4=0.75などは、覚えてしまうと計算が速くなります。