1より小さい数でわると、答えは元より大きくなります。ここが最大の関門です。
かけ算の逆が起こります。
信じられないかもしれませんが、正しい答えです。意味を考えてみましょう。
わり算には、2つの意味があります。
| 意味 | 言い方 | 例 |
|---|---|---|
| 等分除 | 何人かで等しく分ける | 12個を3人で分けると1人4個 |
| 包含除 | いくつ分あるか数える | 12個を3個ずつ分けると4組 |
小数でわるときは、後者(いくつ分あるか)で考えると分かりやすくなります。「0.5人で分ける」は意味不明ですが、「0.5ずつ何個分か」なら考えられます。
かけ算と同じく、1が境目です。
計算のしかたは、実はとても単純です。
使うのは、4年生で学んだわり算の性質です。
小数÷小数を、整数÷整数に変えてしまうのです。
筆算では、こう書きます。
ポイントは「わる数を整数にするのに必要なだけ動かす」ことです。
| 式 | 動かすけた数 | 直した式 |
|---|---|---|
| 7.2 ÷ 2.4 | 1けた | 72 ÷ 24 |
| 4.68 ÷ 1.2 | 1けた | 46.8 ÷ 12 |
| 3 ÷ 0.25 | 2けた | 300 ÷ 25 |
| 0.9 ÷ 0.03 | 2けた | 90 ÷ 3 |
わられる数のけたが足りないときは、0を補います。3 ÷ 0.25 なら、3を3.00とみて300にします。
そして、商の小数点は、動かした後の位置に合わせて打ちます。
この単元でいちばん間違えやすいのが、あまりの小数点です。
なぜでしょうか。あまりは、元の数の大きさで考えるからです。
検算すれば、すぐ分かります。「わる数 × 商 + あまり = わられる数」が成り立たなければ、あまりが間違っています。
筆算では、動かす前のわられる数の小数点の真下に、あまりの小数点があります。
商の小数点は動かした後の位置、あまりの小数点は動かす前の位置。2つは別です。
混乱しやすいので、筆算のときに元の小数点を薄く残しておくとよいでしょう。
そして必ず検算します。あまりがわる数より大きくなっていたら、それも間違いのサインです。
小数のわり算では、わりきれない場合がよくあります。3通りの対応があります。
0を補えば、いくらでも計算を続けられます。
問題文の指定をよく読みます。どの位で四捨五入するかで答えが変わります。
注意点は、指定より1つ下の位まで計算することです。小数第二位までなら、第三位まで計算してから四捨五入します。
どこまで求めるか、問題文で指定されます。
そして、場面によって選び方がちがうことも大切です。
「何本できるか」なら、小数の答えは意味を持ちません。切り捨てて整数にします。答えを出したら、場面に合っているか確かめる習慣が大切です。
小数のわり算も、答えの見当をつけられます。
もし答えが「1.2」や「0.12」になったら、明らかにおかしいと気づけます。
そして、かけ算で検算するのも確実です。
小数の計算はミスしやすいので、検算の価値が特に高い単元です。
文章題では、かけ算かわり算かの判断がいちばん難しいところです。
整数に置きかえて考えます。
1つ分が分かっていて全体を求めるならかけ算。全体が分かっていて1つ分を求めるならわり算です。
小数だと迷いますが、整数に置きかえれば構造は同じです。
そして、答えが出たら大きさで確かめます。
式・計算・確認の3段階。どれか一つでも欠けると、間違いに気づけません。
6÷0.5=12に納得できない。
「6の中に0.5がいくつあるか」と考えます。いくつ分あるかの意味で捉えると自然です。
0.7のところを7にしてしまう。
あまりは元の数の大きさです。動かす前の小数点の位置に合わせます。検算で確かめましょう。
指定と1つずれた位で処理する。
「小数第二位まで」なら第三位を四捨五入します。問題文を線を引いて確認します。
Q1 わる数が1より小さいとき、答えはどうなりますか。
A 元の数より大きくなります。かけ算と同じく1が境目です。
Q2 小数でわる計算のやり方を一言で言うと?
A わる数を整数に直す。わられる数も同じだけ動かします。
Q3 あまりの小数点は、どこに打ちますか。
A 動かす前のわられる数の小数点の位置に合わせます。検算で確認しましょう。
Q4 「20Lを1.5Lずつ入れると何本?」の答えは?
A 20÷1.5=13.33…ですが、本数なので13本。場面に合わせて考えます。
小数のわり算は、小学校算数で最も難しい計算の一つです。「わったのに大きくなる」という結果への抵抗感に加え、あまりの小数点という技術的な落とし穴もあります。
まず、意味の理解を優先してください。「6の中に0.5がいくつ入るか」と考えれば、12という答えは自然です。数直線に0.5ずつ印をつけて数えてみると、目で確かめられます。
あまりの小数点は、検算で気づかせるのが最良です。「わる数×商+あまり」が元の数にもどるか。合わなければ間違いだと自分で分かります。
そして、答えの妥当性を場面で確かめる習慣も大切です。「13.33本のジュース」はあり得ません。計算して終わりではなく、意味を考える。この姿勢が、割合や速さの単元でも生きてきます。