公式は単純です。でも何が見えなくなるかまで知って、はじめて使いこなせます。
5人が集めたどんぐりの数です。
バラバラです。これを全員同じ数にそろえるとしたら、1人何個になるでしょうか。
全員5個になりました。このならした後の数が平均です。
移動させても、全体の数は変わりません。だから、こう計算できます。
公式そのものは簡単ですが、「ならす」というイメージを持っておくことが大切です。これがあると、平均の意味を取りちがえません。
平均の式は、変形して使えます。
合計を求める形は、よく使います。
この考え方で、こんな問題も解けます。
合計に直して考えるのがコツです。平均のままでは計算できません。
平均でよく問題になるのが、0の扱いです。
水曜日の0を、数に入れるべきでしょうか。
答えは「入れる」です。水曜日も1日として数えます。
なぜでしょうか。「1日あたり何分読んだか」を知りたいからです。読まなかった日も、1日には変わりありません。
ただし、目的によっては入れないこともあります。
何を知りたいかで決まるのです。問題文をよく読む必要があります。
一方、データがない場合は別です。
「0だった」と「分からない」はちがいます。ここは混同しないようにします。
平均は便利ですが、失われる情報もあります。
Aクラスは全員が近い点数。Bクラスは大きくばらついています。
平均だけを見ると、この差が分かりません。ばらつきの情報が消えてしまうのです。
もう一つ、極端な値の影響も注意が必要です。
1人だけ極端に多いと、平均が実態からずれます。「平均的な人」が実際には存在しないのです。
だから、平均を見たらこう考える習慣をつけましょう。
「自分は平均以下だ」と落ちこむ必要はありません。
平均以下の人は、たいてい半分近くいます。定義上、当たり前のことです。
そして、極端に高い値がある場合、平均以下の人が半分より多くなることもあります。
平均は「真ん中」ではなく「ならした値」です。この区別を知っておくと、数字に振り回されずにすみます。
平均は、いろいろな場面で使われています。
| 場面 | 何の平均か |
|---|---|
| 平均気温 | 1日や1か月の気温 |
| 平均寿命 | 亡くなった年齢 |
| 打率 | ヒットの割合 |
| 燃費 | 1Lで走れる距離 |
| 平均点 | テストの得点 |
| 視聴率 | 見た人の割合 |
そして、平均を使って予想することもできます。
1回だけでは誤差がありますが、何回か測って平均をとると精度が上がります。理科の実験でも、この方法をよく使います。
また、平均は小数になってかまいません。「平均2.4人」という値もあり得ます。実際には2.4人という人はいませんが、ならした値としては正しいのです。
間違えやすい問題を見ておきましょう。
なぜ75点ではないのでしょうか。人数がちがうからです。
女子のほうが人数が2倍多いので、女子の90点のほうがより強く影響します。だから、答えは真ん中の75点より、90点に近い80点になるのです。
ルールは一つです。
平均のままでは足したりわったりできません。いったん合計にもどす。これが鉄則です。
逆に、人数が同じなら平均どうしを平均してもかまいません。10人と10人なら、(60+90)÷2=75点で正しくなります。条件によって変わるので、必ず人数を確認しましょう。
0の日を数えずに計算する。
0も1つのデータです。「なかった」と「分からない」は区別します。
3人の平均と5人の平均を足して2でわる。
人数がちがうのでそのままでは平均できません。それぞれの合計を出してから、全体の人数でわります。
平均以下の人が半分だと考える。
平均はならした値です。極端な値があると、平均以下が半分より多くなることもあります。
Q1 平均の求め方を式で言いましょう。
A 合計 ÷ 個数です。ならした後の値を求めています。
Q2 5回のテストの平均が82点。合計は?
A 82 × 5 = 410点です。合計=平均×個数。
Q3 読まなかった日の0は、平均の計算に入れますか。
A 「1日あたり」を知りたいなら入れます。0もデータの一つです。
Q4 自分の歩幅を、平均を使って求めてみましょう。
A 10歩の長さを何回か測って平均し、10でわります。これで距離が測れます。
平均は計算自体は簡単ですが、意味の理解が伴わないと使いこなせません。「ならす」というイメージを、おはじきなどを実際に動かして体験させると効果的です。
この単元でぜひ伝えたいのは、平均の限界です。ニュースや広告では平均値がよく使われますが、それだけでは実態が分からないことがあります。「平均年収」「平均寿命」など、大人でも誤解しやすい数値です。
「平均以下=ダメ」という思いこみも、この機会に解いてあげてください。平均以下の人は必ずたくさんいます。それが平均というものの性質です。
歩幅を測って距離を求める活動は、平均の有用性が実感できる良い題材です。散歩のときに試してみてください。