5年 算数 面積(三角形・四角形)

面積(三角形・四角形) ── すべては長方形に変えて考える

4つの公式が出てきます。でも暗記する必要はありません。すべて導けるからです。

知っている形に持ちこむ

4年生で学んだ面積の公式は、これだけでした。

長方形の面積 = たて × よこ

5年生では、三角形・平行四辺形・台形・ひし形の面積を学びます。

ここで使う作戦は、たった一つです。

知っている形(長方形)に変えて考える

切って動かす、2つ合わせる、囲む。どんな方法でも、長方形にできれば計算できます

この「知っている形に持ちこむ」という発想は、算数・数学の基本戦略です。新しい問題に出会ったとき、すでに解ける形に変えられないかを考える。この単元は、その練習でもあります。

平行四辺形

まず平行四辺形から始めます。

/────────/ / / 高さ /────────/ 底辺 左の三角形を切って、右へ移す ┌────────┐ │ │ 高さ └────────┘ 底辺 → 長方形になった!

切って移しただけなので、面積は変わっていません

平行四辺形の面積 = 底辺 × 高さ

ここで重要なのは、高さは「垂直な長さ」だということです。ななめの辺の長さではありません。

/────────/ /| / / |高さ / /__|_____/ 底辺 高さ = 底辺に垂直な線の長さ (ななめの辺ではない)

これがこの単元最大の注意点です。図に書かれた数字をそのまま使うと、間違えることがあります。

三角形

三角形は、同じものを2つ合わせると考えます。

/| /|/ / | + / |/ /__| /__|/ 同じ三角形を2つ、 くるっと回して合わせると 平行四辺形になる → 三角形は平行四辺形の半分
三角形の面積 = 底辺 × 高さ ÷ 2

÷2があるのは、平行四辺形の半分だからです。理由が分かれば忘れません。

三角形でも、高さは垂直な長さです。そして、三角形には注意すべき形があります。

鈍角三角形の場合 /| / | / |高さ / | ●─────┴─── 底辺 (外にはみ出す) 高さが図形の外側に出ることがある

底辺を延長した線に垂直に測ります。高さが外に出ても、公式は同じです。

また、底辺の取り方は3通りあります。どの辺を底辺にしてもよく、それに対応する高さを使えば、同じ面積になります。

台形

台形も、2つ合わせる方法で考えます。

──上底── / \ 高さ /__下底____\ 同じ台形を逆さにして合わせると ──上底──┬──下底── | | | 高さ ──下底──┴──上底── → 平行四辺形になる → 底辺は (上底 + 下底)
台形の面積 = (上底 + 下底) × 高さ ÷ 2

2つ分の面積が「(上底+下底)×高さ」なので、1つ分は÷2です。

この公式は複雑に見えますが、導き方を知っていれば作れます

ちなみに、台形の公式は三角形と平行四辺形の両方を含んでいます

上底 = 0 のとき(三角形) (0 + 下底) × 高さ ÷ 2 = 底辺 × 高さ ÷ 2 ← 三角形の公式 上底 = 下底 のとき(平行四辺形) (底辺 + 底辺) × 高さ ÷ 2 = 底辺 × 高さ ← 平行四辺形の公式

1つの公式で3つをカバーできるのです。数学の美しさが感じられるところです。

ひし形

ひし形は、対角線で考えます。

/\ / \ <──────> ← 対角線 \ / \/ ↑ 対角線 ひし形を囲む長方形をかくと ┌──┬──┐ │/ │ \│ ├──┼──┤ │\ │ /│ └──┴──┘ → ひし形は長方形のちょうど半分
ひし形の面積 = 対角線 × 対角線 ÷ 2

なぜ対角線を使うのでしょうか。ひし形の対角線は垂直に交わるからです。4年生で学んだ性質が、ここで生きています。

この公式は、対角線が垂直に交わる四角形ならどれでも使えます。正方形もそうです。

1辺6cmの正方形 【ふつうの方法】6 × 6 = 36cm² 【対角線で】対角線は約8.49cm 8.49 × 8.49 ÷ 2 ≒ 36cm² ✓

公式のまとめと使い方

図形公式導き方
長方形たて × よこマスを数える
平行四辺形底辺 × 高さ切って移す
三角形底辺 × 高さ ÷ 22つで平行四辺形
台形(上底+下底) × 高さ ÷ 22つで平行四辺形
ひし形対角線 × 対角線 ÷ 2長方形の半分

公式が5つありますが、すべて長方形から導けます。忘れても作り直せるのです。

高さを見つけるコツ

問題では、使わない数値がわざと書かれていることがあります。
平行四辺形で、底辺8cm・ななめの辺6cm・高さ5cmと書かれていたら、使うのは8と5です。6は使いません。
見分け方は、底辺と垂直かどうか。図に直角の印(□)があるところを探します。
迷ったら、「底辺に対して、まっすぐ立っているか」を確認してください。

複雑な形にも使える

公式が使えない形も、分ければ計算できます

五角形の面積 対角線で分ける → 三角形3つ → それぞれの面積を足す または 大きな長方形から 余分な三角形を引く

4年生の面積で学んだ「分ける・引く」が、ここでも使えます。

そして、底辺と高さが等しい三角形は、形がちがっても面積が同じという面白い性質もあります。

● ● ● ← 頂点をずらす /| /| /| / | / | / | ────┴─────┴─────┴── 同じ底辺、同じ高さ → 3つとも面積は同じ

頂点が底辺と平行な線の上を動く限り、高さは変わらないので面積も変わりません。形がちがっても面積は同じになるのです。

この性質を使うと、面白い問題が解けます。

問題:長方形の中に、 頂点をどこに取っても 三角形の面積は変わらない? ┌──●────┐ │ / \ │ │/ \│ └─────────┘ 底辺 = 長方形の下の辺 高さ = 長方形のたて → 頂点が上の辺のどこにあっても 高さは同じ → 面積は常に長方形の半分

頂点を左端に寄せても、真ん中でも、右端でも、面積は長方形のちょうど半分です。

この考え方は、中学で学ぶ「等積変形」につながります。面積を変えずに形だけ変える技術です。面積は形ではなく、底辺と高さで決まる──この理解が土台になります。

つまずきやすいところ

その1 ななめの辺を高さにする

平行四辺形で、辺の長さを高さと勘違いする。
高さは底辺に垂直な長さです。直角の印を探します。

その2 ÷2を忘れる

三角形の面積で2でわり忘れる。
2つ合わせて平行四辺形だから半分です。理由を覚えておけば忘れません。

その3 公式を丸暗記する

台形の公式が思い出せず手が止まる。
2つ合わせて平行四辺形にすれば導けます。導き方を覚えるほうが確実です。

やってみよう

Q1 平行四辺形の面積の公式と、その理由は?

A 底辺×高さ。切って移すと長方形になるからです。

Q2 三角形の公式に÷2があるのはなぜ?

A 同じ三角形2つで平行四辺形になるからです。だから半分です。

Q3 高さとは何ですか。

A 底辺に垂直な長さです。図にある直角の印を探して見つけます。

Q4 台形の公式を、自分で導いてみましょう。

A 同じ台形を逆さにして合わせると平行四辺形。底辺が(上底+下底)なので、÷2で1つ分です。

まとめ

おうちの方へ

この単元では、公式の暗記に走らせないことが重要です。5つの公式を丸暗記すると、必ず混乱します。
おすすめは、実際に紙を切って動かすことです。平行四辺形を切って長方形にする、三角形を2つ合わせる、台形を逆さにして合わせる。手を動かすと、公式の意味が体で分かります。
「高さ」の誤解は非常に多いつまずきです。ななめの辺を高さだと思ってしまうのです。「底辺に対してまっすぐ立っているか」を確認する習慣をつけてください。
問題によっては、使わない数値がわざと入っています。これは意地悪ではなく、高さを正しく判断できるかを見るためです。
台形の公式が三角形も平行四辺形も含むという話は、興味を持つ子には面白い発見になります。